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2017年に入り、何かと暗いニュースの多いアパレル・ファッション業界、、、ですが、実は「オーダーメイド」「カスタマイズ」の市場が伸びていることをご存知でしょうか?

その背景の一つには、若者を中心に大量生産で作られた、いわゆる既成品から、自分仕様を求める「オリジナル志向」への強まりが関係しています。

そして、顧客の変化に合わせて、老舗ブランドから、新興ブランドまで「オーダーメイド」「カスタマイズ」を当たり前のサービスとして取り入れ始めています。

しかし、企業の担当者が日々の仕事をしながら、その最新情報、動向をキャッチするのは非常に大変なんじゃないか・・・という仮説の元、そのような人の役になればと思い、この1ヶ月の中で話題のニュースをまとめてみました。

紹介する記事は「カスタマイズ」「パーソナライズ」「オーダーメイド」に関連するもので、選ぶ基準としては、完全に主観的なものですが(笑)、

・アパレル、ファッション、通販業界で注目の情報をチェックしたい

・今、注目を集める新サービスや商品の最新情報を知りたい

・他社や新興ブランドについてアンテナを張りたい

という方は、こちらを見れば、1ヶ月に押さえておくべき情報を効率的にインプットすることができると思いますので、興味のある方はぜひお付き合いください〜!

もくじ

1. 完全オーダーメイドのファッションEC「LaFabric」が7.4億円調達

2. D2Cビジネスモデルに関する調査レポートを公開 by LaFabric

3. 国産腕時計ノットが最初の店舗を「住宅街」にした理由

4. IQOSをファッションアイテムに、ケースのカスタマイズサービスが拡大

5. 自宅採寸で1週間納品を実現、オンワードからオーダースーツの新ブランド

6. シリコンバレー発オンラインカスタムシャツブランド Original Stitch ブランドメッセージやウェブデザインを一新し、新たなブランディングスタートを発表!

7. オンライン発のビジネスウェアオーダーブランドLaFabric“体験”をテーマにしたリアル店舗 コレド日本橋店オープン!プロのコーディネーターのカウンセリングが受けられるスーツバーを常設

8. タカキュー、オーダースーツ専門店「スーティスト」を新宿サブナードにオープン

9. ヴァシリー、AIが着こなしを解析、似たアイテムを提携サイトから探して表示

10. パーソナルスタイリストサービス『Stitch Fix』がいよいよNASDAQ上場へ

11. 1枚からアナログレコードが作れるオンラインサービス「CUT&REC」がローンチ

12. サイズレコメンドエンジン「unisize」を提供するメイキップ、 韓国ロッテグループ Lotte Homeshopping とパートナーシップ契約を締結

13. フルカスタマイズできる時計ブランド「アンダーン」が初上陸、スニーカーイベントに出店

14. スタートトゥデイPBの詳細発表、究極のフィット感を追求した”超ベーシックアイテム”展開

15. 第二回プロダクトハンター活動報告会 – パーソナライズとサブスクリプション –

まとめ


1. 完全オーダーメイドのファッションEC「LaFabric」が7.4億円調達


ここがポイント!

・オンラインでオーダースーツ、シャツを1着から注文できるのスタートアップブランド「LaFabric(ラファブリック)」の資金調達発表

こちら自社のニュースになりますが、Techcrunchをはじめ、各SNSでもたくさんシェアいただいたので、身が引き締まる思いでした。

国内では衰退産業という位置づけのアパレル業界ですが、会社として”だれもが自分らしいライフスタイルを自由にデザインできるオープンな社会をつくる”というビジョンを掲げ、ビジネスウェアを通じ、”はたらく楽しさ”を届けたいという気持ちで日々、LaFabricを運営しています。

一人一人のお客さまにより良い商品を手の届きやすい価格帯で届けるため、自社で企画・製造した商品を自社チャネルで販売する「D2Cモデル(Direct to Consumer)」を採用し、今回のニュースでも新しい流通の形としても注目され始めています。

僕はそんな中でも”カスタマイズ”専門なので(笑)、将来、一人一人のお客さんのニーズに応えるサービスを作っていきたいと思います。


2. D2Cビジネスモデルに関する調査レポートを公開 by LaFabric


ここがポイント!

