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3代目ランクルが海外で人気上昇中! 1000万円以上の値がついた事例も

今、クラシックカーの国際オークション市場ではふるい日本車が人気を集めている。その1台がトヨタ「ランドクルーザー」。とくに人気の高い3代目ランドクルーザーの市況をリポートする。
トヨタ ランドクルーザー BJ43 FJクルーザー ランクル TOYOTA 4WD SUV ランドクルーザーシグナス レクサスLX

世界で大人気の40系

日本製クラシックカーは、今、国際クラシックカー市場でも人気を集めている。

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一時期、オークションで1億円超の値がついたトヨタ「2000GT」を筆頭に、もとより北米での人気だったダットサン「240Z」(日産S30系フェアレディZ)などの評価が、以前より高まっている。日産「スカイライン」GC10系GT(GT-Rも含む)は、欧米でも“HAKOSUKA(ハコスカ)”の愛称で人気だ。

最近では、日産「スカイラインGT-R」(R32系/R34系)やトヨタ「スープラ」(80系)など、1980〜1990年代の“ヤングタイマー”国産車も、年を追うごとに市場評価が高まっている。

したがって、日本製クラシックカーが国際オークションで、旧来の常識を覆すような高値で取り引きされるのは、珍しいことではない。

そんなマーケット市況のもとにあって筆者が注目したモデルが、トヨタ「ランドクルーザーBJ43」(1980年型)。大手オークショネアのBONHAMS(ボナムズ)社が、3月5日に開催したオークション「The Amelia Island Auction 2020」(アメリカフロリダ州のアメリア島フェルナンディーナ・ビーチ)に出品された。

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歴代ランドクルーザーのなかでも、とくにアイコニックなモデルとして知られているのが40系。日本のファンからは“ヨンマル”、海外のファンからは“Fourty(フォーティ)”のニックネームで親しまれている。

実はこの40系、近年世界の一流クラシックカー・オークションで、次々と高価落札されているのだ。今回のボナムズ・オークションでも、高値が再現されるか否か? 興味深かった。

意外な落札価格

40系ランドクルーザーは、1960年の登場。1955年から1960年まで生産され、初めて輸出用モデルもつくられた2代目「20系」に次ぐ、第3世代のランドクルーザーだ。ちなみに初代の登場は1951年。登場時には「トヨタ ジープ」と命名され、主に警察車両や消防車として使用された。

40系は、トヨタ車の身上である頑丈さや扱いやすさから、日本国内だけでなく海外でも人気を集めた。しかも、1960年から1984年に至るまで24年間も生産されたのだ。

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今年2月におこなわれたパリ“レトロモビル”のオフィシャルオークションでは、1981年型のランドクルーザーBJ43が出品された。現代的なカスタマイズが施されていたうえ、いささかオーバーレストア気味だったことから、予想落札価格は4万5000~6万5000ユーロ(約534万~約771万円)と、比較的低く設定されていた。

が、ふたを開けてみると11万4432ユーロ、日本円にして約1357万円という驚きの価格で落札されたのだ! どうやらランドクルーザーFJ/BJ40系は、今風にいえば、“バズって”いるように思う。

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では、ボナムズ・オークションの結果はいかに? 3月5日の午前11時(現地時間)にオークションはスタート。入札はいささか低調だった。“アールキュリアル”出品車のBJ43と比べ、コンディションなどが少々劣っていたからかもしれない。

結局、4万5920ドル(約491万円、手数料込み)で落札された。

このプライスは、パリでの落札価格からすれば、かなり穏当である。とはいえ、日本国内の中古車マーケットで販売されているFJ/BJ40系の価格(200万〜300万円前後)と比べれば、じゅうぶん高価である。

はたして今後の相場はいかに? 国際クラシックカーマーケットにおけるFJ/BJ40系の動向に注目したい。

文・武田公実