Text by Pete Pattisson
世界が「脱炭素」に舵を切るなか、注目を浴びるEV(電気自動車)産業。だが、EVに欠かせないリチウムイオン電池に使われる鉱物コバルトは、奴隷のような待遇を受けるコンゴの人々によって採掘されている。劣悪な労働環境の実態を英紙が取材した。
鉱山企業と労働者は“主人と奴隷”
ピエール(仮名)にとって、テスラやルノー、ボルボといった有名企業の名前は何の意味も持たない。彼はEV(電気自動車)の存在すら知らない。
それでもピエールは毎朝、砂ぼこりが舞い、喧騒に満ちたフングルーメの街で働く。フングルーメは、コンゴ民主共和国南部の鉱山地帯の一角にある。ピエールはそこで、EV製造の最初の供給線を担う。彼がいなければ、EV革命も、未来の脱炭素社会も実現しない。
彼は世界で争奪戦が繰り広げられているコバルトの採掘者だ。ほとんどのEVの動力源であるリチウムイオン電池には、このコバルトが必要不可欠である。
ピエールの賃金は日給2.60ポンド(約400円)だが、昼食時間も休まずに働き、何時間も残業すれば、3.70ポンドくらいにはなるという。
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