特集 2017年12月14日

緑色にライトアップされた掛川城がすごい存在感

まるでラスボス
まるでラスボス
山内一豊の城として有名な掛川城。

掛川に降り立ったことはなくても、掛川駅通過時、新幹線の車窓から見たことがある!という方も多いと思う。

この掛川城、夜は通常白色にライトアップされているのだが、時々期間限定で別の色にライトアップされることがある。

特に緑色にライトアップされた時の存在感は圧倒的で、そのおどろおどろしさに胸がざわめく。
1988年静岡生まれ・静岡在住。平日は制作会社勤務、休日は大体浜名湖にいる。
ダイエット目的でマラソンに挑戦するが、練習後温泉に入り、美味しいものをたらふく食べるというサイクルを繰り返しているため、半年で10kg近く太る。

前の記事:静岡のローカルチェーン「お弁当どんどん」のから揚げ弁当はご飯が食べたくなる


普段はのどかな掛川城

昼間の掛川城はとてものどかで、平和な雰囲気に包まれている。

NHK大河ドラマ「功名が辻」で取り上げられた時は賑わいを見せたが、今は休日に観光客がちらほらいる程度。

入館後も自分のペースでゆっくり見学できるので、わたしのように城特有の急な階段が膝にくる人にもおすすめの城だ。

小学生の頃は生活科学習で見学に行くなど、掛川市民にとっては馴染み深い城である。
昼間の掛川城
昼間の掛川城
昼間の掛川城を背にどんどんのから揚げ弁当を食べる編集部・林さんとライター・西村さん(「静岡のローカルチェーン「お弁当どんどん」のから揚げ弁当はご飯が食べたくなる」 より)
昼間の掛川城を背にどんどんのから揚げ弁当を食べる編集部・林さんとライター・西村さん(「静岡のローカルチェーン「お弁当どんどん」のから揚げ弁当はご飯が食べたくなる」 より)
どんどんのから揚げ弁当がうま過ぎてはしゃぐ林さんと西村さん(背景右端に掛川城)
どんどんのから揚げ弁当がうま過ぎてはしゃぐ林さんと西村さん(背景右端に掛川城)
ここまで来たらぜひ天守閣にも立ち寄ってほしい(入館料は大人個人410円、小中学生150円)

日によるが、天守閣へ向かう石段の途中で忍者に会うこともできる。
特に襲ってきたり、倒したりする必要もないので、どんな顔をして通ればいいか悩みながら、絶妙な空気を味わうことができる。

忍者を演じているのは、掛川城の観光ボランティア「戦国おもてなし隊」の皆さん。会えたらラッキー。写真をお願いする勇気がなくて写真がない。

天守閣の最上階からは掛川市内を一望できる。

天気のいい日は富士山も見えるはず、だが、掛川から富士山は案外距離があるので同じ静岡県でもなかなか見ることができない。

「静岡県ならどこからでも富士山が見える」というイメージは、都市伝説に近い。
たぶんこっちの方面に見えるはず…
たぶんこっちの方面に見えるはず…
富士山が見えるのは天守閣最上階・東側の窓からだが、西側の窓からは掛川城下にある高校が見える。

西村さんはそれを見つけ、「城の中や城の近くにある高校はたいてい偏差値が高い」という豆知識を教えてくれた。

確かに掛川城下に見える掛川西高校は偏差値が高い。中学校の成績がクラスでトップ5に入るような子が目指す高校だ。

西村さんによると、「幕末の藩校の流れをくんだ高校が自然と城の近くにあるのが理由ではないか」とのこと。
西村さんの出身地である鳥取も、鳥取城の中にある鳥取西高校という高校は、鳥取一偏差値の高い高校らしい(鳥取の早口言葉みたいになってしまった)
半袖なのは2人が元気っ子だからではなく、夏に撮影した写真だからだ
半袖なのは2人が元気っ子だからではなく、夏に撮影した写真だからだ

