写真とイラストの力でチャリティへの敷居を下げる。“誰かのための”サッカー写真展が中目黒で開催

Text: YUUKI HONDA

2018.2.16

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日本じゃ滅多にお目にかかれない光景の一つに、路上でサッカーに興じる子どもたちの姿がある。たとえばこれがブラジルだと正反対で、ストリートサッカーに歓声をあげる子どもたちを見つけるのは簡単だ。

でこぼこの地面に立ち、空き缶をボールに変え、壁にできたヒビをゴールに見立てるその想像力は、長らくブラジルのサッカー界を牽引している。

しかしボールを追う子どもが、車にはねられて亡くなるケースが後を絶たないという現実が一方にある。だからといって、子どもたちの情熱を無理やり押さえつけることはできない。

「じゃあどうする? グラウンドを作ればいい。同時に、地域の問題を解決するための拠点にしたらどうだろうか」。

そう考えた人々が集まり組織されたNGO「love.fútbol(ラブ フットボル)」。アメリカで設立され、活動拠点はブラジルからエジプト、インドまで多岐にわたる。同組織の日本支部である「love.fútbol Japan(以下、LFJ)」が2月16日(金)から中目黒で開催するのが、チャリティーサッカー写真展「GROUND」。

Photo by 撮影者

写真、イラスト、サッカーで、社会貢献への敷居を下げる

「GROUND」。文字通り「サッカーグラウンド」をテーマにしたこの写真展に参加するのは、LFJを始め、今回全面ディレクションとキュレーションを担当した写真家の「嶌村 吉祥丸(しまむら きっしょうまる)」、イラストレーターの「Yunosuke」、サッカーブランド「CITY BOYs FC」の四者。

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サッカーを通じて知り合ったメンバーらが展示するのは、LFJ代表の加藤遼也(かとう りょうや)氏が路上強盗に遭いながらコロンビア、ブラジルで撮影した写真、嶌村氏がアジアで撮影した写真、Yunosuke氏、CITY BOYs FCが手がけたイラストなど。これらの展示物は同時に販売されており、売上の一部がLFJを通して、ブラジル・レシーフェのサッカーグラウンドづくりプロジェクトに使用される。

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日本でも子どもの貧困や虐待、待機児童問題、子育て世代の労働環境の問題、高齢者の医療介護など、すべての世代が何かしらの生活課題を抱えています。それを1人や1世帯だけで乗り越えるのは難しいケースもあり、地域内での支え合いが今後さらに必要になってきますが、実はそれらの課題解決に関して、ポテンシャルが高いのがスポーツ施設だと言われています。現に、日本にあるスポーツ施設の数は約22万。コンビニの4倍です。スポーツ施設がもっと地域に開かれた場所になるため、これまでの活動で培ってきた経験を生かして、モデルケースづくりに挑戦していきたいと思っています

そう語る加藤氏は、日本国内にスポーツをするためだけの場所ではなく、地域の力を引き出し、地域課題を解決する拠点としてのサッカーグラウンドを作っていきたいという。そこに続く活動の一環としても、今回の写真展は意義あるものになるだろう。

個人的に社会貢献や寄付に対して敷居を下げる必要があると感じていて、その手段がこのイベントでは写真やイラストになります。今回の被写体は多くの人にとって非日常の風景ですが、例えばそこにサッカーボールが写り込むだけで、自分の人生の一部のように感じる人もいるんじゃないかと思います。サッカーとクリエイティブの力を持って、イベントに来ていただいた人たちの心をくすぐり、何かを感じてもらえたらと思っています

すべての問題は、何気なく続く日常の途中に落ちている。写真やイラストに描かれたサッカーグラウンドを通して、知らずにいた世界について考えてみませんか?

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Ground – チャリティサッカー写真展 –

FBイベントページ

日程:2018年2月16日(金)〜2月23日(金)11:00-18:30
*オープニングレセプション2/16(金)18:00-21:00 ※2/18日休館
   会場:W+K+ Gallery
〒153-0051 東京都目黒区上目黒1-5-8
  *中目黒駅から徒歩3分
入場料:なし
協力:嶌村吉祥丸YunosukeCITY BOYs FC

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love.fútbol Japan

WebsiteFacebook

現在、クラウドファンディングを実施中「ブラジルに『子どもの命』を守るサッカーグラウンドをつくる!

中南米、アジア、アフリカで地域住民と一緒にサッカーグラウンドをつくり、グラウンドを拠点に貧困、教育、治安、環境、ジェンダー問題などの地域課題の解決に取り組む米国発NGOの日本支部。
love.fútbolはストリートサッカー中に交通事故で亡くなってしまう子どもがいる問題を背景に設立され、「サッカーが好きな世界中のすべての子どもが安全にサッカーできるグランドのある社会」を目指している。
これまで6か国27地域で地域住民とともにサッカーグラウンドをつくり、31,000人以上の子どもたちが安全にサッカーを楽しめるグラウンドを届けている。

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※こちらはBe inspired!に掲載された記事です。2018年10月1日にBe inspired!はリニューアルし、NEUTになりました。

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