ピープル
#わたしたちの憧れアイコン

注目の女優・久保田紗友が挑む、三谷幸喜作の伝説のホラー・コメディ「お客さんに見ていただいてからがスタートライン」

話題作に次々と出演し、今最も注目を集める女優の一人として活躍中の久保田紗友さん。現在放送中のドラマ『雪女と蟹を食う』(テレビ東京系)、『トモダチゲームR4』(テレビ朝日系)をはじめ、8月からは、自身初の大きな舞台となるパルコプロデュース2022『VAMP SHOW ヴァンプショウ』がスタート。

この舞台は、21年ぶりの再再演となる三谷幸喜作の伝説のホラー・コメディ。今回はこれらの作品を中心に、久保田さんご自身のお仕事に対するスタンスや心掛けをうかがいました。

「時代や世代を超えて通じる面白さのある作品を、しっかり受け継ぎたい」

pattern_1
――舞台「VAMP SHOW ヴァンプショウ」(作:三谷幸喜、演出:河原雅彦)の稽古場はどんな雰囲気ですか?

久保田 みなさん優しすぎるくらい優しくて(笑)。演出の河原さんは、すごく丁寧に言葉を選んで、はっきりと指示を出してくださる方なので、遠回りをせずにすみ、演じやすいなと思っています。
――演出の河原雅彦さんは、前回(2001年)の公演では出演者でした。「優しすぎるぐらい優しい」とはどういった部分でしょうか?

久保田 何も言わない優しさではなくて、はっきり「こうしたほうがもっと面白い」と仰るんですね。愛情があるからこその言葉だなと思うことが多々あるんです。例えば、演出の河原さんが共演者の方々に対して即興で「面白いことをやってください」と無茶ぶりをしても、ちゃんと面白かったら「面白かったよ」とストレートに感想を言ってくださいます。「楽観的に遊び感覚でいい」とか「責任は僕とパルコが取るから」と言ってくださって(笑)、要所要所で盛り上げてくださっていますね。
pattern_1
――この舞台は初演が1992年、2001年に再演され、今年が21年ぶりの再再演となります。過去の公演の映像などでご覧になりましたか?

久保田 はい。台本にある動きを成立させるためにも、みんなで過去の映像を見て、動きや段取りなどを取り入れています。歴史ある舞台作品なので、時代や世代を超えて通じる面白さがあり、それを新たなキャストでしっかりと受け継ぎたいですね。私は舞台の経験もありますが、大きな舞台は初めてですし、最近は映画やドラマなどの映像作品が多かったので、こうして演劇の世界に身を置けるのはありがたいと思いながら、挑ませていただいています。

コメディでも「笑いには反応しすぎない役どころ」そのバランスを模索中です

pattern_1
――三谷幸喜さんの作品という点では、どのような思いですか?

久保田 三谷さんの作品に出演させていただくのは今回が初めてです。三谷さんが30代前半の頃に書かれた脚本ということで、最初にすでに事件が起きているところから物語が始まるなど、三谷さんらしい作品だなと感じました。吸血鬼が登場する振り切った世界観ではあるのですが、普遍性もあって、「人生思い通りに行かない」というメッセージも込められていると感じます。
――本作は、ゾクっとするような怖さもありながら笑いもある“ホラー・コメディ”ですが、コメディのお芝居はいかがですか?

久保田 実は、私自身の役はコメディパートがたくさんあるわけではなくて……舞台上で出演者のみなさんがコメディをやっているのを客観的に見ている立場なんです。なので、最初の頃は見ていて「もっと自分もはしゃぎたい」と、もどかしさを感じることもありました。それで一度、私が少しコメディよりにやりすぎてしまったんですが、やっぱり全体のバランスとしてはよくなかったみたいで。それ以来、あまりやらないようにしています。普通の女性に見えるけど、どこか不思議な雰囲気を感じていただきたい役なので、そのバランスが難しいですね。後半へと面白さを繋げていくうえで、今もその辺りを模索しながら稽古に励んでます。

――公演されてからも、それらを調整していけるかもしれませんね。

久保田 そうですね。コメディは特に、お客さんに見ていただいてからがスタートラインみたいな部分がありますので。お客さんと一緒に作っていく感覚でしょうか。稽古をしていて自分が面白いと思った部分が意外とそうでなかったり、その逆だったり。お客さんの反応で新しい発見があると思います。
次のページ>>ドラマの役との共通点「正直でありすぎるのは大変なこと」
32 件

キーワード

急上昇キーワード

新着記事

あなたへのおすすめ