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Amazon Alexaやスマホで家電を操作できる「RS-WFIREX3」レビュー

 
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Amazon Alexa などのスマートスピーカーを使っていると、Wi-Fi や ZigBee などに対応していない古いタイプの家電やスイッチパネルにイライラするようになってくるわけですが、そんな旧型家電との橋渡しになってくれるラトックシステムのスマート家電コントローラ「RS-WFIREX3」を購入したのでレビューします。

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「RS-WFIREX3」は Wi-Fi に対応した赤外線学習リモコン。かんたんに言えば、宅内や外出先からスマホで赤外線対応家電を遠隔操作できる機器です。

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この手の製品ジャンル自体はとくに目新しいものではなく、この「RS-WFIREX3」も製品ラインナップとしては3世代目という位置づけですが、国内で正規販売されており、かつ、技適も問題ない製品としてはかなり早い段階で Amazon Alexa による音声操作に対応したこと、そして、将来 Google アシスタンスにも対応予定ということで、まずはその実力を探ってみたいと思います。

スマホからの家電コントロールは極めて優秀。リモコンのまとめに便利

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基本機能となるスマホからの家電コントロール機能に関しては、さすがに3代目ということで、良い意味で枯れた、安定した性能を発揮してくれます。

特に素晴らしいのはその赤外線の出力範囲。水平360度、垂直180度の半天球に対して見通し半径20mまで、とかなりの広範囲をカバーできます。

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室内、かつ、直接赤外線が届く範囲なら、性能的には十分。動作も非常に安定しています。

非常にコンパクトな本体サイズでありながら、温度・湿度・照度計を搭載。スマホから数値を確認できるので、室内の照明やエアコンの状態を間接的に推測できます。これはかなりありがたい機能です。

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あと、赤外線信号のプリセットの豊富さもかなりのもの。国内メーカー製の家電を定期的に買い替えている一般的な現役世代であれば、困るケースはかなり少ないでしょう。

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万が一、プリセットが用意されていない機器があったとしても、手持ちの赤外線リモコンの信号を学習させてスマホ上にボタンを作ればよいだけなので安心。作ったリモコンデータは Wi-Fi 経由で他のスマホへも簡単に転送できるので、家族への展開も楽です。そういった部分も含めて、本当によく考えられています。

ただ、エアコンやテレビのように大量の機能がある場合、ラーニングさせるだけでもかなりの手間になりますから、本機のプリセットの多さはかなりの強みと言えます。

また、マクロ機能も非常に強力で、例えば、シアターモードへの切替時、まず、照明を間接照明に切り替えて、暖色系にして、明るさを下げる → テレビの電源を入れる → HDMIセレクタを1番に切り替える、といった作業がスマホから一発できて便利。

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操作できるのは赤外線対応の機器だけにはなりますが、けっこうな数のリモコンがあるお宅なら、重宝することは間違いありません。

ACアダプタが付属していないため、別途5V/1A以上の出力のUSB電源が必要になりますが、この手の製品に興味がある人ならUSB電源の5つや6つは余っているでしょうから問題ではないでしょう。(逆に言えば、そういうタイプで無い人には向いていない機器かもしれません。)

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ということで、基本機能の素晴らしさを褒め称えたところで、ここからは、気になる Alexa での利用について、少し厳しめのレビューを書いていきたいと思います。

(※2018年3月のアップデートで、Alexa のスマートホームスキルに対応したことにより、Alexa 連携に関しても神化しました。以下のレビューは2017年秋の評価で、アップデート以降は非常に満足度の高い製品となりました。どっかでレビューをもう一度やり直したいくらいです。)

Alexaで音声コントロールできるのは4台まで

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現時点では、Alexa 経由で制御できる機器は、テレビ1台、エアコン1台、照明2台の計4台までとなっています。

本製品の非常に優れたマクロ機能や学習済み赤外線データについては、現状、Alexa からの呼び出しには対応していません。これは、けっこう残念な仕様です。(このあたりについては、発売後すぐの初期バージョンということで、将来の拡張に期待したいところですが。)

特に、音声によるマクロ呼び出しは、後述する問題点をすべてぶっ飛ばすだけの破壊力がある神機能になると思うので、ぜひとも検討してもらいたいところです。

カスタムスキルの呼び出し名は「家電リモコン」

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現時点では、本製品向けの Alexa スキルとして、専用のカスタムスキル「スマート家電コントローラ」が用意されています。

Alexa のカスタムスキルでは標準スキルに比べて柔軟な機能を実現できます。本製品ではカスタムスキルの採用により、"Alexa, 家電リモコンでエアコンの暖房を23度でつけて" といった複雑な操作が可能になっており、これが製品の"売り"のひとつとなっています。

しかし、この「カスタムスキルのみ」という仕様と「家電リモコン」というスキル名が裏目に出て、多少、残念な動作をすることがある。ここが本当にもったいない。

Alexa のスマートホームスキルに対応したスキルも別で用意してくれれば、"Alexa, テレビをつけて" とか、"Alexa, 照明を消して" といった簡単な言い回しも使えるのに、現状ではカスタムスキルしかないので、"Alexa, 家電リモコンでテレビをつけて" という面倒な言い回しが必要になってしまっているわけです。

しかも、この "家電リモコン" という言葉自体を Alexa がちょくちょく聞き取りに失敗する。そんな下らないところで、ユーザビリティ上の問題を抱えてしまっているわけです。

これは、Alexa 側の音声認識性能の問題ということで、将来、Alexa の学習により大きく改善される可能性もありますが(※追記:2017年12月中旬くらいから、かなり認識率が改善したように思います。)、とりあえず少なくとも現状としては、この "家電リモコン" というフレーズのせいでイライラすることがあるのは事実です。

