「ダサピンク現象」という言葉がある。「女性向けならピンク色だろう」という安直な決めつけによって作られた女性向け製品が、当の女性の目にはダサく映る現象のことだ。女性は実はピンクを好きではない、というわけではない。「女性ならピンクが好きだろう」というジェンダーバイアスが、疑問視される時代になったのだ。
「ピンクは女性のもの」が単なる決めつけである以上、「男はピンクを好まない」も、もちろん時代遅れ。むしろいまこそ、ピンクを積極的に着るべきだ。
なぜなら、まずピンクはおしゃれだから。ピンクはレトロにもストリートにもモードにも相性が良い、いわば「最強の色」。差し色にとりいれるだけでもキマりやすい。
次に、ピンクを着ることは周りをハッピーな気分にさせるから。周りに与える印象は、「無難」より「楽しげ」の方がいい。ピンクを着た男性は、自分の個性を否定しない余裕や、洒脱さを感じる。
新時代的で、着ればクセになる、令和のニュースタンダードなピンクは、各ブランドからも豊作! 思い込みを捨てて、まずは袖を。
beautiful people
ワイドなデザインのシングルジャケット。ピンクの鮮やかさはもちろん、ベルギーリネンの生地の密さ、軽さと清涼感を併せ持つ素材もポイントだ。
California
ゼブラ柄とピンク、そして襟をボタンで留めるスタイルがレアな逸品。絶妙なシルエットが「ピーターパンシャツ」のその名のごとく、思わずティーンエイジャーな気分にさせてくれる。
JW ANDERSON
カタルーニャ出身の新進気鋭のアーティスト、ポル・アングラダのアートワークとブランドの錨のロゴとが融合したシャツ。優しい色使いのイラストと、ピンク色のシャツのトーンがマッチ。
KIDILL
ストリート×ヴィヴィッドピンクなパンツ! 穿いてみると意外と馴染むのは、ファスナーで調節できる細身シルエットの効果。センターで色分かれしているのにも、意外なスタイルアップ効果が。
LEVI’S ® × HERON PRESTON
“Mistakes are OK”(ミスはOK)という名のヘロン・プレストンとリーバイスのコラボコレクション。裏返しのベルトループや不揃いなボタンがポイントだ。ド派手なピンクはインパクト大!
Manolo Blahnik
定番のオックスフォードならピンクでも挑戦しやすい。スペインのカナリア諸島出身であるマノロ・ブラニクならではの、明るい感性が反映されたかのような鮮やかなシェードだ。
ZIIIRO
ジーロは「時間を楽しむこと」を重視するドイツのデザインウォッチブランド。短針と長針がピンク色の渦で表されるユニークな時計は、シンプルかつユニークで、目を惹く。
NEXUSVII.
ネクサスセブンとポーターがコラボした人気シリーズ。特許取得の方法で染められた色合いがなんともみずみずしい。売り上げは一部千葉の被災地へ義援金として寄付される。
BURBERRY / Ray-Ban / Oliver Peoples
クリアなピンクのサングラスはどこかレトロ。クラシックスタイルに髪を撫で付けてシャイニーにした日のハズしに最適。
Paul Smith
パンツのウエストはゴム、ジャケットはソフトメイキング、かつどんな場所で写真を撮っても目立つ! ハッピーなムードの1着。
Photos 小嶋晋介 Shinsuke Kojima、長尾大悟 Daigo Nagao
Styling 諸見里 司 Tsukasa Moromizato / Words 小津はるか Haruka Ozu