Google、Chromeブラウザでの劣悪広告ブロック開始、仕組みを説明
Chromeブラウザでの劣悪広告ブロックがバージョン64へのアップデートでスタートした。「Better Ads Standard」を満たさない広告を掲載するWebサイトには改善通告し、30日以内に改善しないと、そのサイトのすべての広告をブロックする。
米Googleは2月14日(現地時間)、15日のChromeブラウザのアップデートで、予告通り一定水準に達しない広告を自動的にブロックする対策を開始すると発表した。
“一定の水準”とは、同社が米Facebookやネット広告業界団体Interactive Advertising Bureau(IAB)などと共に2016年9月に設立したオンライン広告改善団体「The Coalition for Better Ads」が策定する広告基準「Better Ads Standard」のことで、例えば、ページを開くと自動的に音声付きで再生される動画広告や、ポップアップする広告だ。
Googleは、「広告体験の問題のほとんどは広告自体よりもWebサイトオーナーが制御するもの」だとし、ページが開く前に全面に表示されて一定時間のカウントダウンが終わらないと目的のページが表示されない「prestitial ads」やモバイルで画面の30%以上を占める大きな広告などの基準に満たない広告を表示するWebサイトのオーナーに対し、改善するよう通告しているという。
通告から30日経っても改善しないWebサイトについては、すべての広告をブロックする。AdSenseやDoubleClickなど、Googleの広告ネットワークの広告も例外ではない。
2月12日段階で、それまでに通告したWebサイトの42%が改善したとしている。
基準に満たない広告をまだ掲載しているWebサイトを開くと、下図のように広告がブロックされていることを示すポップアップが表示され、ユーザーは広告表示を選択することもできる。
多くのWebサイトは広告を掲載することで読者に無料でコンテンツを提供しているため、すべての広告をブロックすることは読者にとっても、Webサイトオーナーにとっても得策ではない。Googleは、この取り組みにより、読者とWebサイト、広告主の三者にとって最善のWeb体験を目指すとしている。
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