デパート大食堂はワンダーランド!花巻のマルカンビル大食堂

【目次】

デパート大食堂での思い出

こんにちは!

たびこふれ編集部のシンジーノです。
私は広島の片田舎で生まれ育ちました。
子どもの頃の一番の楽しみは年に1~2回、母が町のデパートに連れて行ってくれることでした。私が生まれ育った上下という町は人口1万人にも満たない小さな町でデパートもありませんでしたので、国鉄(当時)福塩線で広島県で2番目に大きな町、福山まで約1時間半かけて出かけていきました。福山に着いたらまずは大黒座という映画館で「東映まんが祭り」を観て、天満屋デパートの大食堂でお子様ランチかナポリタンか親子丼を食べ、屋上にある小さな遊園地で遊ぶ、というのが定番のコースでした。もう嬉しくて嬉しくて前の晩から興奮して眠れませんでしたよ。福山に出かけるという行事は私の中ではまぎれもなくハレの場でした。

大食堂でランチを食べるというのは、今、高級フレンチや料亭で食べるよりも私にとっては、貴重なことでした。

そんなデパートの大食堂は今では跡形もなく消滅してしまいました。。。

マルカンビル(デパート)大食堂がある!

思っていたら・・・ありました、ありましたっ!

あのデパートの大食堂が今も現役で頑張っていました。

その大食堂とは、宮沢賢治の故郷、岩手県花巻にある、その名も「マルカンビル大食堂」

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マルカンビル(デパート)大食堂の復活ストーリー

ご覧いただいたらわかるように、かなりレトロな外観です。実はこのデパート、建物の老朽化と耐震性の問題で、2016年6月7日に閉館してしまったそうです。6階の大食堂も同じく閉店してしまったのですが、大食堂の復活を望む花巻北高校の高校生達による署名運動が起こり、地元の街づくりをされていた花巻家守舎(小友康広社長)が立ち上がり、マルカン百貨店から運営引き継ぎをして2017年2月20日にマルカンビル大食堂と名前を変え、見事に復活したそうです。ちなみに高校生が始めた復活を望む署名の数は最終的に9,000名以上集まったそうです。マルカン大食堂がそれだけ花巻市民に深く愛されていたということですね。

ということで、今回別件で花巻に出張する機会を得た私は、念願のマルカンビル大食堂に訪れました。

マルカンビル(デパート)大食堂入口のショーケース

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う~ん、これだけでもうすでに涙出そうです。これです、これです。これぞ大食堂のシンボル。子供の頃、ショーケースのガラスにへばりついてどれにしようか真剣に迷ったものです。

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しかし・・・驚くほど値段が安い!

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食券売場で先に食券を買うのも大食堂ルールですね。

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店内は広く500席以上はあるでしょうか。天井も高く、開放的な空間です。

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マルカンビル(デパート)大食堂の看板メニュー

それは、こちら「ナポリカツ」です。

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チキンカツとナポリタン。ナポリタンはけっして付け合わせではなく、具もたっぷりのガッツリ主役級です。味はカツもスパゲティも見た目ほど油っぽくなく、パクパクいけました。学生時代を思い出します。

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食券をテーブルに置いて料理が運ばれるのを今か今かと待ちます。お店によっては食券が半券になっているのもありましたね。

マルカンビル(デパート)大食堂もうひとつの名物メニュー

その名も「マルカンラーメン!」

お店の名前が付いているんですからその自信のほどがうかがえます。

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味はピリ辛のあんかけラーメンで、クセになりそうな味です。麺は見えませんが、餡の下にたっぷり隠れていてかなりボリューミーでした。

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同行したTさんが食べたのはカツカレーです。これも旨そうだった~。

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ウエイトレスさんもレトロな制服で味わい深いです。ホント、まるで映画を観ているようでした。

マルカンビル(デパート)大食堂 窓からの風景

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窓からの景色がこちらの絶景です。実は復活する際、「別の場所に移転して再オープンしてはどうか?」という声もあったようです。しかし家守舎の小友社長は「この場所にあり、この景色があるからこそマルカン大食堂なんです」と仰って、同じ場所で再出発することを決めたそうです。(ウン、納得です)現在はビルの1階と大食堂のある6階だけ営業しており、耐震問題解決にも動いておられるそうです。また再オープンの際には一旦は退職した従業員に声をかけて再雇用し、内装も備品もできるだけ以前と同じものにするよう意識したそうです。利用者にとってこれほどありがたいことはないですね。

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「しばらくこの空間に浸っていたい・・・」、そう思いました。

念願のマルカンビル大食堂に訪れることができました。写真を見ていただければ感じられると思いますので、余計な説明は不要だと思いますが、ひとことで言えばマルカンビル大食堂の魅力は「居心地の良さ」ではないかと思います。料理ももちろんですが、マルカンビル、食堂入口、ショーケース、食券売り場、テーブル、椅子、ウエイトレスさん、窓からの景色、大食堂が大好きで訪れるお客さん、復活を果たす為に奔走した人々とその物語、それらすべてが「居心地の良い空間」になっているように感じます。どうかこのまま10年、20年と歴史を重ねていってもらいたいと思いました。私も必ずまた来ますよ、この心地よくてキュンとする気持ちを味わうために!

【マルカンビル6F 大食堂】
住所:岩手県花巻市上町6-2 マルカンビル6F
営業時間:11:00~18:30(ラストオーダー18:00)
定休日:水曜日

→シンジーノの故郷 広島県三次市にもあった!ああ懐かしい、昭和レトロの「レストランV」 かかっているBGMはなんと・・・

>>>"超"昭和レトロなレストラン!広島県三次プラザの「レストランV」

おまけ

マルカンビルから徒歩1分のところに「賢治の広場」という休憩サロンがあります。

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ここでの人気は、賢治のマントを着て、トランクを持って写真を撮ることだそうです。宮沢賢治さんが愛した町、岩手県花巻に何かを探しに行ってみませんか?

【賢治の広場】
所在地:岩手県花巻市上町3-4
利用時間:8:30~18:30
定休日:毎週水曜日 12/29~1/3

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シンジーノ

3人娘の父で、最近は山歩きにハマっているシンジーノです。私は「お客さまが”笑顔”で買いに来られる商品」を扱う仕事がしたいと思い、旅行会社に入って二十数年。今はその経験を元にできるだけ多くの人に旅の魅力を伝えたいと“たびこふれ”の編集局にいます。旅はカタチには残りませんが、生涯忘れられない宝物を心の中に残してくれます。このブログを通じて、人生を豊かに彩るパワーを秘めた旅の素晴らしさをお伝えしていきたいと思います。

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