歴史的名車が、買える値段で売りに出る!──GQカーキチ探検隊、緊急出動!「1960年型 TRIUMPH HERALD編」

クラシックカーのコレクターとして知られるクルマ業界の著名人が、コレクションの一部を整理しているという情報をキャッチ! GQ編集部はカーキチ探検隊を再結成し、メインテナンスや乗り方、相場や売買のルールなど、クラシックカー趣味のいろはを学んだ。
TRIUMPH HERALD トライアンフ ヘラルド イギリス車 旧車 コレクタブルカー

クラシックカー人気の波は日本車にも押し寄せ、1970年代の日産〝ケンメリ〟スカイラインGT-Rが6000万円以上で取引されるなど、エラいことに。クラシックカーの相場は高値安定で推移すると

個性的なスタイルやダイレクトなドライブフィールなど、クラシックカーの醍醐味を味わうことはもはや夢なのか……。いやいや、そんなことはなく、探せば、適正価格で売買されるモデルもある。

そんな折、ビートル専門店FLAT4の創設者であり、クラシックカーのコレクターでもある小森隆さんがコレクションの一部を良心価格で整理しているという情報をキャッチ。編集部は急遽、GQカーキチ探検隊を再結成し、小森さんの別荘がある神奈川県の佐島に向かった──。クラシックカーで特に重要なのは、プロベナンス(出自)、ヒストリー、マッチングナンバーの3つ。契約時からの書類が揃っていて、シャシーやエンジンのシリアルナンバーが一致していないと、価値は半減する。ガレージでは、この3つをクリアした玄人好みの3台が、探検隊を待ち受けていた。


1960年型 TRIUMPH HERALD(330万円)

有名デザイナーが手がけた隠れた名車

サトー トライアンフ・ヘラルドとは、また 珍しいモデルですね。 

小森 イギリスの実用車なので、逆にありがたみがなくて日本には残っていないのかもしれませんね。 

米永 トライアンフって、二輪のメーカー だとばかり思っていました。 

サトー もともとは二輪のメーカーで1920年代に四輪に進出したんだ。トライアンフの四輪は、1980年代まで生産されたはず。

黒いボディと赤の革内装というのは、小森さんのこだわり。

森口 はじめて見るクルマなんですけど、デザインが格好いいですね。

小森 さすが、お目が高い。ヘラルドは、ジョヴァンニ・ミケロッティのデザインなんですよ。

当時のカタログが良好なコンディションで保管されているあたり、クラシックカーの世界ではホポイント高し。資料によれば、ヘラルドの1リッターエンジンの最高出力は35ps、760kgのボディを最高速度115km/hまで引っ張った。

サトー 付け加えるとミケロッティはイタリア人のデザイナーで、マセラティでもすばらしいデザインを手がけています。

森口 テールの処理が、ちょっとアメ車っぽいのもかわいいです。

ヘラルドには、小森さんの2ドアサルーンのほかに、クーペ、コンバーティブル、エステート(ワゴン)と、豊富なボディのバリエーションが存在した。

日本ではスポーツカーが人気のトライアンフであるけれど、シンプルでモダンな内装など、実用モデルにも味がある。

小森 アメ車全盛の時代だったから、テールフィンの影響を受けているかもしれませんね。

米永 僕はこのクルマ、いまの東京で乗りたいです。

小森 小回りも利くし、コンバージョンキットを取り寄せてフロントをディスクブレーキに換えてあるので、問題ないと思いますよ。これもローギアがノンシンクロなんで、そこだけ注意すね。

森口 330万円という、なんとかなりそうな価格がヤバいです(笑)。

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問い合わせ先

RENDEZ-VOUS(ランデヴー)

今回の小森コレクションは、〝受け継ぐ文化をつなぐ〟希少車マッチングサービスRENDEZ-VOUSで取り扱われる。 info@rendez-vous.tokyo

GQカーキチ探検隊とは

希少モデルや話題のニューモデルなど、クルマ好きの琴線にふれそうな取材対象が現れたときに、不定期に組織されるのがカーキチ探検隊。自動車史やメカニズムの専門家、ファッション寄りのクルマ好きなど、探検隊のメンバーは取材対象に応じて選ばれるが、今回は自動車ジャーナリスト見習いにして新米ライターの米永豪が加わった。

隊長 サトータケシ、隊員 森口德昭、記録係(挿画班) 遠山晃司、記録係(画像班) 菊池貴之、新入り 米永 豪