幻妖能楽集 (怪と幽COMICS)

  • KADOKAWA
4.11
  • (6)
  • (9)
  • (2)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 137
感想 : 7
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・マンガ (168ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041117330

作品紹介・あらすじ

少女漫画家・波津彬子が日本文化の神髄・能の世界を漫画化!
幽玄の世界がコミックで楽しめる。解説コラムも充実!

「刀剣乱舞」でも人気の刀剣・小狐丸のエピソードである「小鍛冶」、テレビドラマの題材にもなった死後も続く親子愛の物語「隅田川」、そのほか「葵上」「定家」「羽衣」「道成寺」など……
死者の魂や異形のものなど、“この世ならぬもの”と響き合う、著名な能楽作品を美麗な絵でコミカライズ。
金沢能楽美術館の山内麻衣子による解説コラムも作品ごとに書き下ろし。
能楽について興味を持ち始めた人にも、一歩進んだ作品解説を求める人にも。

「幽」「Mei(冥)」「怪と幽」掲載の、美しき能楽怪奇幻想コミックがついに書籍化。

第一番 葵上 
第二番 定家 
第三番 小鍛冶 
第四番 羽衣 
第五番 清経 
第六番 通小町 
第七番 紅葉狩 
第八番 猩々 
第九番 隅田川 
第十番 道成寺 
第十一番 海人 
特別番 夢野久作「あやかしの鼓」によせて
対談 波津彬子×山内麻衣子

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 波津彬子さんの絵柄が能の雰囲気に合ってます。すごく素敵。

    能は一度だけ舞台を観たことがあります。演目はふたつありました。
    ひとつは「大般若」という三蔵法師の取経の物語(孫悟空は出てこなかった)。
    でももうひとつが思い出せない。
    シテが立位から宙返りして側臥位になるところだけ、「凄っ、柔道の受身みたい」と思ったので憶えてるんだけど…
    まあ、要するに素養が全然ないまま観に行ったのでした。
    あの独特の雰囲気を味わえただけでも充分面白かったんだけど、やっぱり前知識を仕入れておけば良かったなー、と思いました。

    この本は雑誌「怪と幽」などに連載されていたシリーズを書籍化したものだそうです。
    「葵上」「定家」「小鍛冶」「羽衣」「清経」「通小町」「紅葉狩」「猩々」「道成寺」「隅田川」「海人」の11作品が取り上げられています。

    物語としていちばん好きなのは「猩々」、悲劇も説教もな〜んにもないカラッと楽しい話なので大好き。(←基本的に文芸に向いてない人間)
    次点は「定家」と「羽衣」かな。
    ちなみに一番イラッときたのは「清経」。解説がおもしろかったからいいけど。

    ただ、あらすじだけでなく実際に生身の人が演じるのを間近で観たら、また違う感想が生まれるのでしょうね。
    もし今後お能を観る機会があれば、この本をガイドブックにしようと思います。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      佐藤史緒さん
      猫は「道成寺」の哀れに心打たれました、、、と書きましたが此の本は未読。いつになるかなぁ。。。
      佐藤史緒さん
      猫は「道成寺」の哀れに心打たれました、、、と書きましたが此の本は未読。いつになるかなぁ。。。
      2022/09/11
    • 佐藤史緒さん
      猫丸さん

      道成寺もいいですよね♪ さくっと読める本なので気が向いたら是非ぜひ♡
      猫丸さん

      道成寺もいいですよね♪ さくっと読める本なので気が向いたら是非ぜひ♡
      2022/09/11
  • 波津彬子が怪奇な能をコミカライズする「幻妖能楽集」怪談専門誌・幽で開始 - コミックナタリー(2015年12月17日)
    https://natalie.mu/comic/news/169656

    「幻妖能楽集」 波津 彬子[コミックス(その他)] - KADOKAWA
    https://www.kadokawa.co.jp/product/322104000677/

  • まんがも解説もとてもわかりやすい。
    もちろん波津彬子先生なので単なる絵解きではなく、雰囲気たっぷり。

  • 漫画は基本ブクログに記録しないけどこれは一応解説書だから記録。能ってどんな感じなのか前々から興味があったけれど敷居が高い感じがあってなかなか触れる機会が無かった。そんな時ブクログで見つけて購入。能のストーリーが少女漫画風に描かれていて分かりやすいし漫画のあとに解説もきちんとされていて入門書として最高の1冊だと思う。百人一首で有名な藤原定家と式子内親王の禁断の恋の話、前々から知っていたけど漫画と解説読んでより好きになった。小野小町の百夜通いとか少し知っている話も能になってることを知ってより興味が深まった。続巻も出て欲しい。

  • 日本の伝統芸能では狂言が好きで何度か鑑賞しています。能楽は一度だけだったかな…国立能楽堂で時々開催される初心者向けの企画で解説頼りにしながら。

    この書籍。漫画でわかりやすく能に親しめるきっかけづくりとして良本だと思います。短い漫画で興味を誘い、1話ごとについているコラムで話の流れや背景、小道具や仕種の意味が解説される。
    能は舞台にわかりやすい大道具や小道具が配されることはなく、舞台上でのお約束ごとと観る側の想像力に、託される部分がとても大きい。そこで事前の知識があるかないかに観劇の楽しさ面白みがどうしても左右される。
    その必要な知識をこういったかたちで広めていくのはいい試みだと思います。

    ここに収められているなかでは清経と猩々が好きです。
    清経の、妻を省みずに己れの命を絶ってしまう独善的な潔さはひとの妻である身から言わせてもらうと身勝手だし非情だし意味わからん、ってなるんですが、清経の立場から見ればきっとやむを得ない選択だったのだろうとわからなくもない。妻のほうだって清経をどれだけ思いやっていられたのだろうか。でもまぁ私自身は女なので清経ひどいなぁという感想が勝ってしまうけど。
    猩々は悲劇要素がなくていい話だし、漫画に描かれていた猩々がとても可愛かったので。解説で猩々の専用面の写真を見せていただきたかったかな。

  • 能楽の中でもドラマチックな演目を選んでコミック化した短編集。割と素直にそのまま漫画になっているので、知っている演目であれば楽しいし、見たことがない作品も観たいと思わせる。金沢能楽美術館学芸員の山内麻衣子氏による解説も観賞の手引きになりそう。「俺の家の話」でも出てきた、隅田川と道成寺もあるので、ドラマを見ていた人にも良さそう。

  • 絶対合う……!と思ってたけどベストマッチですね!
    実際見たことはないのですが、入門書としてこういうのもありですよ~
    ちょっと前に読んだ定家葛の話もあったのでタイムリーでした

全7件中 1 - 7件を表示

著者プロフィール

(はつ・あきこ)1959年、石川県生まれ、在住。81年、「波の挽歌」でデビュー。著書に『雨柳堂夢咄』『幻想綺帖』『女神さまと私』『レディ シノワズリ』『ふるぎぬや紋様帳』『お嬢様のお気に入り』、「うるわしの英国」シリーズ、「波津彬子選集」シリーズ(『鏡花夢幻』『牡丹灯籠』『燕雀庵夜咄』『秋霖の忌』)など多数。画業40周年を越えてなお、少女漫画界の第一線にて作品を発表し続けている。

「2021年 『幻妖能楽集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

波津彬子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×