平昌五輪第10日(18日、江陵オーバル)スピードスケート女子500メートルで、小平奈緒(31)=相沢病院=が36秒94の五輪新記録で、日本女子スピード陣で史上初の金メダルを獲得した。日本勢としては1998年長野五輪男子500メートルの清水宏保以来の快挙。小平は2010年バンクーバー五輪団体追い抜きの銀、今大会1000メートルの銀に続く、自身3個目のメダルを手にした。3連覇を狙った世界記録保持者の李相花(28)=韓国=が37秒33で銀メダル、郷亜里砂(30)=イヨテツク=は37秒67で8位、神谷衣理那(26)=高堂建設=は38秒255で13位だった。
大きな期待と重圧を真正面から受け止めた。日本選手団主将を務める小平が、3度目の五輪でついに頂点に立った。過去の五輪での苦い経験も糧に飛躍的な成長を遂げ、史上最強とも言われる選手団を束ねるにふさわしい金メダルだった。
8年前のバンクーバー大会で、五輪デビューを飾った小平は、500メートルで12位に終わった控室で背中を丸めて泣いていた。声を掛けてくれたのが15歳年上の岡崎朋美さん(46)だった。「いつまでもくよくよしていないで」。その言葉を励みに気持ちを切り替え、臨んだ団体追い抜きで銀メダル。このときの経験が心の支えとなった。
岡崎さんが2006年トリノ五輪で務めた主将を今回、自身が担った。岡崎さんが1998年長野五輪の500メートルで獲得した銅メダルを超え、スピードスケートの日本女子がまだ手にしていなかった金メダルをつかんだ。