世界の本屋さんめぐり (私のとっておき)

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  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784863112438

作品紹介・あらすじ

2019年著者Twitterが話題!

本屋を見れば、その国がわかる!
旅に行ったら、本屋を楽しむ。「旅×本屋」という新しい旅のカタチ。
荻窪のブックカフェ「6次元」店主による世界の本屋案内。

アジア、ヨーロッパ、アメリカ……世界35ヵ国の本屋を紹介!
本屋のトートバッグ、世界の図書館、世界の作家などコラムも充実。
本が好きな人、旅が好きな人必見の1冊!

感想・レビュー・書評

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  • 東京・荻窪のブックカフェ「6次元」店主の著者が、世界35カ国・地域を旅して、その本屋さんを記録したもの。
    テレビ番組のディレクター時代に海外で取材したものをまとめたらしいが、これが大変な情報量で、読み応えたっぷり。
    タイトルからして図鑑のような仕上がりを期待して読むと、とんだだまし討ちに遭う・笑。
    それがたまらなく楽しい。
    その楽しさはamusingとinterestingの双方を兼ね備えている。

    イラスト(こちらも著者のもの)たくさん。テキストたくさん。
    イラストはクレパスによるややラフタッチのもので、四隅までびっちり色を置いた絵だ。
    気になる書店は結局NETで検索してしまうから二度手間になるが、見ていて飽きない。

    第一章 アジアの本屋さん(11カ国)
    第二章 ヨーロッパの本屋さん(19カ国)
    第三章 アメリカの本屋さん(南米も含み、5カ国)

    という章立てで、それぞれの国の紹介の後に「○○(国名)の気になる一冊」という小さなコラムがある。著者本人が現地で購入して読んだものもあるらしい。
    そして胸が弾む企画が、それぞれの章に「ブックトートバッグ図鑑」があること。
    老舗の書店・有名店は、専用のトートバッグを販売しているが、これは欲しくなるなぁ。
    両手できっちり開いて、まじまじと見つめてしまう。
    もしや読者プレゼントがあるかと、ページの端まで探してしまったり・笑

    それぞれの「作家図鑑」もあり、こちらはバストアップの似顔絵。
    ご贔屓の作家さんを見つけると妙に嬉しくなるのが定石で、魯迅、ウンベルト・エーコ、フィッツジェラルドがたまらなく胸がときめく。

    眼をひくのは、フランスで10ページも割いて説明しているところ。
    本の楽園であるパリでは、個人経営の小さな書店が何十年も潰れずに存在するという。
    文化を守ろうとする取り組みは、ぜひ日本でも真似たいものだ。
    そのひとつが有名な「反Amazon法」。これが支持を得ていることがすごいところだ。
    16世紀から続くという、セーヌ川沿いの「本の青空市」。
    私は知らなかったのだが、世界遺産にも指定されているらしい。
    バスティーユ広場にある、1992年から続いているという参加無料の「哲学カフェ」。

    そして最も興味深いのがリヨン駅の「短編小説の自動販売機」。
    1分・3分・5分の中から選んでボタンを押すと、レシート状の紙にプリントアウトされる。
    その作品数はなんと1200万点で、現在も増え続けているらしい。
    これはぜひとも見習いたい。
    日本でも芥川作家や直木賞作家さんがショート・ショートを出してそれを自動販売機で買って読めるなら、読書人口はぐっと拡がるかもしれない。
    ちなみに、一週間の読書時間が一番長いのはインドの人たち。
    日本は(信じられないことに)29位。まだまだなのだ。

    忘れていけないのは、パリには「シェイクスピア&カンパニー」があること。
    世界中の本好きさんの聖地とも言える場所で、小説家を志すひとはここで働きながら滞在も出来る。そんな素晴らしいシステムがある。
    文化を守ろうとする強い意志と行動力。羨ましい限りだ。
    たぶんパリの人たちにとっては当然なことなのだろうが。

    ボリビアの、標高4000m地点にある文学カフェ。
    ポルトガル・リスボンにある世界最古の書店「ベルトラン書店」。
    ノーベル賞のスイーツが食べられるという、スウェーデン「アカデミー書店」のカフェ。
    更に、信じられないほどの文化レベルの高さを誇るフィンランドの書店と図書館。
    まだまだ載せたいところが山積みだが、長くなるのでここまで。
    本好きの皆さんに、この本はぜひともお薦め。
    旅のご予定のある方は、国内外ともに書店めぐりもお楽しみあれ。

    • goya626さん
      短編小説の自動販売機には吃驚仰天しました。
      短編小説の自動販売機には吃驚仰天しました。
      2020/01/11
    • nejidonさん
      goya626さん、こんにちは(^^♪
      コメントありがとうございます!
      そうそう、そうなのですよー。
      本当にこの部分はビックリしますよ...
      goya626さん、こんにちは(^^♪
      コメントありがとうございます!
      そうそう、そうなのですよー。
      本当にこの部分はビックリしますよね。
      駅に設置されているというのが、また良いと思いませんか?
      私も行ってボタンを押してみたいのですが、フランス語が分かりません・笑
      この本は驚きの宝庫(大げさじゃありませんよ)なので、ぜひともお薦めです。
      2020/01/11
  • 外国に行ったら(とは言っても、ここ20年間で行ったのは、韓国、台湾、ベトナムだけだけど)、本屋さんを覗くことにしている。その国や地域の文化が、何を目指しているのか、少し推察できるからである。面白いことが聞けるかな、と思って紐解いた。

    著者の紹介した韓国、台湾の記事は私の知らなかった部分があった。例えば、ソウル光化門広場では、一箱古本市をやっているそうだ。覗いてみたい。現存する最も古い古本屋「大悟(テオ)書店」は喫茶店みたいな仕組みで残っているそうだ。台湾には独立系の個性派書店が多いらしい。台南には、図書館スタイルのブックカフェ「Room A」があるという。どっちにせよ、行ってみないとその雰囲気はわからない。

