新版 科学者の目 (単行本図書)

著者 :
  • 童心社
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本棚登録 : 168
感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (199ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784494020577

作品紹介・あらすじ

科学技術史に偉大な足跡をのこした41人の発想や着眼点のユニークさを、工学博士・技術士としての視点からわかりやすく描いた人物伝。1979年刊行の本書は、子どもたちに科学への興味と科学者への憧れを抱かせる本として、多くの読者の心に残る作品でした。昨年亡くなられたかこさとし先生の作品群の中でも特別な輝きを放つ一冊です。巻末の科学技術史略年表を更新し、ご長女鈴木万里さんのあとがきを掲載して待望の復刊です。

感想・レビュー・書評

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  • かこさとしさんが一九六九年十一月から約一年ほど朝日新聞日曜版の子ども欄に連載していた、四十一人の科学者の伝記集。
    このかこさとしの語る伝記はやっぱりかこさとしが語っているところに意味があって、想定読者である少年少女たちに向かって「君たちも考えてみてくれたまえ」などと語りかけてくる調子もすてきだし、対象の科学者たちのことを無駄にまつりあげたり、変に感動物語にしたてあげたりすることをせずに、冷静に、成し遂げた業績や伝わっている人となりを紹介する姿勢は、よくある子ども向けの偉人伝記まんがとはひと味違う(もちろんあれはあれでわかりやすくて勉強になるけれど)。

  • 技術者であるかこさとしさんが、これまでの科学技術を発展させた人たちの生涯、科学への眼差しを、1人あたりほんの見開き4ページほどで語り尽くす。

    少年少女向けの本だが、大人が読んでもためになる本質を学べる。

    読んでいて共通するのは、どの科学者も、まだ見えない何か(物質、法則、方法)を、見つけようと探していたことだ。
    彼らは結果的には粘り強かった、と評されるのだろうが、彼らの頭の中には、すでにそれがあったので、きっと辛くも楽しい山頂までの道のりだったのではないか。

    もう一つ、この本が感じさせるのは、かこさとしさん自身が子供達へ向ける、優しい導きの眼差しだ。それは、人類を進歩させる導きの杖だ。

  • 『#科学者の目』

    ほぼ日書評 Day656

    ナウマン象の名付け親って、ご存知だろうか?
    エドムント・ナウマン氏、明治8年に来日した所謂「明治政府のお抱え学者」さんなのだが、東京開成学校でも教鞭を取られていたという。
    そして、ナウマン象の「発見」もさりながら、日本を旅する中で、最初に「フォッサ・マグナ」に関する論文を出された方でもある。

    そんな偉人たちの業績を、「絵本作家」として知られる"かこさとし"さんが、1969年末から1年間、新聞日曜版のコラムで青少年向けとして連載したものをまとめた一冊。ただ、子供向けと侮るなかれ。「絵本作家」であると同時に、工学博士でもあった著者が持つ、学識と表現力が遺憾なく発揮される内容となっている。

    本題からは逸れるが、その当時、「ハイジャック」という言葉がまだ無かった(日本では一般的でなかった)らしく、連載中に起きた「よど号事件」(これ自体、今日では解説を要するのかもしれないが)の犯人たちを「空賊」(山賊、海賊になぞらえて)と呼んでいる等、時折、時代を感じさせる表現もあるが、やはり本質をつく文章の寿命の長いことをあらためて感じさせられる一冊だ。

    にしても、メンデル、アボカドロといった、中学教科書にも名前が乗るであろう大家が、存命中は、その功績が認められていなかったとは、恥ずかしながら、本書を読んで初めて得た知見である。

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  • コペルニクス、パスツール、ノーベル、メンデル、エジソン…そんな科学の偉人たちの仕事や生涯、そしてどんな「目」を持って世界を見つめていたかを、子供にもわかりやすく解説してくれる一冊です。著者は、かがく絵本でおなじみの絵本作家・かこさとしさん。きっと科学が好きになってしまうような本です。

  • 九州産業大学図書館 蔵書検索(OPAC)へ↓
    https://leaf.kyusan-u.ac.jp/opac/volume/1334716

  • 大人が読んでもおもしろい。
    って当たり前の話で、子どもの方が本当におもしろいものを見抜く目っていうのは鋭いもんな。
    だから子どもを相手にし続け、かつ子どもを対象に書かれたこのかこさとし氏のエッセイを大人が読んでおもしろいのは当たり前なのである。

    ぜひ子どものうちに出会いたい本だと思う。

  • 「人物伝」と「絵本作家」「児童文学」つながり。
    内容:絵本作家・児童文学者である、かこさとしさんは、工学博士・技術士でもある。科学技術史に偉大な足跡をのこした41人の発想や着眼点のユニークさを、工学博士・技術士としての視点からわかりやすく描いた人物伝。

  • サラリーマン時代の’64に朝日新聞児童面に毎週連載。イラストも筆者。児童相手でも手抜きせず、二千字の最大限で功績を伝え人間的魅力に迫る。ハーシェルはドイツから兄妹で移住してきた音楽屋だったが、手製の反射望遠鏡で数々の発見、なかんずく新惑星天王星を発見、貴族に叙せられた…ほか英国がパックスブリテン=名誉ある孤立を揚言した19世紀以降で多く米国は20世紀後半/ガリレイやラボアジエやニュートンなど最重要が外れているが、20世紀代表のアインシュタインで締めくくり「1945核実験に成功」と非人道的虐殺にふれない見識

  • 2019.12.16

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著者プロフィール

かこさとし:1926年福井県武生市(現越前市)生まれ。大学卒業後、民間企業の研究所に勤務しながらセツルメント運動、児童会活動に従事。1973年退社後、作家活動、児童文化の研究、大学講師などに従事。作品は500点以上。代表作として「からすのパンやさん」「どろぼうがっこう」(偕成社)「だるまちゃん」のシリーズ(福音館書店)、「こどもの行事しぜんと生活」シリーズ(小峰書店)などがある。

「2021年 『かこさとしと紙芝居』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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