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浅野忠信──旬な男たちのジェンダー超えファッション!「ルールを破れ!」

映画・舞台をはじめメディアの最前線でファイトしてきた/している伝説的スタイリストの北村道子が、10代から40代までの旬な男たちに、ジェンダー超えのファッションをスタイリング。 「男」の装いの固定観念を打破することは、 「男らしさ」の固定観念も打破する。──特集:『男らしさって』って何? 
浅野忠信──旬な男たちのジェンダー超えファッション!「ルールを破れ!」

気鋭が生み出すコントラスト

ダニエル・リーがてがけるボッテガ・ヴェネタは、ジェンダーレスファッションのパイオニアのひとり。ハイゲージの上品のタートルネックのニットウェアは、男らしい浅野の顔にコントラストを生む。

セーター ¥125,000(参考色)

浅野忠信

スカートをはいて縁側で

世界を舞台に活躍する役者・浅野忠信が考える、メンズファッションの未来は?

「いやあ、おもしろかったです」

撮影を終えた浅野忠信は、満面の笑みを浮かべていた。

「やっぱり役者なんで、洋服を着るとその衣装に合わせた役柄を演じようとするじゃないですか。たとえば大河ドラマの『いだてん』だったら、カチッとしたスーツを着ると自民党の幹事長の役にすっと入れる。でも今日の衣装はすごく自由な気持ちになったというか、どんな人物像なのか、どんな表情やポーズが似合うのか、というのをすごく考えさせられて、チャレンジングでした」

女性のボーイフレンドシャツのように

新生ボッテガ・ヴェネタのデザイナーのダニエル・リーによるセットアップは、ビッグシルエットでボクシー。あえてごつごつした男性らしい身体のラインは見せない。ハイソックスを上まで上げるのがポイント。

ジャケット ¥250,000、シャツ ¥90,000、ショーツ ¥85,000、ソックス 参考商品

では役者としてではなく、ファッションにこだわりを持つ浅野忠信が、プライベートでこういう洋服を着ることは想像できるのか。

「まだ踏み出せていないんですが、興味はあります。本音を言うと、スカートがうらやましいんです。あれ、絶対に自由な感じがすると思うんです。スカートをはいて縁側で猫を撫でる生活が夢ですね」

撮影日の前日、浅野は映画のロケを終えて豪州から帰国した。

「欧米のほうが服装は画一的な感じがしますね。いま、アジアの役者の需要がすごいんです。ファッションも含めて、これからアジアがおもしろくなりそうだし、可能性もあると思うんです」

今日着たような衣装で国際的な映画に出演する浅野忠信を、想像するだけでワクワクしてくる。

ボクサーパンツの非日常を取り入れる

まるでリングに上がるような光沢のあるボクサーパンツは、スカートのようにワイドシルエット。そこにビジネスライクなローファーとロングソックスを合わせると、スポーティとフォーマルがかけ合わさる絶妙コーデだ。

コート ¥270,000、ショーツ ¥270,000、ソックス 参考商品、靴 ¥103,000〈すべてBottega Veneta/ボッテガ・ヴェネタ ジャパン〉

PROFILE

1973年神奈川県生まれ。90年『バタアシ金魚』でデビュー。2003年『地球で最後のふたり』で第60回ヴェネチア国際映画祭コントロ・コレンテ部門主演男優賞受賞。11年『マイティ・ソー』でハリウッドデビュー。19年NHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」へも出演。

Photos 鶴田直樹 Naoki Tsuruta@countach.tv
Hair&Make-up TAKU@CUTTERS
Words サトータケシ Takeshi Sato