10代が最も使用するメッセージ・アプリはアップルのiMessage

App StoreにおけるiMessageアプリの数を示したグラフ

App StoreにおけるiMessageアプリの数。

BI Intelligence

アメリカで10代の若者が最も頻繁に使用するメッセージング・プラットフォームは、アップルのiMessageかもしれない。チャットアプリを展開するFamのCEOジュゼッペ・ストゥート(Giuseppe Stuto)氏が行った比較分析で明らかになった。

分析は2016年4月のデータを複数集めて行われたもので、同氏は10歳~19歳のアメリカ人がiMessageを使ったやりとりをする回数は、1日あたり平均25回であると見積もった。

これに対し、Facebook Messengerは14回、Snapchatは8回だと言う。

この分析結果が示すのは、アップルのプラットフォームとしての強さだ。チャットアプリのエコシステムからは取り残されがちなアップルが、実は消費者に最も利用される、ブランドや開発者にとって消費者にリーチするのに最適なプラットフォームを提供しているかもしれないのだ。

iMessageは、チャットアプリに重要なユーザーの時間とアクティビティを奪われることを防ぐ、アップルの長期的な戦略に基づくものだ。メッセージングアプリは日増しにスマートフォンユーザーの関心を集め、使用時間に占める割合を増やしている。プラットフォームが多機能化していくことで、ユーザーが他のアプリを使用する必要性が薄れれば、App Storeからの収益も低下しかねない。

アップルは、iMessageをより機能的で多目的なプラットフォームに改良し、消費者がより様々なアクティビティに使えるよう、開発を続けている。2016年9月以降、iMessageはアプリ開発者にとって、彼らのアプリの重要な部分をiMessageユーザーに見せる手段となった。例えば、Fandangoのアプリを使えば、ユーザーは映画館の場所や時間をiMessageのウィンドウ内から検索することができる。アップルは他にも、iMessageの実用性をより高めるために次のような機能を追加している。

  • Apple PayとiMessageをリンクさせるピア・ツー・ピア (P2P)の支払い。P2Pを導入することで、ユーザー同士がiMessage経由で互いに送金できるようになった。この動きによって、アップルのメッセージング・プラットフォームはVenmoやFacebook Messengerをはじめとした他のP2P機能を売りにするアプリと戦うことができるだろう。
  • 企業と消費者をつなぐコミュニケーションツールとしてのiMessage。iMessageの次回の更新には、iOS Business Chatも含まれる予定だ。アップルはこれを「メッセージアプリ内で企業と消費者が直接つながることを可能にするパワフルな新しいツールだ」としている。
  • iMessageは全てのアップル製品とよりシームレスに連携。アップルはiMessageとiCloudプラットフォームを正式に統合させている。これにより、ユーザーはiCloud認証でログインしている全てのデバイスでiMessageを使用することが可能になる。

アップルはこれまで、開発者の関心を維持することに失敗してきた。マーケティング調査会社SensorTowerによると、ローンチしてから1カ月の間にアプリストアに追加されたiMessageと連携したアプリの数は116%伸びて、1100に達した。だが、わずか6カ月の間に、前月比の成長率は9%に低迷した。iMessageがMessengerなどの競合チャットアプリと対等に戦えるようになるには、アップルは消費者だけでなく、開発者にとっても魅力的な環境を整えなくてはならない。

[原文:Apple iMessage use outstrips Facebook Messenger and Snapchat among US youths]

(翻訳:まいるす・ゑびす)

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