2024年1月5日更新

ディメンター(吸魂鬼)の正体と倒し方 「ハリー・ポッター」史上最恐生物の闇の歴史とは?

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ディメンター ハリー・ポッターとアズカバンの囚人
© Warner Bros./Photofest/Zeta Image

大人気ファンタジー「ハリー・ポッター」シリーズに登場するキャラクターのなかで、最も恐ろしい存在のひとつといえば、吸魂鬼もしくはディメンターですね。 黒いフードとマントを纏ったような姿で宙に浮く、その不気味な姿は非常にインパクトがあり、1度見たら忘れられなくなってしまうのではないでしょうか。 今回は、そんなディメンターの恐ろしい生態や彼らの恐怖の攻撃、ディメンターから身を守る方法などを紹介します。いつか、あなたの前にディメンターが現れたときのために備えておきましょう!

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ディメンター(吸魂鬼)の正体とは?謎の生態に迫る

ディメンター
© Warner Bros. Entertainment Inc. Harry Potter Publishing Rights © JKR.(s17)
名前 ディメンター/吸魂鬼
生息地 アズカバン
対抗呪文 エクスペクト・パトローナム
名前の意味 吸魂鬼(発狂させるもの、理性を奪うもの)

ディメンターは、魔法界でもっとも忌まわしく邪悪な存在とされる闇の生き物。ディメンターは周囲の人々の幸福な気持ちを餌に、絶望と憂鬱をもたらす存在で、人間の魂をキスによって吸い取ることができます。彼らが現れると周囲の空気も冷たくなります。 この特性を利用して、普段は魔法界の監獄・アズカバンの看守として魔法省と協力。 彼らは、生きているわけでも死んでいるわけでもありません。そのため、彼らを攻撃したり、殺すことは不可能。黒いフードとマントを纏っていますが、その姿は魔法使いや魔女にしか見えず、マグルやスクイブには黒い霧に見えるそう。 ディメンターの力は、特にハリーのように悲惨な過去を持つ者に大きな影響を与えます。

ディメンターを倒す呪文「エクスペクト・パトローナム」!

『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』ルーナ・ラブグッド
©︎Warner Bros./Photofest/Zeta Image

ディメンターは死なないため、彼らを攻撃するのは不可能です。その為、ディメンターから身を守るには、「守護霊の呪文(パトローナス・チャーム)」を使って追い払うしかありません。 「エクスペクト・パトローナム」は最も強力な防衛呪文のひとつで、最も幸せな記憶から守護霊を呼び出し、その力で追い払ってもらいます。この呪文は、もっとも難しい防衛呪文のひとつで、優れた魔法使いだけが守護霊を呼び出すことができるとか。 守護霊の動物は魔法使いの性格などを反映しているため、人によって様々。ハリーの守護霊は牡鹿でしたね。 また、ディメンターに出会い憂鬱な気分になった時には、チョコレートを食べると一時的に気分が回復するそうです。 >シリウス・ブラックはなぜディメンターを欺けたのか?

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ディメンター(吸魂鬼)のキスとは?顔を見た人がほとんどいない理由

常にフードを被っているディメンターの顔を見た者はほとんどいません。なぜなら、その顔を見た者の多くは「ディメンター(吸魂鬼)のキス」と呼ばれる恐ろしい攻撃をうけ、魂を吸い取られてしまっているからです。 映画で描かれたディメンターの顔には、眼孔はありますが目玉はなく、常にすぼめたような形の口があり、その口から相手の魂を吸い取ります。魂を吸い取られた者は、後にディメンターのようになってしまうとか。「ディメンター(吸魂鬼)のキス」から逃れた人間は、ハリーをはじめ少数のようです。

ディメンター(吸魂鬼)はなぜハリー・ポッターを付け狙うのか

ハリーポッター アズカバンの囚人
© 2005 Warner Bros. Ent. Harry Potter Publishing Rights J.K.R.

ディメンターが初登場した「アズカバンの囚人」では、ホグワーツ特急の中やクィディッチの試合中など、ほかの生徒がいる中で、ハリーが執拗に狙われています。 この理由は、ハリーが幼少期に両親を殺されるという、ほかの生徒よりも壮絶な恐怖を経験をしているから。人一倍の悲惨な経験をしている人は、ディメンターに狙われやすいだけではなく、ディメンターの影響を受けやすいというわけです。

【歴史①】ディメンターは古の闇の魔法使いが生み出した

そもそもディメンターは、 古の闇の魔法使い・エクリジスが造った生命体とされています。 かつて彼は北海の中心にある島「アズカバン」に要塞を築き、誘い込んだマグルの船乗りを拷問し、殺害するという残忍な人体実験を行っていました。その死後、隠蔽の呪文が解けたことで、魔法省はディメンターのコロニーと化した謎の要塞に気づいたのでした。

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【歴史②】アズカバンの看守としてディメンターが起用

『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』シリウス・ブラック
©WARNER BROS/All Star Picture Library/Zeta Image

コロニーを発見した当時、魔法省は報復を恐れてディメンターを追い出しませんでした。 1718年、魔法大臣に就任したダモクレス・ロウルがアズカバンを魔法使い用の牢獄に利用し、ディメンターを看守とする政策を打ち出します。 定期的に餌となる囚人を提供することを対価に、魔法省に雇われたディメンター。彼らは人の幸せや希望を吸い取って糧としており、アズカバンの囚人たちは絶望を感じ、なにもする気が起こらなくなるため、事実上脱獄は不可能です。 魔法省ではディメンターが看守をする限り安心だと考える人が多数派でしたが、ダンブルドア校長をはじめ、魔法省がディメンターのような怪物を雇うこと自体に反対する者もいました。

