特集

新作おしえてvol.44「Little bitさんの新作、桜に焦がれた紫陽花のリースブローチ」

作家さんにSNSで「新作」を募集し、編集部の目にとまった素敵な作品を、制作の背景と交えてご紹介していきます。今回ご紹介するのは、Little bitさんの新作、「桜に焦がれた紫陽花のリースブローチ」です。

作り手は、Little bitさん

Little bit
「自分軸で生きている方、自分軸で生きたいと思っている方に身につけてほしい」という想いを込めて、主に季節の花をモチーフにした、クレイアクセサリーを制作。
https://minne.com/@a-little-bit

Little bitが生まれるまで

もともとお母さまが日常的にものづくりをしており、何かをつくっては、京都の東寺で月1回行われている「弘法市」で販売しているのを間近で見ていたというLittle bitさん。

Little bit
とにかくものづくりが好きだった母。小学校の卒業式には、ボレロとキュロットのスーツと白く長いリボンタイが付いた洋服を仕立ててくれました。子ども心にとても誇らしく、ワクワクしながら卒業式に参列したのを覚えています。

2021年9月に、minneの週間総合ランキング1位を獲得した「桂花の蜜 金木犀の耳飾り

Little bit
ハンドメイドアクセサリーの制作販売をはじめたきっかけも、母でした。普段、実家が営む飲食店を手伝っているのですが、そこでも母が手づくり品を販売しているのを見ていて、「わたしもなにかやりたい」と思ったことが始まりです。
父は料理人だったので、食材の盛り付けや色彩感覚なども今となっては制作の参考になっていると思います。

金木犀の原種「銀木犀」がモチーフになった「銀桂の耳飾り(オーバル)

Little bit
わたしは母のように洋裁が得意ではなく、どちらかというと工作などの方が得意だったので、さまざまなパーツを組み合せたピアスなどを制作し始めました。

童話「人魚姫」からインスピレーションを得て制作された「泡沫の境界線」。花びらのような形で、人魚のうろこを表現。

Little bit
お店のお客さまにも気に入っていただけて、もっと多くの方に見てもらいたい…と欲が出たことがminneに登録したきっかけです。
2年ほど販売していましたが、「もっとなにかやれるはず…」と自分と向き合い、好きや得意なことなどを掘り下げていった結果、今のクレイフラワーアクセサリーにたどりつきました。

そっと寄り添う作品を

美しい色彩とまるで本物のようにリアルな花の表情が魅力の、Little bitさんの作品。制作においてのこだわりについてもうかがってみました。

Little bit
作品の制作では、花や葉などの質感や繊細な表現にこだわっています。特に色にはこだわりが強く出ていると思います。あえて少し褪せたような色合いや、何色も重ねたグラデーションを取り入れています。

どこかアンティークのような雰囲気が漂う「恋する花果実の耳飾り

Little bit
また、わたし自身が常に相反する考えと感情の板ばさみになって葛藤と矛盾を抱えていた経験から、Little bitのコンセプトを「自己の中にある矛盾すら愛して輝く」にしました。うつむいて歩いている人の肩をそっとたたいて「空が青くて綺麗だよ」ってやさしく教えてあげるように、そっと寄り添ったり、誰かの何かのきっかけになったりするような花を咲かせられたらなと思っています。そして、そんな想いを抱えながらも自分を楽しんでいる人のために色を重ねていきたいです。

新作は、桜に焦がれた紫陽花のリースブローチ

Little bit
−春をふんわりやさしい色に染めあげる桜に心を奪われ、想い焦がれてその身をとうとう桜色に染めてしまった紫陽花たち−
−桜に憧れて、惹かれて、恋をした−
昨年、そんな紫陽花の恋物語を耳飾りに仕立てた作品「桜に焦がれた紫陽花の耳飾り」を販売していました。今回の新作「桜に焦がれた紫陽花のリースブローチ」は、昨年の春に販売したこの耳飾りとおそろいのブローチが欲しいというお客さまのお声から生まれた作品です。

今回の新作が誕生したきっかけになった作品「桜に焦がれた紫陽花の耳飾り

Little bit
何色も色を重ねていく中で、桜色が濃くなり過ぎないように気を付けました。
また、花と葉に紫陽花の色をすこし重ねることで、桜の花でなく、紫陽花が桜色になったことを表現しました。

Little bit
そして、花の大きさや配置のバランスも試行錯誤しました。ピンクは色の出方次第で子どもっぽく見えてしまう色なので、個人的にいちばん気を使う色です。

最後に、記事を読んでくださった皆さんに向けてメッセージをいただきました。

Little bit
「お気に入りが近くにあるだけで元気が出る」「写真で見るよりも繊細な表現で、身につけた自分を鏡で見るとすごく良い顔をしていた」「2つ購入して、ひとつは観賞用にします」。
そんな風にとても嬉しいメッセージをいただけることが活動の励みになっています。Little bitの花を愛でてくださる方の傍でそっと寄り添う花をこれからも咲かせていきたいと思います。

桜に焦がれた紫陽花のリースブローチ
https://minne.com/items/30153822


連載「新作おしえて」はSNS連動企画です。minne作家のみなさんは、TwitterまたはInstagramにて「#新作おしえて」「#minneとものづくりと」の2つのタグをつけ、新作画像と作品URLをつけてぜひご投稿ください。

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文 / 堀田恵里香

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