進学・進級・就職・引っ越しなどの環境の変化や、長期休み明け、友人との分かれ、家族やペットとの死別、テストや試合などのプレッシャー、思い通りに行かないことによって、年齢問わず子供でもストレスを感じます。感じているストレスは、何かしらのサインとして表に出てきます。いつもと違う行動などの変化がそのサインであることが多いです。注意深く子供を観察することで気付くことができるでしょう。


子供の変化からストレスのサインを見つける

子供のストレスのサイン一覧表

参考:Kaite Hurley、LCSW


ストレスで叫ぶ意味

大人は体や心に現れるサインで、自分がストレスを感じていると気付くことができることがありますが、子供(特に小さい子供)は、自分でストレスを感じていることに気付くことは、なかなかありません。言い換えれば、なぜ自分の体や心に変化があるのか分からないのです。

また、ストレスのサインの中にある叫ぶ・怒りなどは、実はコミュニケーションや繋がりを求めていることもあります。それは彼らの自己表現の1つです。そんな子供に関わる大人としては、このような状況に頭を悩めてしまいますよね。しかし、かんしゃくは子供たちが何か伝えたい、繋がりを持ちたいと思っていることを表現していると、頭の隅に留めておくだけでも、状況を客観視することができるようになります。わめき泣き叫ぶ子供たちと接することからの負担が、少しでも軽減されることで、大人が対処法に集中することができるでしょう。


対処法

1.安心できる環境

  • 親や周りの大人が、子供のことを守っているということを言葉や行動で伝える
  • スキンシップを増やしたり、好きなおかずを用意するなど、リラックスできる「いい気持ち」を増やす
  • いつもの生活リズムをキープする
  • 不安になる報道などを過度に見せない

 

2.何でも話し合える雰囲気作り

  • 子供から同じことを繰り返し聞かれても答えることを面倒くさがらない(不安の表れ) 
  • 気持ちを受け止めて、共感を示す・気持ちを代弁する(感情のラベリング
    • 例:(不安なんだね、そう感じることは自然なことだよ、辛いんだね、それは嫌だね、疲れたんだね、頑張ってるね、など)
  • 質問に答えられるようにする(憶測でなく事実を簡潔に、すぐに答えられないときは後でちゃんと答える)  
  • 「どうしてそう思う?」などと聞いて子どもの思考プロセスを理解する 

 

3.一緒に運動

  • 運動はいいリフレッシュ
  • 子供だけにやらせないで一緒にする(良い親子関係の構築、大人の運動にもなる)
  • 過度な運動ではなく、散歩に行くだけでもいい

 

4.多くを求めない

  • 学校の勉強や習い事などを一時的に減らしてみる
  • 前よりできなくなっていても責めない
  • 過度に期待しない

 

5.やりたいことをやらせてみる

  • 友達とのコミュニケーション、遠方の親戚と会う機会、行きたい場所への旅行など可能な範囲で計画・実行できるように調整する
  • 無制限にやらせてあげるということではない


大人も自分をケア

  • 考え込み過ぎない
    • 身近な子供がストレスを抱えていたり悩んでいたら、心配すると思います。しかし、大人も心身共に負担を感じてしまうと、抜け出せない沼にはまってしまいます。あまり考え込み過ぎないように、気分転換などを行うことをおススメします。
  • 家族と適度な距離を取る
    • なんとか力になろうと思うあまり、過度なサポートをしてしまう可能性があります。もしかしたら、それも新たなストレスになるかもしれません。子供の年齢に合わせて適度な距離で接する方がいいです。ストレスを抱えている場合、小さな子供は、しばらく抱きしめるのが有効的かもしれません。混乱しているなら、ゆっくり話を聞いて丁寧に説明することもできます。しかし、10代の子供には抱きしめるより、1人で好きなことをする時間が欲しいかもしれません。いろいろと口を出すより、短いアドバイスだけで十分ということもあります。子供が自分とは別の人格を持った存在であることを忘れないで!
  • 友人や親戚とのつながりを大切に
    • これは子供ではなく、大人のことです。友人や親戚と様々な形でつながっていることによって、良い相談相手になってくれたり、気分転換ができたりします。
  • 学校に相談(スクールカウンセラーなど)
    • 学校の先生に伝えることで、学校での様子を教えてもらえるでしょう。そして、近年日本の学校にもスクールカウンセラーが配属されるようになりました。常駐していない学校もあるかもしれませんが、予約して会うことができます。
  • 自治体などの電話相談を活用する
    • 県の福祉サポートセンターや保健所には相談窓口があります。お近くの相談センターを検索してみてください。


神の愛する子供です

子供自身が、自分が神から愛されている存在であるということを知れるように助けてください。偉大な力を持ち、いつも見守って導いてくださっている神の子供であるということを、子供たちが知っていてそれを理解していたら、平安に包まれ、自尊心が高められ、ストレスを緩和できるようになるでしょう。

以前、教会の若い男性の指導者であったディーン・R・バージェス長老はこのように話されました。

「天の御父がわたしたちを愛しておられ、わたしたちが神の子供であるという知識は、この現世で生きていくための力と慰め、そして希望を与えてくれます。ヨハネの第一の手紙にはこう記されています。

『わたしたちが神の子と呼ばれるためには、どんなに大きな愛を父から賜わったことか、よく考えてみなさい。わたしたちは、すでに神の子なのである。世がわたしたちを知らないのは、父を知らなかったからである。愛する者たちよ。わたしたちは今や神の子である。』(1ヨハネ3:1-2)

皆さんは愛に満ちた天の御父にとって大切な存在です。……絶えず祈ってください。朝も夜も祈るならば、自分が神の息子であることを確信するようになるでしょう。」

普段から子供たちが、自分は愛されている存在であるということ、さらには神にとっても大切な存在であるということを、知れるような機会を作りましょう。例えば、次のようなことができます。

子供が神の愛を感じるためにできること

変化によるストレスのサインを出してからでも遅くはありません。忍耐が必要になることもあるかもしれません。少しずつ働きかけることや、大人の模範、愛を示す言動で、必ず良い方向へ進みます。

そして、そんな子供たちと関わるあなたも、大切な神の子供で、愛されている存在であるということを覚えていてください。

 

参考:ニューヨーク日本人教育審議会教育文化交流センター・教育相談室