FASHION

注目の最旬サステナ・シューズ4選──地球に優しい履き心地

素材の柔らかさやフィット感だけが問題ではない。現代の快適シューズには、サステイナブルなテクノロジーや背景のストーリーが求められる。ということで、4ブランドのサステナ・シューズを紹介する。
注目の最旬サステナ・シューズ4選──地球に優しい履き心地

2020年は、コンフォートシューズの概念が変わった年と記憶されるかもしれない。これまでは柔軟性や通気性、人間工学的な構造を追求した製品がほとんどだった。しかしこれからは、それらの長所に加えて精神的な充足までもたらしてくれる、サステイナブルな素材や生産背景というものが必須条件となりそうだ。たとえばファッション界のサステイナブル活動における先駆者といえるステラ・マッカートニー。自身がベジタリアンでもある彼女のコレクションは、レザーやファーを一切使用しないばかりか、環境負荷の高い原材料を使用しないもの作りのための技術革新にも積極的だ。当然、そのシューズもエコでエシカル。そしてスタイリッシュだ。

カニエ・ウェスト率いるYEEZY出身のサラ・ハラミーヨとパートナーのアリス・ワンによって設立されたばかりのILYSMも、クルエルティフリーにこだわり、最先端のデザインやテクノロジーのメリットを誰に気兼ねすることもなく堪能することができる。またITの聖地シリコンバレーで人気に火が付き、「世界一快適なシューズ」(『TIME』誌)とも讃えられるオールバーズは、メリノウールやユーカリの木の繊維などの天然由来素材を使用。環境意識の高い米俳優レオナルド・ディカプリオが投資していることからも、その取り組みが本物であることがわかるだろう。さらにスペインからは、フィッシングネットやコーヒー、ペットボトル、タイヤなどの廃棄物を再生したオリジナルファブリックの開発から手掛けるエコアルフが日本上陸した。

これからの時代、自分以外の誰かや未来の世代に負担を押し付けるファッションを心の底から楽しむことはできなくなるだろう。地球に優しい履き心地こそ、コンフォートシューズに求められるものとなっているのだ。

Maciej Kucia

STELLA McCARTNEY MENSWEAR ¥64,000

再生可能な素材のみを使用した「ループ」シリーズの新作。環境負荷の大きい接着剤を一切使用せず、アッパーとソールは特殊なフックとステッチで結合する。〈ステラ マッカートニー ジャパン〉

Maciej Kucia

ILYSM $98.00

日本の足袋をモチーフとしたソックタイプのニットアッパーを採用した「PITCH TABI」。ニットはリサイクル可能なポリエステル、ビスコース、シルクの混紡素材。〈ILYSM.COM〉

Maciej Kucia

ALLBIRDS ¥12,500

シグネチャーモデルである「ウールランナー」。アッパーには最高級のメリノウール、シューレースには再生ポリエステル、インソールにはひまし油を使用する。〈オールバーズ原宿〉

Maciej Kucia

ECOALF ¥16,000

海洋ゴミのペットボトルを再生した素材や、ファイロン素材に海藻成分を配合して整形したソールなど、オリジナルのリサイクル素材を使用。〈SANYO SHOKAIカスタマーサポート〉

Photos マチェイ・クチア Maciej Kucia@AVGVST

Styling Codan / Words 飴李花 america