【eco最前線を聞く】三井物産 地域新電力の収益元手に地域振興へ (1/3ページ)

 □三井物産プロジェクト本部・国内プロジェクト開発部第三営業室長の森岡寿夫氏に聞く

 三井物産と熊本県荒尾市、新電力のグローバルエンジニアリング(福岡市)は昨年、エネルギーの地産地消などを目指す連携協定を結び、民間2社による折半出資で地域新電力の「有明エナジー」を設立した。9月からまず市内の26公共施設への電力供給を開始したが、再生可能エネルギーの地産地消や、その収益を電気自動車(EV)普及に向けたインフラ整備などエコシティーづくりに生かし、地域振興につなげたい考え。少子高齢化や地域の課題解決に商社の総合力をどう生かしていくかが注目される。

三井物産がソフトバンクグループのSBエナジーと共同運営する荒尾市の大規模太陽光発電所(メガソーラー)

三井物産がソフトバンクグループのSBエナジーと共同運営する荒尾市の大規模太陽光発電所(メガソーラー)

 --地域新電力参入のきっかけは

 「これからは、電力の作り手の目線ではなく、必要な人に必要な電気をどう供給するかの需要家目線が重要になる。小売り事業者として、人件費削減など工夫次第で、電力料金を下げられる余地があると判断した。ただ、地産地消による電力事業にとどまらない。地域新電力の収益を元手に商社の総合力を生かし、環境にやさしいスマートシティーづくりで地域に貢献する」

 再生エネを地産地消

 --荒尾市と連携協定を結んだ背景は

 「いくつか自治体を回ったが、荒尾市は、旧三井物産が手掛けた三井三池炭鉱(1997年に閉山)の石炭の坑口があり、縁は深い。加えて、三井物産はソフトバンクグループのSBエナジーと共同運営する同市の大規模太陽光発電所(メガソーラー)も手掛けており、まずは再生エネへのシフトを共同で進めようということで意見が一致した。再生エネへの意識が高く、太陽光発電やバイオマス発電などの立地が進んでいる」

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