    一方、ソウルの本屋で感じた品揃えの特異さ(詩集が多く、英語・日本語等の留学関連が多い)や、地方都市でのあまりにも本屋の少なさ等のことは、何処にも無かった。

    丸善の宣伝誌「書標(ほんのしるべ)」では、毎回世界の本屋さんを紹介している。そういうのを予想していたら、ちょっと違っていた。写真が一切無いのである。写真撮影を断られるところもあるだろうからかもしれない。全て著者本人の「絵」で統一されている。そうなるとどうなるか。美しい絵だけが並ぶ。著者の見せたい部分しか、見ることはできない。文化を「推察」することは出来なくて、その国の突出した「特徴」だけが知らされる。

    おそらく、もうヨーロッパに行くことはないだろう。でも、その時にこの本は参考にならないと思う。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      kuma0504さん
      「書標」は、ジュンク堂と言うかフルネームで丸善ジュンク堂として欲しい。。。ジュンク堂が丸善と業務提携をして何年かなぁ...
      kuma0504さん
      「書標」は、ジュンク堂と言うかフルネームで丸善ジュンク堂として欲しい。。。ジュンク堂が丸善と業務提携をして何年かなぁ、、、
      丸善のは「學鐙」「EYES」(高山宏が関わっていた洋書カタログ)どちらも処分されてしまい手元に一冊も無いのが悲しい。

      それは、どうでも良いのですが、岡山の話を見掛けるとお伝えしたくなってしまうので、ご存知かとは思いますが

      軽バンに本どっさり 街の本屋が届ける「偶然の出会い」:朝日新聞デジタル
      https://www.asahi.com/articles/ASP436KX3P43PPZB005.html

      自分の一冊、見つけて 岡山「スロウな本屋」 こだわりの選書、絵本便も /岡山 | 毎日新聞
      https://mainichi.jp/articles/20210404/ddl/k33/040/304000c
      2021/04/05
    • kuma0504さん
      書標の書評は、時々マイブログに載せています。

      おすすめのweb最初のは見ました。「スロウな本屋」は、絵本中心なのでどうかなとは思いますが、...
      書標の書評は、時々マイブログに載せています。

      おすすめのweb最初のは見ました。「スロウな本屋」は、絵本中心なのでどうかなとは思いますが、いつも歩いているところから十数分歩けば行けるところなので、一回行ってみようかな?

      映画「騙し絵の牙」を観ると、最後小さな本屋の生きる道の一つのアイデアが出ていて、面白かったです。でも、私は三万二千円の本は買いません(^^)。
      2021/04/05
  • 「世界の本屋さんめぐり」 「本屋人類学」の参考書|好書好日
    https://book.asahi.com/article/12853203

    世界の本屋さんめぐり <私のとっておき>シリーズ47 / ナカムラクニオ Kunio Nakamura | 産業編集センター 出版部
    https://www.shc.co.jp/book/11510

  • 世界の本屋さんや図書館が国ごとに紹介されていて、凄く楽しかったです!アジア・ヨーロッパ(中東含む)・北米(中南米含む)に大きく分かれていて、探しやすかったです。
    印象に残った国がフランスとフィンランドで、実際に行ってみたいと思いました。図書館って日本だと無料だけど、海外だと貸出で料金がかかるのを知ってびっくりしました!

  • とにかく、これだけの世界にある本屋さんを
    お一人で見て回られたということに感動。
    凄すぎる。。

    言葉も優しくてほっこりする。
    出来れば挿絵はイラストではなく写真の方が
    わかりやすいかなぁと思ったけど、
    最後のあとがきを見て納得。

    本屋さんのトートバッグ欲しくて、
    現地で買うより何倍も高かったけど
    ついネットでポチり…
    本当は自分の脚で行けたらいいんだけどね。
    このご時世だし、なかなか難しいということで。

  • いろんな国の本屋さん。みんな個性があって魅力的。旅行のときは、積極的に本屋さんにも行ってみなくてはと思った。

  • 「本屋さん」だけじゃなく、その国々の読書や図書館事情も紹介されていて、とても面白い。駅に設置されている「短編自販機」や「駅構内図書館」は、ぜひ日本でも取りいてほしいもんだ。
    先進国ほど、書店の衰退が報じられているのも興味深い。京都の某大型書店が閉店になるようだし、他人事じゃ全くないやね。
    この本の特徴(著者の、かも)として、写真じゃなくてイラストで諸々を紹介しているんだけど、いかに考えがあってのものだったとしても、個人的には写真で見たかったなぁ。

  • 著者が旅先で出会った個性豊かな素敵な本屋さん、図書館を紹介した本。アジアにヨーロッパにアメリカ…どこもすごく素敵だった。整然としているところも混沌としているところもどっちも良い。居心地良さそうなところが多かった。

  • 世の中の便利な本屋さんを知って、日本の本屋さんは後進国だと感じた。24時間営業の本屋さん希望。味のあるイラストがいい。

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著者プロフィール

1971年東京都生まれ。東京・荻窪にあるブックカフェ「6次元」店主。フリーランスで美術や旅番組などのディレクターとして番組制作に携わり、これまでに訪れた国は40ヵ国以上。金継ぎ作家としてROKUJIGEN KINTSUGI STUDIOを立ち上げ、全国でワークショップを開催。著書に『古美術手帖 はじめての骨董』(玄光社)、『はじめての金継ぎBOOK』(光文社)、『村上春樹語辞典』(誠文堂新光社)などがある。

「2019年 『世界の本屋さんめぐり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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