天王寺動物園の動画人気 登録者数1年で15倍超

天王寺動物園のペンギン舎で、ライブ中継の撮影をするスタッフ=大阪市天王寺区(安元雄太撮影)
天王寺動物園のペンギン舎で、ライブ中継の撮影をするスタッフ=大阪市天王寺区(安元雄太撮影)

新型コロナウイルスの緊急事態宣言に伴い臨時休園が続く天王寺動物園(大阪市天王寺区)が、園内の動物たちの様子を撮影した動画の配信に力を入れている。普段は見られない動物の姿が見られるとあって、動画投稿サイト「ユーチューブ」に開設している同園の公式チャンネルの登録者数はこの1年で15倍以上に増加。担当者は反響に驚きつつ、「動物園のことを知ってもらう貴重な手段。再開した際に足を運んでもらうきっかけになれば」と話す。

>天王寺動物園のユーチューブの公式チャンネル


「今日はペンギンの赤ちゃんの体重測定をします」

例年なら連日2万人以上の来園者でにぎわう5月の大型連休中、臨時休園のため静かなペンギン舎前でスタッフ数人によるライブ中継が始まった。

ペンギンの巣の中や、フンボルトペンギンの赤ちゃんの体重を計測する様子を撮影。チャット機能を使い、視聴者からの「おなかにある筋のようなものは何?」という質問に、スタッフが「抱卵斑(ほうらんはんあ)といい、卵を温めやすくするため羽が生えないようになっています」などと解説した。

動画の企画や撮影を担当する同園動物専門員の広谷あおいさん(37)は「今しか見られない赤ちゃんの様子を伝えるとともに、環境などを考えるきっかけにしてもらいたい」。動画では、絶滅危惧種のフンボルトペンギンの繁殖に、全国の動物園や水族館が協力して取り組んでいることも紹介した。

4年前に開設

同園は約4年前にユーチューブの公式チャンネルを開設。ライブ中継や記録映像など、数十秒の短編から30分以上の長編まで約550本を配信してきた。

こうした中、コロナ禍が園を直撃。休園や入場制限が続き、年間入園者は平成30年度の約167万人から、2年度は半減以下の約77万人に。来園してもらえない期間でも動物園としてのアピールを続けようと、動画配信を強化。昨春からわずか1年で300本以上を集中的に配信した。

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