家族のミニバン、堂々フルモデルチェンジ──新型トヨタ・ノア&ヴォクシー登場!

1月13日、トヨタ自動車(以下、トヨタ)はミニバンの「ノア」と「ヴォクシー」のフルモデルチェンジを発表した。
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快適なキャプテンシート

フルモデルチェンジした新型ノアヴォクシーは、2001年に登場した初代から数えて4代目となる。先代は2014年1月発売だから、まるっと7年間、売れまくった、日本のミニバン界ミドルクラスの大ベストセラー、絶対王者の全面改良となる。

基本的にはキープコンセプトだけれど、プラットフォームを最新のTNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)に一新、ハイブリッドをはじめ、パワートレインもトヨタの最新仕様に衣替えし、ミニバン最強の座を維持しよう、とつとめている。

【主要諸元(ノアX・ガソリン)】全長×全幅×全高=4695×1730×1895mm、ホイールベース2850mm、車両重量1600kg、乗車定員7/8名、エンジン1986cc直列4気筒DOHCガソリン(170ps/6600rpm、202Nm/4900rpm)、トランスミッションCVT、駆動方式FWD、タイヤサイズ205/60R16、価格267万円。

エクステリアは、写真で見る限り、より堂々としたデザインになった。「歴代モデルで追及してきた、室内空間の最大化と力強いハコ(箱)らしさを継承深化」と、プレスリリースには書かれている。

リアは、ミニバン・ラージクラスの絶対王者「アルファード」を彷彿とさせ、従来型より近寄りにくくなった感がある。幼子を乗せる機会の多いファミリー層には大歓迎だろう。

写真はヴォクシー。ノアと前後意匠などが異なる。

写真はヴォクシー。ノアと前後意匠などが異なる。

ノアには、「S-Z」「S-G」と呼ぶエアログレードを設定。専用フロントバンパーやグリル、ブラックの17インチ・アルミホイールなどによって差別化を図る。

ボディカラーには、新たに開発された「グリッターブラックガラスフレーク」と「マッシブグレー」が設定された。

インテリアは、ボディ骨格の最適化によって開放感ある空間を実現したという。たとえば、左右のCピラー間距離は、従来と比べ75mm拡大され1295mmとなった。

水平基調のインパネ。ディスプレイ・オーディオはノアの「X」グレード以外、全車標準装備。

定員は7人乗りと8人乗りが選べる。前者のセカンドシートはキャプテンタイプで、オットマン機構やシートヒーター、折りたたみ式大型サイドテーブルなどを装備。スライド量は前後745mmに達する。

8人乗りのセカンドシートは、3人がけのベンチタイプだ。座面が跳ね上がる60:40分割チップアップシートを採用。スライド量は、7人乗り仕様には劣るものの705mmを実現した。

オプションで、手すり付きのふたり掛けベンチシートも用意。2列目左側に乗降スペースを確保し、3列目シートへの乗降性を高める。

7人乗り仕様。キャプテンシートは、シートベルトを内蔵する。

8人乗り仕様。セカンドシートはベンチタイプ。

乗降性向上

子どもからお年寄りにまで、親切なデバイスがたくさん用意されている。たとえば、パワースライドドア装着車に設定された「ユニバーサルステップ」である。パワースライドドアの開閉とあわせてドア開口部の床下からステップを自動的に展開・格納する。ステップ高は200mmだ。

左右のBピラーに設置されたロングアシストグリップもそのひとつ。子どもから大人まで握りやすい高さ(グリップ最下端地上高895mm)とし、グリップの太さも最適化したという。

乗降性を高めるロングアシストグリップは、左右のBピラーに設置された。

オプションで、「ハンズフリーデュアルパワースライドドア」も選べる。キーを携帯している状態で、フロントドア下側に足を出しいれすると、リアのスライドドアが開閉する。

テールゲートの開閉では、任意の角度で止まる「フリーストップバックドア」を世界初採用した。これにより、車両後方にスペースがない場合でも、バックドアからの荷物の出し入れが容易になる。

パワースライドドア装着車には「ユニバーサルステップ」(助手席側)を設定した。パワースライドドアの開閉とあわせて機械的にドアの敷居の下からステップを展開・格納する。

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インパネ上部には8インチのディスプレイ・オーディオ(高精細HDワイドディスプレイ)を設置。ノアはXグレードを除く全車に、ヴォクシーは全車に標準装備。オプションで、純正ナビゲーション機能搭載の10.5インチも選べる。

クルマがWi-Fiスポットになる「車内Wi-Fi」はトヨタ初採用。データ通信容量無制限でインターネットに接続出来る。

純正ナビゲーション機能搭載の10.5インチのディスプレイ・オーディオはオプション。

トップグレードは396万円!