・米国小売業界を中心に、日本でも自社で企画&製造した商品を自社ECサイトで販売する「D2Cモデル(Direct to Consumer)」というモデルが広まり、存在感を増してきている

・D2Cモデルの特長は「無駄な流通を省くことによる、高品質・適正価格のものづくり」、「販売チャネルを自社ECサイトに絞ることで、パーソナルデータを蓄積」、そして「店舗はただの販売型ではなく、体験を目的としたEC連動型」という3点

上に続き、自社ニュースが続きますが(笑)、近年小売業界のキーワードの一つである「D2C」についてのレポートです。特に、小売業界の方におすすめです。


3. 国産腕時計ノットが最初の店舗を「住宅街」にした理由


ここがポイント!

・創業たったの3年で、年間約15億の売上高(2016年11月実績)を叩き出す国産腕時計ブランド「Knot」の遠藤社長は、創業前に米国のメガネブランド「Warby Parker」のビジネスモデルを参考にしていた

・一号店目を吉祥寺にオープンした理由は、「口コミ」によるPRを見越したものだった(口コミによるSNSでの拡散も見越していた)

・【Knot独自の出店ルール】仮にお店にきて、欲しかった商品が欠品していた、ちょっとイメージと違ったなどの理由で時計を買わなかったとしても、例えば「吉祥寺って久しぶり」「ノットは買えなかったかもしれないが、結果的に良い時間だった」と言ってもらえるような、思い出が残る場所にだけ出店している

こちら「Knotの戦略」をテーマにした、ドミノピザジャパンCMOの富永朋信氏とKnot代表の遠藤社長の対談記事をピックアップしました。

短期間で圧倒的な成長を続けるKnotのマーケティングの秘訣、視点が知れる良い記事です。


4. IQOSをファッションアイテムに、ケースのカスタマイズサービスが拡


ここがポイント!

・アイコスの期間限定店「IQOSphere渋谷」のリニューアルに伴い、10月中旬から文字をレーザーで刻印するサービスを開始

記事を読んで驚きましたが、こちらのお店、2017年8月のオープンから約2万人が来店しているようですね!アイコスの人気に驚きました・・・。

アイコスユーザーで、「周りと同じデザインのものを持ちたくない」という人に朗報ですね。


5. 自宅採寸で1週間納品を実現、オンワードからオーダースーツの新ブランド


ここがポイント!

・オンワードグループが”オーダーメイドスーツ”に特化した新ブランド「カシヤマ・ザ・スマートテーラー」のリリースを発表

・価格は3万円台〜で、納期は最短で約1週間納品

・新ブランドは現在、運営する「セビロアンドコー(SEBIRO & CO.,)」の全店舗を「カシヤマ・ザ・スマートテーラー」としてリニューアルオープン

いよいよ、オンワードも「オーダースーツ」市場へ準備してきたものを投じた印象です。

この記事ですでに何度か出てきましたが、こちらの新ブランドも「D2Cモデル」を採用しているようで、国内のオーダースーツ業界がどんどん「D2Cモデル」となってきているのを肌で感じました。


6. シリコンバレー発オンラインカスタムシャツブランド Original Stitch ブランドメッセージやウェブデザインを一新し、新たなブランディングスタートを発表!


ここがポイント!

・2014年4月に日本に上陸した、オンラインカスタムシャツブランド「Original Stitch」がブランドのリニューアルを発表

10月に書いた「【2017年9月】カスタマイズEC業界の動向が一目でわかる記事15選」でも紹介したオリジナルスティッチですが、今回のリニューアルでサイトやメッセージが洗練され、無駄なものが削ぎ落とされた印象を受けました。

カスタムシャツ = 「自己実現ツール」「自分らしさの追求」という考えや思想には非常に共感します。


7. オンライン発のビジネスウェアオーダーブランドLaFabric“体験”をテーマにしたリアル店舗 コレド日本橋店オープン!プロのコーディネーターのカウンセリングが受けられるスーツバーを常設


ここがポイント!

・オンラインストアでオーダースーツ、シャツを注文できるスタートアップブランド「LaFabric」がコレド日本橋に新店舗をOPEN

こちらも自社のニュースですが、東京駅からアクセスの良い「コレド日本橋」へ新店舗をオープンしました。

過去、日本橋エリアでは「コレド室町」に出店し、好評をいただいていたのでまた日本橋に戻ってくることができ、嬉しい限りです。


8. タカキュー、オーダースーツ専門店「スーティスト」を新宿サブナードにオープン


ここがポイント!

