ライフスタイル&カルチャー誌、デイズド(Dazed)は、9月にWebサイトのリニューアルを行った。目的は記事の読者を増やすこと、ネイティブアドを目につきやすくすること、そしてより効果的な少数の広告に絞り込むことだ。
ライフスタイル&カルチャー誌、デイズド(Dazed)は、9月にWebサイトのリニューアルを行った。目的は記事の読者を増やすこと、ネイティブアドを目につきやすくすること、そしてより効果的な少数の広告に絞り込むことだ。
同社によると、このリニューアルによってサイトの滞在時間は21%の伸びを記録した。これを時間にすると2分19秒となる。記事のページは、以前のサイトの動作をもとに3件の関連記事と1本の広告を表示するように変更された。
先月、デイズドのサイト全体でネイティブアドは合計570万のインプレッションを記録。同社の記事は、たとえばアイウェアブランドのエース&テイト(Ace & Tate)の協賛でメンフィス市民のポートレート写真を紹介したテキストベースの記事などがある。このような記事はデイズドの編集チームが広告主と協力して作り上げている。デイズドによると、ホームページから記事にアクセスした読者(同社の推定で、トラフィック全体の約15%)がネイティブアドに割く時間は平均で7分ほどになるという。これはサイトのリニューアル前より2分ほど長い。
Advertisement
ネイティブアドを重視
同社にこうした変化をもたらしたのは、「広告のビューアビリティ(可視性)を上げてほしい」という、ネイティブアドを載せるクライアントによる要望だ。デイズドでデジタル部長を務めるブリジット・ミルス・パウエル氏によると、リニューアル以前のネイティブアドは、トップページのなかに埋もれてしまっていたという。以前のトップページはよく読まれている記事を随時フィードする形式だったためだ。
パブリッシャーは、読者をサイトにとどめておくことに熱心だ。実際、サイトの滞在時間は、広告主にとって閲覧数や再生数よりも魅力的な指標と見なされている。USAトゥデイ(USA Today)はサイトのリニューアルとパーソナライゼーションを行い、読者の記事ごとの滞在時間を75%伸ばすことに成功している。
ミルス・パウエル氏は、自社サイトのディスプレイ広告のオーバーホールの一環として、「インプレッションは良いがビューアビリティが悪い」ものを切り捨てたという。ネイティブアドからの収益は、現在のデイズドのデジタル収益の半分を占めている。残り半分はディスプレイ広告によるものだが、来年にはネイティブアドの収益が追い抜くだろうと同氏は予測している。デイズドはオーダーメイドのヘッダーも導入しており、エルメス(Hermès)やバレンシアガ(Balenciaga)、グッチ(Gucci)がキャンペーンを展開した。特にグッチのクリックスルー率(CTR)は1.66%となっており、業界平均の著しく低い0.35%(Google調べ)とは対照的だ。この結果、同社のビューアビリティは20%向上したという。
トップページの重要性
デイズドへのアクセスの大半はトップページを経由していないが、同サイトに関心の強いロイヤルカスタマーはトップページからアクセスしている。今回のリニューアルによって、同社のトップページにアクセスして記事を3本読んだ閲覧者数は34%、2本読んだ閲覧者数は43%増加した。デイズドはトラフィックの具体的な値については公開していない。
同社はサイトのリニューアルに際し、5人のメンバーからなる社内のチームを立ち上げ、2カ月ほどかけて完成させた。デイズドは今後数カ月にわたりA/Bテストを続け、それを通じてソーシャルメディアや検索など、アクセス元の情報に基づきコンテンツをパーソナライズすることも考えているという。
LUCINDA SOUTHERN(原文 / 訳:SI Japan)
Image: courtesy of Dazed via Facebook.