大津園児死傷事故 被告側が控訴取り下げ 実刑判決が確定

 大津市の交差点で昨年5月、散歩中の保育園児らの列に車が突っ込んで16人が死傷した事故で、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)などの罪に問われた新立文子被告(53)が、大阪高裁への控訴を取り下げたことが15日、分かった。禁錮4年6月を言い渡した1審大津地裁判決が確定した。被害者側の弁護団によると、取り下げは10日付。

 新立被告側は公判で「現場に柵があったり、園児たちが電柱の陰にいたりしたら、結果は違ったかもしれない」などと主張。判決を不服として控訴していた。

 被害者側の弁護団は控訴取り下げを受け、「どこに不満を抱いていたのか不明なままで、結果的に被害者は振り回されることになった。今後は刑に服して自身の罪と向き合ってほしい」とのコメントを発表した。

 判決によると、新立被告は昨年5月8日、交差点で注意を怠ったまま右折し、対向車線を直進してきた軽乗用車に衝突。弾みで軽乗用車が歩道にいた園児らの列に突っ込み、2歳の園児2人を死亡させ、園児と保育士計14人に重軽傷を負わせた。

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