Lion Roars

武井壮の世界一悔しい世界一──世界マスターズ陸上 4×100メートル優勝!

世界マスターズのリレーで金メダルを射止めた武井壮は開口一番、悔しさしかないといった。 文・Kei Takegawa 写真・Eric Micotto スタイリング・Akihiro Mizumoto
武井壮の世界一悔しい世界一──世界マスターズ陸上 4×100メートル優勝!
コート ¥580,000〈ETRO/エトロ ジャパン TEL 03-3406-2655〉 パンツ スタイリスト私物

今回の世界マスターズ陸上では、世界記録で優勝するのが至上命題だった。金メダルと日本記録は獲得したものの、世界記録は0.35秒の差で実現しなかった。

「優勝はしたけれど、レース後はまったく喜べなくて涙がポロポロとこぼれました」

武井さんは2013年から定期的にマスターズに参加、2015年にはすでに金メダルを獲得している。”自分史上最高”を日々更新することを目標に生きる武井さんにとって、悔しさはひとしおだった。

気持ちが収まらない武井さんは急遽10月末の国際大会に出ることを決めた。

「今度こそ、リベンジです」

しかし、それにつけても45歳でこの体。どうしてここまで自分を追い込むことができるのだろう。

「ストイックだと言われるけど、そうじゃない。努力した以上の対価を得られるからこそがんばれているんです。多くの人の応援が僕のスポーツに価値を与えてくれる。メダルのためだけではなく、支えてくれた人たちに可能性を感じてもらいたいんです」

PROFILE:
武井 壮
タレント・アスリート
1973年生まれ。学業優秀で中学、高校の6年間、学年トップの座を守った。大学入学後、陸上競技を始め、競技歴2年半で十種競技の日本チャンピオンにのぼりつめる。ピエール瀧に見出され、芸能界デビュー。