ドリフターズ(6) 通常版: YKコミックス (ヤングキングコミックス)

著者 :
  • 少年画報社
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784785963446

感想・レビュー・書評

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  • 最高だった。

    冒頭、紫が言う「さだめなどない」という台詞が全体を貫いている。それは生前最期の役割を、自らの宿命なのだとして再び繰り返そうとする豊久を諌める台詞なわけだが、また一方「駒」であることを辞めつつあり、与えられた使命より自らの生き様を選ぼうとする土方を指す台詞でもある。もっと言えば、化物と対比する形で「ただの人間」たちが自らの意思に基づいて戦い、生き抜いていく様を描く、『HELLSING』にも通ずる平野漫画の哲学でもある。いい。これは人間の漫画だ。人間が「生きる」漫画だ。だから豊久はここで死んではいけない。

    黒王軍との大きな衝突ということで、魅せる画が多くて平野節をたっぷりと味わえた点でも最高だった。攻めてくる黒王軍が初めて目に入ったときの見開きと、豊久が関ヶ原と同様しんがりを務めたところで現れる、「ドリフターズ」のタイトルコールが入った見開きが今回のベストページ。

  • 紫はいいこと言うね、「さだめなどない、思考を自動化するな」と。
    普通主人公が殉じようとしてるときには出てこないセリフよな。
    ドラゴンに乗ったり、なんか最後に波乱があったりと楽しい巻である。

  • 決戦、そして死戦の関ケ原。天下分け目の戦の決め手は、やはりなぞったかのような寝返りでした。
    さぁ、再びの捨てがまり。
    行く前の豊久のアオリがべらぼうによい。
    「百代末まで童が語るど」「ゆかいな村祭りなんぞできるど」

    煌びやかな装束や勲章がほしいのでなく、ただただ語り継がれるものになれればいい。村祭りで踊り語り継がれても、本当の豊久たちの姿は消え去っているだろうけど、そこにいたということが残れば。それが誉れである。

    おお、かっこいいな。

    自分自身が納得する死に様は、すなわち生き様。それを求めて戦い続けた土方の前で、とことん披露する豊久。
    廃棄物になった根源を無遠慮についてくるからには、どうすべきか。豊久殺しても、虚脱するだけな気がする。

    覚醒というか、復活するハンニバルと、戦場へ突入する菅野。
    関ケ原じゃなかった、マモン間原の戦の終わりは、何の始まりになるんだろうねぇ。

  • 文句なしに面白いんだが、6巻が出たのが2018年11月で、来月に7巻が出ると。なんだこの発刊のペース。続きが気になるのに。

  • 豊久と信長と与一の関係が好き過ぎるのでうっかり泣いてしまった第6巻。

    お豊がドラゴンを自分のモノにする辺りまで笑ってたんですけどね……信のために命捨てようと思ってたんだねと思うと泣けてきた……
    ハンニバルの目を覚まさせるシーンとかホントたまらん。
    てかハンニバルのじーちゃんとドワーフのおっちゃん達がお豊の事を坊って呼ぶのが可愛がってる感じがして好きだったんや…ドワーフ大好きよ…涙無しには…

    ところでそんな豊の命を拾って帰ってくれそうな土方さんには期待しかありません。
    さくっとドリフに寝返って豊久と仲良く殴り合う毎日を過ごそうよ土方さんきっと幸せになれるよ。

    ラスト直ー!続き早く出して下さい…!!

  •  ついに始まる大戦、おそらくはその緒戦だろう一戦が収録された6巻である。
     関ケ原に近似した決戦地を前に、紫の危惧をよそに再び捨てがまらんと覚悟を決めた豊久。彼の壮絶な死戦がいかなる結果を生み出すのかは、次巻に譲ることとなる。

     それにしても、さすがは平野耕太と言わんばかりの戦争模様である。前半の互した戦いぶりと、後半の戦略面で叩き潰される物語は素晴らしく展開している。
     そして、その中で、敵の戦略目標を壊す特攻の凄まじさ、それゆえに心をかき乱される先軍大将の混乱は激しくエモーショナルである。
     この地に集う新選組がいかなる選択を取り、どんな結果をつかみ取るかは、着々と仕込みが進むローマ・カルタゴ組の躍進とともに期待を持って待ちたいところだ。

     文句なしに星五つの素晴らしい一巻である。
     刊行ペースを除けば、言うべきことは一つもない。

  • お豊のさぱっとした捨てがまりには胸が痛くなってしまう。苦しい。

  • 防衛戦。
    ここにきて豊久の精神性を問われる展開になる。
    功名餓鬼と自称するが、かつてとは違い立場的にも味方の精神的支柱としても大きい存在になった以上、自爆を選ぶ「思考停止」は間違いだというのが「魂を自動化するな」という言葉なんだろう。

    計算しているのかどうかはわからないが、ほぼ一巻ごとにシークエンスが切り替わってるような構成なのはちょうどいいテンポで読みやすいなぁと改めて思った。

  • 相変わらず、作品が発する熱量がすごい。

  • 本当に禍々しい敵が上手い。戦場の緊張感がやばい。台詞回しも絵もかっこいい。
    光秀と信長とか、義経と与一とか、因縁的なのもワクワクしてたまらない。

    豊の負ける気ないけど負けたらごめんの、しくじってないの、「であるか」とは何じゃだの、実に気持ち良い武者っぷりがかっこよくて。なんだろう、死に急いでいる、独特の死生観がなんかすごく魅力的だよね。
    切腹したいって言ったり、断られたらそれはそれで合戦だから仕方ない、みたいな。
    そんな豊に対する信と与一の立ち位置もすごくいい。全部かっこいい。

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