イタリアのさっぱり赤には塩トリッパがいとおいし

ワインだけで飲むのもいいけどやっぱりツマミがほしい。ツマミさえあれば無限に(誇張しています)飲み続けられる! 飲食担当エディター岩田桂視がワインと料理のマリアージュを探求する。イタリア・ブルネッロのレ・ラニャイエの赤とマッチするアテを考える!
塩トリッパ

トマトなしがうまい!

編集岩田(以下I) 緊急事態宣言が解除後もやっぱり家飲みを心がけています。こんかいの取材もビデオチャットで行っております。

エノテカ商品部 八木優樹(以下Y) こんにちは、岩田さん。今日のお題はレ・ラニャイエの赤です。2002年に創業したワイナリーで、ヴィンヤードはイタリア中部・トスカーナ州のモンタルチーノ地区ですが、畑が標高の高すぎる場所にあり、DOCG(産地呼称規制)の規定でブルネッロ・ディ・モンタルチーノを名乗れません。しかし、キレイな酸に加え、果実味がしっかり感じられるいいワインなんです。

I 赤と言ってもサンジョヴェーゼ・グロッソ100%なので、重さはあまり感じませんね。ここはひとつ、さっぱりした塩トリッパなんてどうですか?

Y なるほど。トリッパといえば、トスカーナの伝統はトマトを使った煮込みですが、トマトなし、ですか。レ・ラニャイエの当主、リッカルド・カンピノーティさんの考え方に似てます。モンタルチーノ地区は生産者が多く、新規参入が難しいんです。リッカルドさんは、この地区では珍しかった”クリュの概念”をとりいれました。さまざまな場所に畑があるほうが、たくさんのテロワールを楽しめるでしょ? という方針のもと、小さな区画でも積極的に購入し、成功したんです。

I つまり、畑の個性をワインボトルに詰めて、いろいろな土地の旨味を味わってもらう、ということですね。このトリッパの煮込みも香味野菜を、いわば母として、母胎の個性を映し出したつもりです。「母なる大地」というように、テロワールこそ万物の生みの親。この母あってこの子あり、です。

Y モンタルチーノの「母」もひとりならず、ですね。

トロンコーネ 2017/レ・ラニャイエ
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【材料(1人前)】

ハチノス 150g
シマチョウ 150g
白いんげんの水煮 100g
セロリ 2本
玉ねぎ 2個
にんにく ひとかけ
にんじん 1本
ディル 1束
タイム 2束
塩、コショウ 適量

【作り方】

ハチノスの下ごしらえをする。鍋に3ℓの水と香味野菜(セロリ
葉の部分、玉ねぎ半分、にんじんの皮)を入れ、30分以上煮る。

シマチョウの下ごしらえをする。鍋に3ℓの水と香味野菜(セロリ葉の部分、玉ねぎ半分、にんじんの皮、ディル、タイム)を入れ、30分以上煮る。

ソフリットを作る。セロリ、玉ねぎ、にんじん、にんにくをみじん切りにする。

鍋にオリーブオイル大さじ1杯(分量外)をいれ、みじん切りにしたにんにくをいれてから弱火で炒める。

にんにくの香りがたったら、みじん切りしたセロリ、玉ねぎ、にんじんをいれ、しんなりするまで炒める。

ソフリットを作った鍋に、カットしたハチノスとシマチョウ、白いんげんの水煮とタイム1束、水300ccと白ワイン200ccを入れ、中火で煮る。沸騰後は弱火にし、30分ふたをして煮る。仕上げに塩、コショウで味を調えて完成。

【レシピを考えたひと】

文・岩田桂視(GQ) イラスト・ジョー・マッケンドリー Joe Mckendry 写真・八木竜馬


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