これはOKなの…? サッカー観戦アプリがユーザーのマイクを使って違法配信者を割り出そうとしていた

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  • author 岩田リョウコ
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これはOKなの…? サッカー観戦アプリがユーザーのマイクを使って違法配信者を割り出そうとしていた
Image: La Liga

今まではOKだったけど…。

6月14日に開幕したFIFAワールドカップ。テレビで放映されない国の試合も見たいサッカーファンは、アプリをダウンロードしたりと視聴方法を模索中かもしれません。しかし、こんなニュースが。

つい先日、スペインの人気サッカーチームの公式アプリ「La Liga」がユーザーのスマホのマイクやGPSを利用して、バーやレストランで違法放送がされていないか検知していると報じられたのです。

La Ligaによると、こういった違法な放送による被害額は約1億5000万ユーロにものぼるそう。このアプリがオンになっていると、ユーザーのマイクを使用して周りで放送されている試合が不正な試合放送かどうかを検知することができる仕組み。また、オーディオ録音はコード化されていてデータはローカルで残されていないためユーザーの個人情報は守られているとLa Ligaは説明しています。

La Ligaアプリは、ダウンロード時に一般的な利用規約の承諾と、ユーザーのマイクとGPSの使用承諾を求めます。一見問題ないように見えるこの探り行動ですが…実は新しいEU一般データ保護規則(GDPR)に抵触する可能性を指摘されています。

GDPRはユーザーの同意を得る適切な方法をガイドライン化していて、読み飛ばされるような利用規約=きちんと同意を得ていないとしているんです。

同意を探るとき、コントローラー(編注:許諾を得て取得したデータの管理者)はすべての場合において明確ではっきりした言葉を用いてることを保証すべきである。これは、法律家だけでなく一般の人でも簡単に理解できるメッセージということを意味している。コントローラーは理解しにくい長いプライバシーポリシーや法律専門用語に満ちた宣言を用いることはできない。同意は明確でなければならないとともに、ほかの事項から区別でき、はっきりしていて簡単にアクセスできる形態で提供されなければならない。この要件が本質的に意味するのは、同意するか否かを情報を得たうえで決断するのに関連する情報が、約款の中に隠されてはいけないということである。

ユーザーの承諾を得てたうえでマイクを使用している形ですが、ユーザー側はあまりしっかり読まずにこの手の許諾に「OK」と押してしまっている場合が多いですよね。

違法放送で被害を受けているのはかわいそうですけど…。



Image: La Liga
Source: Eldiario.es, European Comission

Sam Rutherford - Gizmodo US[原文
(岩田リョウコ)