プラットフォームは、「プリウス」や「カローラ」とおなじ「GA-C」を使う。サスペンションは、フロントにマクファーソンストラット式を、リアにはトーションビーム式を採用。

プレスリリースには、「サスペンションのしなやかな動きと接地感あるフラットな走りを追及」と、謳う。駆動方式はFWD(前輪駆動)と4WDから選べる。

プラットフォームを一新。「プリウス」や「カローラ」とおなじ「GA-C」を使う。

パワーユニットは、ハイブリッドとガソリンの2種類。ハイブリッドは、1.8リッター直列4気筒ガソリン・エンジン(98ps/5200rpm、142Nm/3600rpm)にモーター(70kW/185Nm)を組み合わせる。従来型の改良版で、WLTCモード燃費は19.8km/Lから23.4km/Lに向上している。

先代には設定がなかったハイブリッドの4WDモデル、「E-Four」も新たに用意されている。リアのモーターは30kW(41ps)/84Nmを発揮する。たとえば「カローラ・クロス」のE-Fourのそれは、5.3kW(7.2ps)/55Nmと較べると大幅なアップだ。強力なこのリアモーターの採用で、4WDの作動領域を拡大、コーナリング中の前後輪へのトルク配分も最適制御できるようになり、操縦安定性が高まった。また、後輪を駆動するトルクそれ自体が向上したため、降雪時や雨天時の登坂発進時の安心感も向上したという。

サスペンションは、フロントにマクファーソンストラット式を、リアにはトーションビーム式を採用。

ハイブリッドの前輪駆動モデルは、1.8リッター直列4気筒ガソリン・エンジン(98ps/5200rpm、142Nm/3600rpm)にモーター(70kW/185Nm)を組み合わせる。

ガソリンは、従来の3ZR-FAEに換えて、「ダイナミックフォースエンジン」とトヨタが呼んでいる新世代のひとつ、M20-FKS型の2.0リッター直列4気筒を搭載する。最高出力と最大トルクは、3ZR-FAEの152ps/6100rpm、193Nm/3800rpmから170ps/6600rpm、202Nm/4900rpmに。それでいて、WLTCモード燃費は最良で13.6km/Lから15.1km/Lに向上している。

なお、ガソリンの4WDは、発進時やタイヤスリップしやすい路面の走行時、車両の状態にあわせてトルクを後輪に配分する「ダイナミックトルクコントロール4WD」を採用する。

先進安全パッケージの「トヨタセーフティセンス」も搭載。衝突被害軽減ブレーキは、車両、歩行者、自転車運転者にくわえ自動二輪運転者(昼)も検知するようになった。

トヨタ初搭載の「プロアクティブドライビングアシスト」は、運転の状況に応じたリスクを先読みする機能で、歩行者や自転車、駐車車両に近づきすぎないように、ステアリング、ブレーキ操作をサポートする。さらに、先行車や前方のカーブに対し減速操作をサポートすることで、頻繁なペダルの踏み替え操作を軽減するそうだ。

トヨタ初搭載の「プロアクティブドライビングアシスト」は、先行車や前方のカーブに対し減速操作をサポートする。

もうひとつの初搭載である「アドバンストドライブ(渋滞時支援)」は、自動車専用道路での運転において、渋滞時(0km/h〜約40km/h)のレーダークルーズコントロールおよびレーントレーシングアシストの作動中に、ドライバーが前方を向いているなど一定の条件を満たすとシステムが作動。ハンズ・オフ運転を可能にする。

「アドバンストドライブ(渋滞時支援)」は、自動車専用道路での運転において、渋滞時(0km/h〜約40km/h)のレーダークルーズコントロールおよびレーントレーシングアシストの作動中に、ドライバーが前方を向いているなど一定の条件を満たすとシステムが作動。ハンズ・オフ運転を可能にする。

メーター内に設置された、ドライバー監視用のカメラ。

ソフトウェアのアップデート機能も搭載。無線通信または販売店での有線接続により、常に最新のソフトウェアに更新出来る。運転支援機能もこの対象に含まれる。

新型ノアおよびヴォクシーの価格は、267万円(ノアX 2WD)から396万円(ヴォクシーS-Zハイブリッド E-Four)まで。

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文・稲垣邦康(GQ)