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大言小語 宅建受験も自粛要請

 10月の第3日曜日と言えば、不動産業界の人ならすぐにピンとくるはずだ。例年、20万人もの受験者があり、金融関係者の間でも必須とされる宅地建物取引士資格試験が例年実施される日だ。コロナ禍で各種国家資格試験がスケジュールの変更を余儀なくされる中、今年の実施が心配されたが、例年通りに、今年は10月18日に実施され、申込書の配布と受け付けが共に7月1日から始まることが正式に発表された。

 ▼しかし、やはり例年とは様相が異なる。10月とはいうものの当然、新型コロナウイルス感染症への対策を迫られるからだ。指定試験機関からは、早期の宅建資格取得を迫られていない受験希望者には、受験申し込みを自粛してもらうようにとの要請が併せて発表されている。

 ▼ここ数年は右肩上がりで受験者が増加してきた宅建試験。試験機関も会場手配や運営人員の確保などで準備と運営に追われてきた。景気も曲がり角に差し掛かり、コロナ禍で今年は受験者が減少に転じるのは避けられそうにない。20万人規模で行われる資格試験の受験者減少は、資格学校や受験図書を発行する出版社など多方面にも影響が及ぶ。

 ▼試験日も3密回避のためソーシャルディスタンスの確保に配慮しなければならず、準備と試験日の運営は受験者増加のそれとはまた異なる労力が伴う。コロナの早期収束と、今年度の試験が安全に実施されることを願うばかりだ。