通常は白色

掛川城は夜になると通常、白色にライトアップされる。
日没から21時頃までライトアップされている(時期やイベントにより時間が変わることもあるので、見に行く方は各自調べてから行ってください)
日没から21時頃までライトアップされている(時期やイベントにより時間が変わることもあるので、見に行く方は各自調べてから行ってください)
掛川城の周りは比較的見通しがいいので昼間も見えやすいが、夜ライトアップされるとさらに目立ち、新幹線の車窓からはもちろんさらに離れた東名高速道路からも望むことができる。

しかも、LED照明で省エネ。エコな城、略してエコ城。

緑色に変化

そんなエコ城が、ある日真緑に変化した。

Photoshopで色調補正したのではないかと思うくらい、緑である。
※未加工です
※未加工です
生で見ると、めちゃめちゃ異物感がある。
周りはいつもの風景が広がっているのに、城だけ戦闘態勢に入ったような色をしている。

まるでそこだけ、別世界からテレポートしてきたようだ。

写真には写っていないが、左側に見える階段下の道では、帰宅途中の西高生(先ほど出てきた頭のいい高校の生徒)が楽しそうに談笑している。

さすが城の真横にある高校の生徒だけあって、緑色に変化した掛川城を目の当たりにしてもまったく動じていない。

これが日常と、非日常を同時に感じさせる要因のひとつだ(わたしは先ほどから胸騒ぎが止まらない)
葉が付いていない桜の木を一緒に入れて撮ったら邪悪感が増した
葉が付いていない桜の木を一緒に入れて撮ったら邪悪感が増した
かたちは日本の城だけど、まるで街の人々から恐れられている、伝説の魔女が住む城のようだ。
やつに安易に近づいてはならない…の図
やつに安易に近づいてはならない…の図
掛川城はこのように、時々期間限定で色が変わる。

緑色のライトアップは、臓器移植の理解を深めるためのキャンペーン「グリーンリボンキャンペーン」の一環として行われたそうだ。

他にも、全国糖尿病週間に合わせてイベントカラーの青色に変わることもある。

青色にライトアップされた掛川城も写真に収めたかったが、キャンペーンやイベントに伴うライトアップは不定期のため、次回はいつ見られるかわからないらしい。

掛川城に問い合わせたら、電話をとったパートのおばちゃん風のスタッフさんが教えてくれた。「興味を持ってくれてうれしいわ~」と言ってくれたけど、この色で興味を持たない方がむしろ難しい。

ちなみに、掛川城以外の城でも同じようなライトアップが行われていないか検索してみたところ、
色とりどり!ライトアップされていた
色とりどり!ライトアップされていた
これを見た瞬間、なぜか「ヤッター!仲間がいっぱいいるじゃん!」となぞの喜びを爆発させてしまった。緑色にライトアップされた掛川城に、知らぬ間に孤独感を抱いてしまっていたらしい。

見ていくとさまざまな色にライトアップされた城が出てきたが、中でもピンクの個性はピカイチだった。
色が強烈…インパクト大!
色が強烈…インパクト大!
暗い夜の空を背景に強い色味で光っているからか、よくわからないけど「ナイトプールみたいだな」と思った。

ピンク色にライトアップされているのは、乳がん検診の受診率向上啓発を目的とした「ピンクリボン運動」の一環だそうだ。

旅行に行くと日中城をめぐることが多いが、次回は夜に城を訪れ、ピンク色に染まった城を見てみたい。

顔はめパネルは利用者の顔つきも変える

掛川城の石段を上ると、掛川城主だった山内一豊と、内助の功で夫・一豊を支えた妻・千代になれる顔はめパネルがある。

一豊担当の西村さんはキリッとした武将らしい顔つきに、千代担当の林さんは優しくも芯のある女性らしい顔になっていて、顔はめパネルって一瞬でその人の顔つきも変えてすごいなと思った。
千代「命の持ち帰りこそ功名の種にございます…!」
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