注目は和紙文字盤!超極薄時計に待望のスモールセコンド!──シチズン「エコ・ドライブ ワン」

シチズンは世界最薄のアナログ式光発電時計「エコ・ドライブ ワン」に初となるスモールセコンド搭載モデルを追加した。ブラック、ブルー、和紙と3種類の文字盤をラインナップし、価格は33万円〜。
注目は和紙文字盤!超極薄時計に待望のスモールセコンド!──シチズン「エコ・ドライブ ワン」

ケース厚4.5mmは何を意味するのか?

シチズンは世界最薄のアナログ式光発電時計である「エコ・ドライブ ワン」の最新モデルを発売した。これまではドレッシーな2針モデルだったが、新作はシリーズ初のスモールセコンドを採用している。

2016年にシチズンの光発電時計開発40周年を記念し、フラッグシップモデルとして登場したエコ・ドライブ ワン。今でこそアナログ式光発電時計という冠が必要となってしまったものの、2.98mmというケース厚は当時世界でもっとも薄い腕時計であった。

既存モデルが圧倒的な薄さを活かすため、2針によってドレスウォッチらしさを強調するデザインを採用したのに対して、新作では6時位置にスモールセコンドを配するクラシカルなスタンダードウォッチの意匠をもつ。

ケース厚もこれまでの2mm〜3mm台を超えてシリーズ最厚となる設計値4.5mmに設定された。シチズンの光発電時計であれば衝撃などによる故障も考えづらいとは思うが、やはり薄型時計はなにかと気を遣うものだ。腕時計としてはそれでも圧倒的に薄い部類になるが、新作は手に取ったときの安心感もより高く、問題なくデイリーユースで活躍するはずである。

文字盤はブラック、ブルー、そして和紙という3種類を用意。長年、光発電時計の第一人者として業界を引っ張ってきたシチズンらしく、文字盤のクオリティーは折り紙付きである。

通常、光発電時計の文字盤はムーブメントへ光を透過させる必要があるため、真鍮や金、銀といった金属を使用できず、ポリカーボネートなどを用いる。加えて透過率の制約もあり、塗装を厚く施せないため、質感がチープになりやすいのが一般的だ。

対してエコ・ドライブ ワンのブルーおよびブラック文字盤は美しいサンレイ仕上げが施されており、ひと目見ただけでは光発電時計だと気付かないだろう。もちろん発電用のセルも目立たないようにうまく処理されている。

しかし、シチズンがエコ・ドライブ搭載モデルで培ってきたノウハウがもっとも現れているのが和紙モデルであり、世界でもっとも薄い和紙とされる土佐典具帖紙を文字盤とソーラーセルの間に挟んだ。つまり、文字盤を透けさせないといけないという制約を逆手にとって、和紙の質感を与えたのだ。

もちろん、いくら薄いとはいえ、セルの前に遮蔽物を一枚噛ませていることには代わりない。この手法を導入するための大前提として、省電力駆動のムーブメントという非常に高いハードルを越えなければならない。まさにこの分野のパイオニアであるシチズンのみが許された、“高級感”の表現技法である。

CITIZEN

エコ・ドライブ ワン AQ5010-01E

SSケース+デュラテクトプラチナ×ワニストラップ、光発電エコ・ドライブ、36.6mm径、33万円。

エコ・ドライブ ワン AQ5012-14A

SSケース+デュラテクトピンク×ワニストラップ、光発電エコ・ドライブ、36.6mm径、35万2000円。

エコ・ドライブ ワン AQ5010-01L

SSケース+デュラテクトプラチナ×ワニストラップ、光発電エコ・ドライブ、36.6mm径、特定店舗限定80本、35万2000円。

シチズンお客様時計相談室
TEL.0120-78-4807
https://citizen.jp

文・細田雄人