今回の世界マスターズ陸上では、世界記録で優勝するのが至上命題だった。金メダルと日本記録は獲得したものの、世界記録は0.35秒の差で実現しなかった。
「優勝はしたけれど、レース後はまったく喜べなくて涙がポロポロとこぼれました」
武井さんは2013年から定期的にマスターズに参加、2015年にはすでに金メダルを獲得している。”自分史上最高”を日々更新することを目標に生きる武井さんにとって、悔しさはひとしおだった。
気持ちが収まらない武井さんは急遽10月末の国際大会に出ることを決めた。
「今度こそ、リベンジです」
しかし、それにつけても45歳でこの体。どうしてここまで自分を追い込むことができるのだろう。
「ストイックだと言われるけど、そうじゃない。努力した以上の対価を得られるからこそがんばれているんです。多くの人の応援が僕のスポーツに価値を与えてくれる。メダルのためだけではなく、支えてくれた人たちに可能性を感じてもらいたいんです」
PROFILE:
武井 壮 タレント・アスリート
1973年生まれ。学業優秀で中学、高校の6年間、学年トップの座を守った。大学入学後、陸上競技を始め、競技歴2年半で十種競技の日本チャンピオンにのぼりつめる。ピエール瀧に見出され、芸能界デビュー。