1969年1月の発表以来、数多くの逸話を生み出してきた自動巻きクロノグラフの名機、エル・プリメロ。現在、ゼニスでエル・プリメロを搭載するコレクションは複数あるが、ファーストモデルのうちのひとつ「A384」のケースデザインをよみがえらせた「クロノマスター リバイバル」は、クラシカルな意匠と小ぶりなサイズが熱心な愛好家から好評だ。
ちなみにエル・プリメロには、2019年に登場したエル・プリメロ2ことCal.エル・プリメロ3600や1/100秒計測が可能なCal.エル・プリメロ9004などもラインナップされているが、「クロノマスター リバイバル」が搭載するのは初代Cal.3019PHCの直系、Cal.エル・プリメロ400だ。
サファリの名にふさわしい“野性味”
ところが、ゼニスはレトロな印象が強い「クロノマスター・リバイバル」のイメージを大きく覆す新作を追加した。それがゼニスブティックとECサイト限定で購入可能な「クロノマスター リバイバル サファリ」だ。
目を引くのはカーキグリーンの文字盤だ。「野生の大地に見られる鮮やかな色」とゼニスが称する色味の文字盤は、ポリッシュをせずにマットな質感を残すことによって、サファリの名にふさわしい“野性味”を与えている。さらにレトロ感の表現にひと役買っているクッションケースにはオリジナルが使用していたステンレススティールではなく、チタンを採用。表面にマイクロブラスト処理を施すなどしてイメージを一新した。
時計業界のトレンド色であるグリーンを文字盤に、さらに現代の素材であるチタンをケースに、それぞれ採用するなどして、レトロな印象の「クロノマスター・リバイバル」に、モダンさを加えたというわけだ。
もともとA384ケースを忠実に再現したクロノマスター リバイバルは、オリジナル同様ケース直径が37mmと小ぶりな上、ラグが短いため、腕なじみに優れていた。しかし、今作では軽量なチタン製となったため、装着感の更なる向上を実現している。
クロノマスター リバイバル サファリ
チタンケース×コーデュラエフェクトラバーストラップ、自動巻き、37mm径、103万4000円。
ゼニス ブティック銀座
TEL.03-3575-5861
https://www.zenith-watches.com
文・細田雄人