Films and TV

「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア2021」『GQ JAPAN』が選んだ極上のショートショートフィルムvol.03 / 幼い姉妹の熱演が胸をえぐる『おねえちゃん』

今年も開催される「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア2021」。こんな時代だからこそ、日常を忘れ、希望を見出し、人生を考えさせてくれるエンタテインメントにひたりたい。『GQ JAPAN』が厳選した極上のショートムービーを“映画賢人”たちの解説とともに紹介しよう。

1999年にはじまり、今年で23回目を迎える「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア」(SSFF & ASIA)が6月11日から21日、都内会場およびオンライン会場で開催される。今回のテーマは、「CINEMADventure」。新しい時代を切り開く、ベンチャー精神で、観客をアドベンチャーに導く──。面倒な説明を省いたからこその迫力、時間が短いからこその表現、そして時間を忘れさせてくれる感動と余韻。長編にはないショートショートフィルムならではの楽しみを味わえるこのSSFFから、珠玉の3本をピックアップ!

SSFF&ASIA代表の別所哲也、映画コメンテーターのLiLiCo、『GQ JAPAN』編集長・鈴木正文がショートフィルムを観賞し、感じたことを語り合った


「誰かの家のリアルな物語を見ているような感覚」(別所哲也)


3本目は、Feng-I Fiona Roan監督の『おねえちゃん』(原題:JIE JIE)。台湾からロサンゼルへと移住してきた母と幼い姉妹。新しいコミュニティに馴染もうと教会へと出かけるが、姉のフェンはむしろ自分たちの異質性を感じ、無邪気な妹アンにやつあたりする。そしてその帰り道、フェンは小さな“過ち”をおかしてしまう──。

現在ロサンゼルスで活動する監督が、シングルマザーだった母と妹との実話をもとに製作。子どもだからこそ感じる日常のなかの細やかな感情の動きを子役たちが見事に演じている。ごく小さな世界の出来事ながら、多様性を認めあうという“正しい主張”のなかにひそむ個人の憔悴や困惑が繊細に描かれた作品。

『GQ JAPAN』では、映画コメンテーターでSSFF & ASIAアンバサダーでもあるLiLiCoさん、俳優でSSFF創設者である別所哲也さん、そしてこの映画祭のメディアパートナーである『GQ JAPAN』鈴木正文編集長の3名が、喧々諤々映画について語り合ったショートムービーを公開。彼らのトークを聞いてから、もう一度映画を見ると、また違った世界が見えてくる!

■『ショートショートフィルムフェスティバル & アジア 2021』(SSFF & ASIA 2021)

開催期間/6月11日(金)~6月21日(月)※オンライン会場は6月30日(水)まで

上映会場/表参道ヒルズ スペース オー、iTSCOM STUDIO & HALL 二子玉川ライズ、TORQUE SPICE & HERB,TABLE & COURT、赤坂インターシティコンファレンス、LINE CUBE SHIBUYA、オンライン会場ほか ※開催期間は各会場によって異なります

料金/無料上映(一部、有料イベントあり)

お問い合わせ先/03-5474-8844

映画祭代表/別所哲也

フェスティバルアンバサダー/LiLiCo(映画コメンテーター)

主催/ショートショート フィルムフェスティバル & アジア実行委員会

https://www.shortshorts.org/2021

文・ 川上康介