(独自)共産市議が役所内で「赤旗」集金、法に抵触か 滋賀・近江八幡

 滋賀県近江八幡市の複数の共産党市議が30年以上にわたり、市役所庁舎内で政党機関紙「しんぶん赤旗」の配達や集金を行うため、執務中の職員のもとを訪れていたことが27日、関係者への取材で分かった。市は職員による庁舎内での個人的な物品の購入が、地方公務員法に抵触する恐れがあるとみている。

 関係者によると、市の複数の幹部職員が庁舎内で市議の勧誘を受け、赤旗の購読契約を締結。市議らは職員の執務時間中に配達し、集金にも訪れていた。

 市は10月、執務時間中に職員が庁舎内で政党機関紙側の集金などに応じる行為は、地方公務員法上の職務専念義務違反に当たる恐れがあると判断。庁舎内での個人的な物品の購入は控えるよう全職員に通達した。

 市によると、庁舎管理規則で市の事業と関係のない物品の販売や宣伝、勧誘などの行為は市長の許可が必要と規定しているが、市議らは無許可だった。購読料の集金に訪れていた檜山秋彦市議(78)は産経新聞の取材に対し、「庁舎内で集金をしていたのは確かだ。30年以上は続いたと思う」と述べた上で、市の通達後に取りやめたことを明らかにした。ただ、購読中の職員数人への配達は続けているという。

 庁舎内での赤旗の集金や配達、勧誘などはこれまでに複数の自治体などで確認され、是正に向けた取り組みが進んでいる。

会員限定記事会員サービス詳細