YOUNG at HEART ♥ : ATSUSHI YANAKA

谷中 敦「ファッションと音楽は相思相愛」──若き心の七人のサムライ紳士⑤

年齢を重ねるごとに深みを増して輝く男たち。装いやキャリアだけでなく、生き方や思想、立ち居振る舞いに滲み出る人としての輝きがぼくらを惹きつける。そんな若き心をもつ紳士たちの5人目に谷中敦の言葉を。 写真・操上和美 スタイリング・祐真朋樹 文・Takeshi Sato ヘアメイク・Takakusagi Go
谷中 敦「ファッションと音楽は相思相愛」──若き心の七人のサムライ紳士⑤

ATSUSHI YANAKA
谷中 敦

1966年、東京都生まれ。1989年のデビュー当初から東京スカパラダイスオーケストラに参加。バリトンサックスのほか、ボーカルも担当する。作詞も行いアーティストに歌詞を提供するほか、俳優としても活躍するなど、才能は多彩。尊敬するミュージシャンはフランク・ザッパ。

ファッションと音楽は相思相愛

いかにもミュージシャンらしい雰囲気のミュージシャンは、ファッションへの愛を隠さない。

谷中敦さんのかつての名言に、「音楽はファッションのことが好きで、ファッションは音楽を愛している」というものがある。この言葉を、もう少し噛み砕いて解説していただく。

「たとえばドアーズのジム・モリソンは革パンをはいていて、いま見るとむっちゃブ厚い革パンではきにくそうだったりするんだけど、ああいうものと音楽が一緒になって自分の中に入ってきたんです。洋服を作る友人も沢山いるんですが、ほとんどが音楽ファン。音楽とファッションは、互いにインスピレーションを与え合う仲だという気がしてます」

谷中さんは最近、若いミュージシャンが再びお洒落に意識的になっていると感じている。

「一時期、Tシャツとジーパンが格好いい、格好つけすぎないのが格好いいみたいな雰囲気がありました。その揺り戻しかはわからないけれど、[Alexandros]とか04 Limited Sazabysとか、30代前半ぐらいの世代かな、お洒落ですよね」

高校生でDCブランドのブームの洗礼を受け、古着屋とマルイをうろついていたという谷中さんの目には、ミュージシャンがお洒落になっていることが好ましく映る。

「ファッションデザイナーが若手のアーティストの影響を受けて洋服を作って、それをフェスで発表するのなんていいと思うな。音とファッションが一体になって、ファンのコたちに届く音楽とファッションの交流ができて、血の巡りがよくなる」

本日のコーディネイトについては、「最高です! 自分では着ない服のコーディネイトで、ヤングな心で跳ねさせていただきました」。

ご自身の普段の着こなしについては、「音楽を感じさせる服装、どういう音楽を聴いているかがわかる服装が好き」とのことで、やはり谷中さんの中で音楽と洋服は、分かちがたく結びついているのだ。

"ドアーズの音楽とジム・モリソンの革パンはひとつになって入ってきた"

SUKEZANE’s NOTE
祐真朋樹のひと言

ステージとは違う彼の姿をイメージしました

「谷中さんに会うと、僕はいつもアル・パチーノを思い出します。それも『スケアクロウ』のアル・パチーノを。ということで、今回はステラ マッカートニー メンズウエアで若き日のアル・パチーノになって頂きました。想像以上に似合ってる!」 コート ¥259,000、ニット ¥92,000、シャツ ¥45,000、パンツ ¥72,000〈すべてSTELLA McCARTNEY MENSWEAR/ステラ マッカートニー ジャパン ☎03-6427-3507〉