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本当に変な人の服は、普通。

今日はものすごいくだらない内容を書きます。

外見は鏡だと思います。何の鏡か。「歳をとると顔に出るよね」というのは生き様の話。表情に出るのはその人の覚悟。服装はその人の見られたい姿であり、願望そのものと感じます。

本当に変な人ほど、普通の服を着ています。これを私がいうと皆が驚きますが、事実です。何故なのか。簡単です。服装はその人の人となりではなく「どう見られたいか」の願望だからです。

白ふちのメガネをしている人が「変わっているね」と言われて嬉しそうにしているのを私は何度か見ました。全身赤いスーツでキメたクリエイターはご自身が「変わってますね」と言われているのを満足げに受け取っていました。ある特徴的な髪型のクリエイターは「この髪型にしてるとみんなからいじられるんだよね」と自白していました。

変わっているという表現を「個性がある」と捉えるならば、自分の個性に注目されたい人にとっては褒め言葉になるでしょう。特にクリエイターにとって「個性」は武器です。個性に自信が無い場合に、変な格好をしたり飛び道具を使ったりして、服で個性を補強したい気持ちも分かります。ただ私の経験上、派手な服着て「変わってるね」と言われているうちは、あなたはまだまだ普通です。

私の身近な人で、私が最も「変わっている」と認定している人は、小綺麗で普通っぽい格好をしています。決して目立たない。その人はユニクロの日もあります。服に頼っていないのです。頼っていないどころか、無地の無難な服で普通の人っぽく擬態しています。おかげで、知り合って7年くらい経ってから、本当に変わっている人なんだと気づきました。

本当に変わっている人は、自分が変わっているという自己認識があります。この方たちは、物心ついた頃から自分の個性と上手に付き合ってきています。ときに個性を出したり、時に隠したり。こういった人たちには、当たり前のように振る舞ったら実は周りとズレていて急いで本当の自分を隠したみたいな経験もあると推測できます。

三つのポイントがあります。一つ目は、本当に変わった人は、自分の個性を自分で理解している。二つ目は、自分で理解しているので人からの「変わっているね」の意見は必要としない。三つ目は、人からの「変わっているね」が必要ないから服は普通で良い。

本当に変わっている人は自分のなかに世界を持っています。人から「変わっているね」なんて言われたくないのかもしれません。人に変わっていると思われようが思われまいがどっちでも良い、そんな風に見えます。そういう人は、変わっている方向ではなく、普通なほう、普通なほうへと努力して擬態しています。目立たないように。「変わっている」と思われたほうがあとあとめんどくさいのです。社会不適合者とも言えるレベルで本当に変わっている人は、マジで普通の服を着ています。一周まわってあえてのユニクロ、です。

さて話は戻ります。本当のところを知りたい私たちの理想のリアクションは、この二つです。

まず、外見が変わっている人を見たら「変わっていますね」と突っ込む。これは礼儀といたしましょう。白いメガネ、ぶっといメガネ、丸メガネ、特徴的なヒゲ、モシャモシャの髪型、金髪、モヒカン、変な帽子、特徴的なネクタイ、蝶ネクタイ、奇抜な形の服、やたら派手な柄の服。外見が変わってる人は、本質的変わっている人ではなく「変わっていると言われたい人」です。何をためらうことがありましょうか。人を喜ばせるのは素敵なことです。またここには一定数、ビジネス文脈でのセルフブランディング勢もいます。戦略的金髪、戦略的短パン、戦略的ピンクのスーツ、戦略的全身タイツ。私の戦略的派手服もこの末席を汚しております。「変わっていますね」と言われるとその人たちは「しめしめ上手く印象づけるのに成功したぞ」と自分の戦略に自信をつけるかもしれません。ちなみにこの戦略的派手服勢を見極めるコツがあって、この人たちの仕事服は派手ですが、私服は地味です。何れにせよ、変わっていますねツッコミはみんな嬉しい。

次に、普通の人に擬態している「本質的変わっている人」を見つけ出す。未だこの正しい見極め方法は解明されていません。本当に変わっている人は巧妙に擬態しているので、それを見破るのは至難の業。割と怪しいのは全身黒っぽい格好をしている男女ですが、そうとも限りません。どうしましょうか。例えば「変わってるよね」と言ってみて嬉しそうにしなかったら、本当に変わっている人の可能性があります。逆に「意外と普通なところあるんだね」と揺さぶりをかけてみるのも良いかもしれません。

何れにせよ、どんなパターンにおいても、外見には思惑が投影されているとみて間違いないです。そう思って一人一人疑いの目で見てみると、隠れ本当に変わっている人を見つけられるかもしれませんね。だから何だ。お休みなさいませ。

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