FASHION

まずはモードな白黒──春夏スニーカー大調査 PART①

今月のワードローブはスニーカーをクローズアップ。1発目はブラック&ホワイト。どんなスタイルにも合い、ドレッシーな足元にも違和感なく収まるスニーカーといえばやっぱりモノトーン!

時代は空前のスニーカーバブルである。マイケル・ジョーダンが履いたスニーカーが61万5000ドルで落札されたニュースは記憶に新しい。バブルはいつか弾けるが、一度味わってしまった快楽はやめられるものではない。ビジネススタイルのカジュアル化が背中を押してドレスシューズ→スニーカーの流れはますます加速していくだろう。現にいまでは名のあるブランドならスニーカーを扱っていないほうが珍しい。膨大な今シーズンの新作を通して見えてきたキーワードは白黒、サステイナブル、スポーツコラボ、ブーツ型。

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話題の再生ナイロンがスニーカーになった

話題の再生ナイロン、Re-Nylonを使用した新作。60〜70年代のスポーツシューズを彷彿とさせるアッパーに薄く軽やかなラバーソールを履かせた。直線で構成されるグラフィックにナイロン素材ならではのシャープな風合いがダメを押して、じつにモダン。靴 ¥91,300(予定価格)〈PRADAプラダ クライアントサービス〉

じつは遊び心があふれるオールブラック

ナッパレザーのアッパー、ラバー加工したレザーのトウキャップ、そしてかかとに配したラバー製のループ。ブラックのワントーンで仕上げたストイックなデザインワークだけに、レタリングロゴやモンクレールならではのステッチワークが生きる。靴 ¥92,400〈5 MONCLER CRAIG GREEN/モンクレール ジャパン〉

ムッシュの仕事が現代にカムバック

ムッシュ イヴ・サンローランがジャングルの葉や花をフィーチャーしたアーカイブにインスパイアされたスニーカー。ボタニカル・パターンのアッパーをサイドソールのシグネチャーとヴィンテージ加工で仕上げた。靴 ¥82,500〈Saint Laurent by Anthony Vaccarello/サンローラン クライアントサービス〉

モードシューズの2021年最右翼

ライトウェイトで環境にも優しいEVA樹脂素材を成型したボリュームあるソール、切りっぱなしのシュータン、そして異素材パネルを組み合わせた、マスクを思わせるレイヤリングパーツに覆われたアッパー。モードを極めたディーゼルの新作の名は、セレンディピティ。靴 ¥29,700〈DIESEL/ディーゼル ジャパン〉

ダッドシューズの生みの親がさらに進化

エイジングを重ねたような風合い、頭文字の〝B〟やライン名の〝X-Pander〟のロゴ、そしてサイズをあらわすかかとの刺繍。チャンキーなデザインの仕上げはメッシュ&ナイロンのレザーフリー。跳ねるような弾力性はぜひ体感したい。靴 ¥150,700(予定価格)〈BALENCIAGAバレンシアガ クライアントサービス〉

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りんごの皮をすり下ろしています

レザーと見紛うアッパーはポリウレタンにアップルピールを混合したマテリアル。環境に配慮した当コレクションはサイドのストライプとバックステイにベジタブルタンニンレザー、アッパーとソールをつなぐテープとシューレースにはオーガニックコットンを採用。靴 ¥104,500〈TOM FORD/トム フォード ジャパン〉

舷窓をイメージしたカットアウト

人魚とサメのラブストーリーをテーマに据えた2021
SSシーズンを象徴するハイカットスニーカー。脱ぎ履きに重宝しそうなくるぶし回りの大胆なカットアウトは舷窓をイメージしたもの。光沢感たっぷりのカーフグレインレザーはきらめく水面を思わせる。靴 ¥81,400(予定価格)〈BURBERRYバーバリー・ジャパン〉

マシュー初のスニーカーが登場

アッパーに採用したのはクロコダイルエフェクトのエンボス加工レザー。4Gエンブレム付きのソール、立体的な〝GIVENCHY〟ロゴが妖艶なアッパーの魅力を引き立てる。昨年クリエイティブ・ディレクターに就任したマシュー・M・ウィリアムズによるスニーカー第1弾。靴 ¥132,000〈Givenchy/ジバンシィ 表参道店〉

ポップな見た目に反し履き心地は至福

ポール・スミスのロゴをジオメトリックに表現したハイカットスニーカー。このジオメトリーはソールのトレッドパターンにも採用されている。レザー・ライニング、カップソール、そしてヴァルカナイズド製法がもたらすラグジュアリーな履き心地も見どころだ。靴 ¥22,000〈Paul Smith/ポール・スミス リミテッド〉

古き良きロサンゼルス

今春登場したフットウェアのニューカマー、セリーヌ トレーナー。鼻の利くスニーカーヘッズならぴんとくるだろう。このスニーカーは80年代後半から90年代初頭のロサンゼルスを闊歩した若者たちがデザインのインスピレーション源だ。靴 ¥105,600(予定価格)〈CELINE HOMME BY HEDI SLIMANE/セリーヌ ジャパン〉

Photos 小嶋晋介 Shinsuke Kojima、長尾大悟 Daigo Nagao
Styling 田名部淳士 Atsushi Tanabe / Words 竹川 圭 Kei Takegawa