【歴史③】「ハリー・ポッター」でのディメンターの暗い活躍

シリウス・ブラックの脱獄でホグワーツに配置される

『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』ディメンター
©WARNER BROS/All Star Picture Library/Zeta Image

3作目「アズカバンの囚人」では、脱獄した殺人鬼シリウス・ブラックから生徒を守るべく、魔法省の判断でホグワーツに派遣されました。 校内への侵入が認められなかった彼らは、ホグワーツ特急内でハリーと初対面。この時は闇の魔術に対する防衛術の先生リーマス・ルーピンに追い払われました。ハリーとはその後も何度か遭遇し、湖のほとりでは「キス」をしようとするも、守護霊の呪文を使われて退散します。 魔法省はディメンターが生徒を襲ったため、ホグワーツから退去させることにしました。

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マグル界にもディメンターが出現するように

ディメンターがマグル界に存在するのはあり得ない、というのが作中での共通認識です。 しかし5作目「不死鳥の騎士団」の冒頭で、ハリーを狙う魔法大臣付上級次官ドローレス・アンブリッジの策略により、ダドリー家の自宅があるプリベット通りに出現。そして終盤、魔法省よりも多くの餌を提供すると言ってきたヴォルデモート側に寝返ります。 以降はイギリス全土を自由に闊歩するようになり、マグルは季節外れの霧に恐怖を感じました。

最後の闘いではヴォルデモート陣営につく

『ハリー・ポッターと死の秘宝Part1』(2010年)ヴォルデモート
© Warner Bros./Photofest/Zeta Image

最終章「死の秘宝」では、ヴォルデモートに陥落した魔法省に従い、「マグル生まれ登録委員会」の法廷で警護を担当していました。しかし、分霊箱を探しに魔法省へ潜入したハリーとハーマイオニーに遭遇し、その場から追い払われてしまいます。 その後、ホグワーツの戦いにヴォルデモート陣営として参戦。多くの仲間を喪ったハリーたちへの影響力は強く、ハリーたちは一時自力では反撃できませんでしたが、ルーナ・ラグブッド達の守護霊に助けられました。

【歴史④】「ハリー・ポッター」の後はどうなった?

『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』
©︎ Warner Bros./Photofest/Zeta Image

第二次魔法戦争はホグワーツの戦いをもって終結し、元闇祓いで不死鳥の騎士団キングスリー・シャックボルト(画像右)が魔法大臣へ就任。彼はディメンターをアズカバンから追放し、(ダンブルドア校長の悲願でもあった)人間の看守を置くよう指示しました。 追放された後、ディメンターがどこへ消え、何をしているのかは明かされていません。

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ディメンターの由来はうつ病だった?

ハリーポッター J・K・ローリング
©Vivienne Vincent/Landmark Media./Zeta image

ディメンターの設定は、原作者であるJ・K・ローリングがうつ病を患った時の経験から生み出されたそうです。 うつ病になると、幸せな気分や喜び、希望が消え失せ、絶望し憂鬱な気分になります。そんな状態を目に見えないディメンターの能力としてローリングは描きました。 『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』(2004年)のDVDコメンタリーで、ローリングは「10代のころ、黒いフードを被った人影の夢を見た」と語っています。 また、チョコレートがディメンターの影響を緩和すると先述しましたが、同じようにうつ状態の抑制にも一時的に効果があることが知られています。

シリウス・ブラックが利用したディメンターの弱点

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団 シリウス・ブラック
©︎WARNER BROS/Zeta Image

ディメンターは人の幸せや喜び、希望を糧として生きていますが、それ以外の感情を吸い取ることはできません。 そのため喜びではなくヴォルデモート卿に対する復讐心・執着を抱いていたシリウス・ブラックは、アズカバンに収容され、ディメンターに囲まれていても正気を保つことができました。 また、人間ほど複雑な感情がないためか、ディメンターは動物の感情を吸い取ることはできません。アニメーガス(動物もどき)が変身してしまうと、動物との区別がつかないのか、その感情を吸い取ることもできなくなってしまいます。

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ディメンターとデスイーターはどう違うの?

『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』ルシウス・マルフォイ
©WARNER BROS/All Star Picture Library/Zeta Image

なんとなく見た目が似ているディメンターとデスイーターですが、実際は全く違う存在です。ディメンターは先述のとおり魔法界に生息する闇の生物で、デスイーターはヴォルデモート卿の手下である、闇の魔法使い集団のこと。 一方でデスイーターは黒い服を身にまとい、戦闘時にはやはり黒のフードやマスクを着用します。メンバーには、ルシウス・マルフォイやベラトリックス・レストレンジなどがいます。 デスイーターたちは守護霊の呪文を使えない(例外あり)一方で、ディメンターと共生することが可能です。ディメンターに襲われない理由は両者の親和性が高いためで、ヴォルデモート卿曰く「(ディメンターは)生来我らの仲間」なのだとか。 原作小説の日本語版では、ディメンターは「吸魂鬼(きゅうこんき)」、デスイーターは「死喰い人」と翻訳されています。

ディメンターに遭遇したら幸せな記憶を思い出そう

人一倍悲惨な経験をしたハリーにとっては天敵とも言えるディメンター。辛い記憶を持っている人ほど、彼らの影響を強く受けてしまいます。もしディメンターと遭遇した時は、チョコレートを食べて幸せな記憶を思い出しましょう!