【ルカクが語る壮絶な過去】「ずっと言いたかったことがある」

       
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編集部 A

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アメリカの大学に編入するもサッカーへの愛を忘れられず、どうせ英語を学ぶならイギリスの大学へ行けばよかったとちょっぴり後悔している20代。現在は卒業して東京で絶賛就職活動中。

ワールドカップで日本とも対戦したベルギー代表の躍進を支え、

 

プレミアリーグファンのみならず世界中のサッカーファンに名を轟かせた

 

マンチェスター・ユナイテッドFWロメル・ルカク。

強さと速さを兼ね備える圧倒的なフィジカルと両足でも頭でも決められる得点能力から、

 

現在では世界最高のストライカーの1人にも挙げられる彼本人が

 

6月に公開されたThe Players’ Tribuneで綴っていたのは想像を絶する過去だった。

 

「ずっと言いたかったことがある」

当時6歳だった僕は、学校の昼休みに昼食をとるために家へ帰っていた。母さんは毎日同じメニュー、パンと牛乳を用意していた。子供の頃はそんなこと考えないだろうけど、僕はそうやってやりくりしていたことを知っていたんだ。

 

その日家に帰って台所へ向かった僕が目撃したのは、冷蔵庫の前で牛乳パックを持っている母さんだった。

 

いつものようだった。

 

でも、このとき母さんは何かをそこに混ぜていて、それを振っていたんだ。

 

想像できるかい?

 

僕には何が起こっているのか分からなかった。そうして昼食を運んできた母さんは、何もかも上手くいっているかのように微笑んでいた。

 

でも、僕はすぐに何が起こっていたのかを悟ったんだ。

 

母さんは牛乳に水を混ぜていた。

 

 

こう始まったルカクの独白は、想像を絶するものだった。

 

金銭的に苦しい家庭環境で育ち、

 

毎日の食事にも苦しむ。

 

時には

 

「このガキは何歳だ?身分証明書はどこだ?どこから来た?」

 

などと、

 

人種差別的な言葉も投げかけられ

 

 

今の世界最高峰のストライカー

 

 

というイメージからは、大きくかけ離れた厳しい環境で育ったようだ。

 

 

また、我々は16歳にルカクがプロデビューした事実から

 

 

「きっと順風満帆なキャリアだったのだろう」

 

 

と想像するが、実情は全く異なるようだ。

 

 

「約束します。僕を出場させてくれれば12月までに25点決めますよ」

 

「さあ賭けて下さい」

 

「いいだろう。でも12月までに25点決めなかったら、お前はベンチ送りだ」

 

 

などと、コーチと賭けに出ながらも、

 

 

確実に結果を残し、

 

 

本人目線では「突然」「幸運にも」プロとしての出場機会を得たようだ。

 

 

結果を残すようになった今でも、時には人種差別的な批判を受けることもある

 

 

上手くいっているときに新聞を読むと、彼らは僕のことをベルギー人のストライカー、ロメル・ルカクと呼んでいた。

 

 

上手くいっていないときは、彼らはコンゴ系ベルギー人のストライカー、ロメル・ルカクと呼んでいた。

 

という告白が、その苦しさを物語っている。

 

それでも幼少時代は、

 

チャンピオンズリーグやプレミアリーグなんてろくに見られない環境だったようだが

 

 

今ではトップクラスの選手と対戦し、往年の名選手(ベルギー代表でのティエリ・アンリなど)たちと、選手コーチという関係で仕事をしている。

 

 

そこに誇りと喜びも感じているようだ。

 

 

本人としては、「母を頼む」と、貧困から抜け出せないまま亡くなった祖父に、

 

 

今のこの幸せを見せたかったと心に後悔を残しているようだ。

 

天国から彼の祖父も、微笑みながら孫の活躍を見ていることを

 

願うばかりだ。

 

(原文:The Players’ Tribune

 

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【了】

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