・紳士服、婦人服を扱うタカキューが”オーダースーツ”に特化した新ブランド「SUITIST(スーティスト)」のリリースを発表(オープンは10月27日)

・パターンオーダーで仕立てるスーツは3万円台、シャツは約7,000円台から用意し、納期は最短1週間

オンワードに続き、タカキューも「オーダースーツ」市場へ新業態を投入してきましたね。

この記事をしっかり読んでいただいた方はもうすでにお分かりかと思いますが、10月だけでオンワード、タカキューの2社が「オーダースーツ」へ舵を切っていることがわかります。


9. ヴァシリー、AIが着こなしを解析、似たアイテムを提携サイトから探して表示


ここがポイント!

・ファッションコーディネートアプリ「IQON(アイコン)」を運営するVASILYは、インスタグラマーが投稿した着こなし画像を人工知能が分析し、ユーザーへ近い商品をリコメンドする「SNAP by IQON」というサービスを提供している

・VASILYは「SNAP by IQON」経由で商品が購入された場合、通販サイトから手数料を受け取る

このサービス、素晴らしいですね。。

Instagramの普及により「画像が消費を喚起する事例の増加」の一方で、「インスタで気になる着こなし画像を見つけても、それに近い商品を探し出すのはとても大変」という時代背景と女性のニーズを的確に捉えています。

ほか、これは実際に話を聞いて驚きましたが、女性を中心にInstagramのハッシュタグをGoogleの検索と同じように利用しているケースが徐々に増えてきているそうです。

VASILYのサービスは、そんな”新しい使い方”から生まれるニーズも満たそうとしているのかもしれませんね。(※スタートゥデイは2017年10月にVASILYの株式をすべて取得し、完全子会社化)


10. パーソナルスタイリストサービス『Stitch Fix』がいよいよNASDAQ上場へ


ここがポイント!

・米国で話題の”スタイリストコマース型”ファッションスタートアップ「Stitch Fix」の上場目論見書を参考に事業内容、ビジネスモデル、財務諸表、資金調達の内容についてまとめられた記事

・スティッチフィックスは、事前にスタイリング料として、ユーザーから$20を支払ってもらうことで返却率を下げる工夫をしている(またこの事前徴収が業績にも好影響を与えている)

・BSを見ると、キャッシュで約128億円を計上している

以前からチェックしていましたが、2011年からの創業6年で上場、かつこの結果は凄いですね。

従来、 Eコマース(通販)といえば、「欲しいものをオンラインストアを通じて購入し、手に入れる」という形態がメインでした。

しかし、Stitch Fixが面白いのは、「顧客一人一人にパーソナライズされた商品をオンラインとリアルを介し、提案してもらい、気に入れば購入する」というサービスを提供している点です。

僕も最近チェックしていますが、Stitch Fixの成功例をみて感じたのは、今後「◯◯のプロ(Stitch Fixでいうと、スタイリスト)が、あなたのために◯◯を選びます」というサービスの潮流を感じました。

ほか、別で「27歳で起業、創業6年で売上1,000億円を突破!AIがスタイリストの服のチョイスを支援する「Stitch Fix(SFIX)」の上場申請書(S-1)を読んでみた」という記事も見つけましたので、気になる方は合わせてご覧ください(こちらの方はより詳しく書かれています)。


11. 1枚からアナログレコードが作れるオンラインサービス「CUT&REC」がローンチ


ここがポイント!

「CUT&REC(カット・アンド・レック)」を利用すれば、音源と画像のみでジャケット付きのアナログレコードを1枚からオーダーできる(7インチで3,800円〜から)

むっちゃいいですね、痺れました。こういうサービス、好きだ。。(笑)

Itunesのリリースから早10年?ぐらいですかね。デジタル化と相性の良い音楽はどんどんオンデマンド化していますが、デジタル化が進む一方で、手触り感のある「アナログ」へのニーズがあることも確かです。

アマチュア、セミプロでバンドやってる人は物販販売で利用してみてもいいんじゃないでしょうか。


12. サイズレコメンドエンジン「unisize」を提供するメイキップ、 韓国ロッテグループ Lotte Homeshopping とパートナーシップ契約を締結


ここがポイント!