また、Alexa が "家電リモコン" という言葉を認識してくれたとしても、一般的に、カスタムスキルのインタラクションモデルの作り込みは難しいものになりますので、標準スキルと比べると、どうしても言葉のゆらぎに敏感で、コツをつかむまでは融通がきかない印象が拭えない部分もあります。

その上、ときおり "必要な情報がリンクされていません" という謎エラーが発生することもあって(これについては現在、メーカーが原因を調査中とのことですが)、これらが何かを織りなしてしまうと、もう不協和音がヤバイ。うまく動いてくれれば気持ちいいんですが、本当にもったいない。(※2017/12/14時点で、このエラーは出なくなっています。)

ということで、ストレスフリーで音声操作できる、というレベルに到達するには、まだ改善が必要で、現時点では多少厳しめの評価もやむ無し、と言える状況です。

世界を見渡すと、このあたりの問題については、たとえば、日本未発売の Logitech の Wi-Fi 対応赤外線リモコン「Harmony Hub」が、「Harmony」と「Harmony - Secondary Hub」という2つの Alexa スキルを用意することでうまく対処しています。

具体的に Harmony では、Alexa 標準のスマートホームスキルに対応した「Harmony」スキルが、"Alexa、テレビをつけて" といった簡単な言い回しを処理し、カスタムスキルである「Secondary Hub」スキルがより複雑な言い回し、例えば、"Alexa, Harmony でボリュームを10にして" などの細かな操作を処理する仕組みとなっています。

現状では、"Alexa , 家電リモコンでテレビをつけて" と言ったときに「家電リモコン」という言葉を Alexa が認識できなかったとしても、フォールバックしてスマートホームのテレビを探しに行くことがあるようですので、それだけでも誤認識の一部はフォローできそうですので、将来のアップデートの際には、ぜひ参考にして欲しいところです。

というか、そもそも、"家電リモコン" という7文字もある発音しづらいスキル名を変更すれば、それだけでも格段に使いやすくなるであろうと推測するに、本当にもったいない製品だなー、と思わざるを得ないのも確かで。(長く使っているうちに慣れてきた気がします。認識率が改善したことも関係しているかもしれませんが)

多少厳しい書き方をしましたが、逆に言えば、これらの問題点が改善されて、あとは、欲を言うならカスタムスキルのインタラクションモデルがもう少し改善されれば、そして、先に説明したマクロ機能の音声呼び出しにも対応すれば、一気に化ける、ポテンシャルのある製品と言えます。

(※もっとも、カスタムスキルのインタラクションモデルについては、この製品に限らずユーザビリティの確保に難儀するところのようですので、とりわけ複雑な操作が可能な本機のみを槍玉に挙げるのもかわいそうな気はしますが。)

なんだか、久しぶりに熱量のある文章を書いてしまった気がしますが、それくらいに期待できる機器だし、つか、スマートスピーカーで機械操作すんの面白れー、と感じられるおもちゃでもあるし、あと、限られた操作については実用的でもあるので、ますます、将来が楽しみになる製品と思うわけです。

(※2017/12/14 Echoと製品の改善を受けて評価を上方修正しました。)

「つけて・消して」でなく「ON・OFF」だとよく認識する

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基本機能はしっかりできている。Alexa 連携もポテンシャルのある製品。なのに、なんだか救いがない記事内容になってしまいそうなので、ここで、実際に毎日使っている僕から、使い方のコツみたいなものを伝授しておきます。

まずは、テレビであれ照明であれ、「つけて・消して」でなく「ON・OFF」と言い換えると認識率がアップする。あと、ボリュームも「上げて・下げて」ではなく「アップ・ダウン」と言い換える。

この2つだけでも、けっこう使い勝手が改善すると思います。

あとは「家電リモコン」の発音はしっかりとする。そもそも、「家電リモコン」という言葉が長いので、発想の転換で、Alexa のウェイクワードを「Echo(エコー)」という短いものに変える、というのもオススメの対策になります。

つか、上げて・下げてよりもアップ・ダウンの方がいいとか、Alexa の日本語聞き取り能力向上はこれからなんでしょうか。標準スキルだけを使っているとあまり気にならないところなだけに、なかなか不思議な部分と思います。

結び

スマートスピーカー経由で全ての機能を実用的に使える、というわけではまだありませんが、それだけに、Alexa が何者なのか、スマートスピーカーのスキル開発における技術的な課題や障壁が何なのか、を肌で感じることができる、そういう点でも価値のある製品だと思います。

事実として、我が家では、1日の終わりに「Alexa、家電リモコンで全部消して」とお願いするのが習慣になりましたし、エアコンの温度の変更などがIFTTTなどと格闘しなくても音声で出来るということで、ちょくちょく使っていますので、Alexa との組み合わせで実用的に使える部分もないというわけでもありません。

スマートスピーカーとの連携部分に関しては、ひょっとすると Google Home に対応しただけで、コロっと評価が変わるのかもしれず。そういう意味でも面白さのある、十分なポテンシャルのある製品だと思います。

また、スマホを外出先からも使えるリモコン代わりにするだけなら、この製品は非常によくできているし、マクロの強力さなんかは本当に特筆ものです。基本機能に関しては高い評価を与えて問題ない。そう評価しています。

個別のエアコンに専用の Wi-Fi 対応ユニットを購入するよりも安価という部分もありますし、僕としては "今年買ってよかったものリスト" に入る機器として、我が家の一軍として継続利用するでしょう。

参考情報:

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