仏紙シャルリー脅迫問題 AFPはなぜメディア共同声明に署名しなかったのか
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【9月29日 AFP】<フランスの風刺週刊紙シャルリー・エブド(Charlie Hebdo)社員に殺害予告が出されたことを受け、仏メディアが出した共同声明に関するフランス通信(AFP)の声明>
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AFPは、風刺週刊紙シャルリー・エブドに向けられた新たな脅威に警戒すると同時に、同紙スタッフに連帯の意を表します。
しかしこれに関連する仏メディア共同声明に、AFPは署名しませんでした。AFPには、第一線で取材に当たり、最大の危険にさらされるジャーナリストたちを守る義務があると考えるからです。
フランスメディアの中でも、涜神(とくしん)行為が罪とみなされる国でこれほど多くのスタッフが勤務しているのは、AFPだけです。何らかの報復が発生した場合に矢面に立たされるのは、これら現地スタッフなのです。
そのリスクに改めて言及するなら、ここ数年間に、AFPの複数のスタッフが命を失っています。また日常的に脅迫や威嚇を受けながら生活し、職務に当たっているスタッフも大勢います。
フランスメディアによる共同声明に署名しないという判断をした際、われわれがまず思いを寄せたのは、これらのスタッフに対してです。
署名しないことにより、臆病との非難や、無理解との批判を受ける恐れもあることは認識していました。それでもなお、厳存する危険に直面するスタッフの安全と無事を何より優先するという考えから、AFPは今回の判断に至った次第です。
この勇敢なジャーナリストたちこそが、困難を極める状況下で表現の自由のために闘っている人々であり、この重要な役割を担うジャーナリストたちを守らなければならない。AFPはこのように考えています。
会長 ファブリス・フリース(Fabrice Fries)
グローバルニュースディレクター フィル・シェトウィンド(Phil Chetwynd)(c)AFP