・アパレルECサイト向けサイズレコメンドサービス「unisize(ユニサイズ)」と韓国最大規模の通販サイト「Lotte imall」の提携により、韓国の通販業界で「サイズのミスマッチ」問題解消に向けた動きが加速化(導入は2017年12月予定)

アパレル、ファッション業界にITを掛け合わせた「ファッションテック」というキーワードの文脈で、ユニサイズさんのことは知っていましたが、いきなり韓国、、しかもLotte imallへの提携に驚きました。

ユニサイズがもつ「最短1分のアンケートに答えるだけでサイズを確認できる機能」の効果がここで発揮されれば、提携先の規模感から、アジアへのサービス拡大も視野に入れることができますね。

通販サイトが持つ「サイズへの課題」解決に向けて取り組む企業事例として、引き続き、アンテナを立てていきたいと思います。


13. フルカスタマイズできる時計ブランド「アンダーン」が初上陸、スニーカーイベントに出店


ここがポイント!

・「UNDONE(アンダーン)」はROREXの修理やカスタマイズを請け負っていたMichael Young氏が2014年に設立したブランドで、日本へ初上陸となる

・価格帯は約6万円〜からで、ムーブメント、ダイアルなど、すべてフルカスタムが可能

日本初上陸ということで、腕時計業界にも「カスタムオーダー」の流れがきていますね。

公式サイトも見ましたが、「個性」への訴求や選べるデザインの豊富さに、海外っぽさを感じました。これからどうなるのか引き続き、注目です。


14. スタートトゥデイPBの詳細発表、究極のフィット感を追求した”超ベーシックアイテム”展開


ここがポイント!

・ZOZOTOWNが準備を進めているプライベートブランドについて大枠を発表、キーワードは「今までファッションブランドが使ったことのない機械を使う」こと、「科学とテクノロジーを駆使し、究極のフィット感の実現を目指している」こと

ついに、ベールを脱いできました。

10月最大のニュースではないでしょうか。さまざまな憶測が飛び交いますが、国内では年内にリリース目標と報道されているので、楽しみで仕方がありません。

ほか、発表に対するコメントや意見はNewspicks上で「スタートトゥデイPBの詳細発表、究極のフィット感を追求した”超ベーシックアイテム”展開」を見ると、面白いですよ(笑)


15. 【SlideShare】第二回プロダクトハンター活動報告会 – パーソナライズとサブスクリプション –


ここがポイント!

・サンフランシスコ在住の三浦茜さん主催「プロダクトハンター活動報告会」で利用されたスライドです(SlideShareというサービスを使われてます)

・Stitch Fixなどのスタイリスト型コマースをはじめ、ボット接客、ホームコンサルティングサービス、サブスクリプションサービス、カスタムサービスなどの事例が盛り沢山!

この報告会のイベント、実際に参加してきました。結論からいうと、米国小売を中心に、パーソナライズ化された商品・サービスの台頭と活躍を肌で感じました

「あなたの好みに合う◯◯」「注文1つからでもカスタム可」など、商品やサービスでも確実に一人一人の顧客のニーズ、要望に合うブランドがどんどん出てきており、超カスタム時代がきている、しかもそれが近い未来の当たり前になる、、、いや、もう米国ではすでにそうなってきていると思いました。

また話すと長くなってしまいそうなので、割愛しますが「サブスクリプション」型サービスへの可能性も感じました。参加してよかった〜〜〜〜。

イベントに興味を持たれた方のために、SNSの情報元を記載していますので、参考にしてみてください。

Twitter「#プロダクトハンター
Facebook「プロダクトハンターあかねのネタ帳


まとめ

2017年10月を振り返ると、今後のアパレル・ファッション・通販業界に影響を与えるであろう大きなニュース、発表が多い1ヶ月だったのではないでしょうか。

大局的な感想を述べると、

・LaFabricが大型資金調達発表をした一方で、既存紳士服企業2社が”オーダーメイドスーツ”ブランドを発表し、オーダー市場への参入開始

・オーダー市場が盛り上がる中、謎に包まれてきたZOZOTOWNのPBブランドが着々とリリースに向けて準備中

・米国ではStitch Fixをはじめとする、「パーソナライズサービス」の存在感が増してきている(上場目論見書の中身が裏付け)

という盤面をイメージしていました。

すべてオーダーメイドになればいい!とは思いませんが、一人一人のニーズが多様化する現代では、従来のただトレンドを追うだけの大量生産・大量消費スタイルはもはや通用しなくなってきていることは明白です。

そんな時代でニーズを掴み、お客さんに喜んでもらうための一つの解として「パーソナライズ」が大きな役割を果たし始めている、そう感じた1ヶ月でした。

おわり。


この記事で紹介した内容は、2017年10月末時点での情報を元にお届けしています。

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