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小飼弾の論弾 #65「お金は、稼ぐより使う方がよっぽど難しい!」
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小飼弾の論弾 #65「お金は、稼ぐより使う方がよっぽど難しい!」

2018-01-04 07:00

    小飼弾の論弾 #65「お金は、稼ぐより使う方がよっぽど難しい!」

    「小飼弾の論弾」で進行を務める、編集者の山路達也です。
    11月27日(月)に配信した、ニコ生公式放送「小飼弾のニコ論壇時評」、および「小飼弾の論弾」の内容を数回に分けてお届けします。

    次回のニコ生配信は、2018年1月8日(月)20:00からになります。

    みなさん、良いお年を!

    2017/11/27配信のハイライト(その2)

    • マルクスも想定していなかったAIの存在
    • いろいろなお金の使い方をする人を集めておくことが大事
    • カネをばらまけば、人の知恵を搾り取れる
    • 急務なのは、税の一本化だ!
    • ベーシックインカムは社会主義ではなく究極の自己責任
    • 即時買い取りビジネスが大盛り上がり
    • 世の中には、金で解決できることがまだまだある
    • 知能による差別化が行われている現代
    • 少ないコストで「お金」を動かせるようになってきた
    • ZOZOSUITはブレークする?

    マルクスも想定していなかったAIの存在

    小飼弾の論弾 #64「会社の仕組みからわかる、「働いたら負け」は本当だ!」から続く)

    小飼:マルクスが想定していなかったというのは、やっぱりインテリジェントな機械の存在なんですよね。機械は存在していたし、そのオペレーターとしての人間という概念は彼の頭の中にあったんだけれども、AIは想定していなかったと思います。

    山路:しかし、ゴールドマン・サックスなんかでも、AIが取り引きをガンガンやっていくわけじゃないですか。

    小飼:そうなんですが、富が集中しっぱなしだと、結局、富を持っている人も運用できなくなるんですよ。

    山路:だれかが物を買ってくれるとか。つまり消費という活動で世の中にお金が回らないと意味がない。

    小飼:流れが生じないとダメなのね。その意味で、今はせっかくの資本主義をうまく生かし切れていない。

    山路:水が1カ所にたまって……。

    小飼:よどんじゃう。

    山路:みんなのところに流れていかないから、いい生態系にならないという。
     お金を貯めるのは、人間の本能なんですかね? 使うよりも、いっぱい持っていると安心する、そういう本能。

    小飼:それは人によってすごい差があると思いますよ。1日にiPhoneが1台買えるくらいガチャですっちゃう人というのはそんなに珍しくないですし。

    いろいろなお金の使い方をする人を集めておくことが大事

    小飼:いろんな使い方をする人をいっぱい集めておかないと、次はどんなものに金が流れていくのか判明するのに時間がかかるんです。

    山路:面白いですね。いろんな稼ぎ方をする人じゃなくて、いろんなお金の使い方をする人を集めておく必要があるのか。

    小飼:そうなんです。これだけ生きていれば嫌でもわかっちゃうんですけれども、お金は稼ぐより使うほうがよっぽど難しいから。

    山路:そのセリフは1回言ってみたいな(笑)。

    小飼:借金してでも使う人がいるから世の中は回っているんですよ。なんでソフトバンクの孫さんがあんなに借金しまくってるかって言ったら、孫さんくらいしかお金借りてくれないから(笑)。

    山路:兆円単位で投資する人はそうそういないですもんね。

    小飼:別の言い方をすると、孫さんはいっぱいお金を借りることによって、「世の中はこっちの方に進むだろう」、あるいは「こっちの方に進むべきだ」というのを加速しているという見方もできるわけです。使ってくれる人がいるから世の中がそっちの方に行くんですよ。
     iPhoneを買ってくれる人がいるからアプリもできて、アプリを買う人がいるからガチャもできて。ガチャをする人がいるから、ガチャアプリを作っている会社にお金も人も集まる。

    山路:パチンコのおかげで、アニメスタジオにカネが回って面白いアニメが見られたりしているところはありますしね。消費に善悪はないよと。いろいろな使い方があるだけで。

    小飼:というよりも、お金の流れが善悪を形作っていくんですよ。

    山路:世の中でお金がうまく流れた時に、「そのお金の使い方はいいもの」って社会が認知するようになるってことですか。

    小飼:そういうことですね。いくらお金が集まっても、「ヤバい」とみんなが感じれば、使いにくくされちゃいますよね? いろいろな法が作られたり、規制がかけられたり。

    山路:じゃあ、弾さんとしては、あらゆる金の使い方はもう個々人にすべて任せといた方がいいと。

    カネをばらまけば、人の知恵を搾り取れる

    小飼:そう、だから金をばらまくことによって知恵を絞れるんですよ。税金を搾り取るんじゃなくて、知恵を搾り取る。

    山路:人に頭を使わせる。

    小飼:そうそう。お金がないとそういうふうに頭が回らないんですよ。

    山路:お金がない時というのは、水道と電気とガス、食料……というように、選択肢が狭まってしまう。

    小飼:で、生活保護を受けているなら、パソコンを買っちゃだめみたいなことを言われてしまう。あれはちょっとびっくりしたな(笑)。

    山路:意味がわかんないですけどね。今スマホとかパソコンとかなかったら何もできない。仕事を探すにしても、何かを学ぶにしても。

    小飼:きっと裁判所の人たちは違うんでしょうね(笑)。

    山路:「パソコンは知人から借りられる」からダメだというのはどうかしている。

    小飼:要は、人のお金の使い方に細かくケチをつけてるんですよ。細かくつけない方がいろいろな使われ方をするのに。
     「生活保護を受給してパソコンを買う」のは極めて有効なお金の使い方です。そういう使い方は、納税者として支持するしかない(笑)。

    山路:パソコンを買って、それで遊ぶもよし、仕事を見つけるもよし。

    小飼:その人がアプリを作って一発当てたりしたら、また富が生まれるわけじゃないですか?

    山路:生活保護費をもらい、その範囲内でじっと身を縮ませて暮らしてても全然消費は伸びないわけですもんね。

    小飼:いちいち「あれはいい、あれはだめ」なんて余計な手間をかけるなと。何のための生活保護なんですか。黙って金を渡して、ほっときゃいいじゃないですか。

    山路:まあ、そこに「働かないのに金もらえてる」という妬みが発生するわけですけど。

    小飼:人を嫉妬している暇があったらてめえの金の使い方を考えればいいじゃん! 嫉妬してる人たちは、そういうお金がないからなのか?

    山路:生活保護受給者に嫉妬する人は、生活保護よりちょっとは入ってくるお金が多いんでしょうけどね。

    小飼:「不正受給」なんていうけど、何が正しくて何が正しくないのかというのを渡す側がいちいち考えなければいけないでしょ?
     親が子に対してそれをするのはいいですよ。親が子供に小遣いを渡して、子供がガチャでスったりしたら、それは怒ってもいい。でも生活保護費は、大人が別の大人に渡しているわけですから。

    山路:ギャンブルでスろうが、酒呑んでスろうが、本人の自由。

    小飼:そこは、いい意味の「お役所仕事」をするべきなんですよ。お役所の方でいちいち細かく考えてあげてはダメ。

    「ベーシックインカムが正解」(コメント)

    山路:まあそういうことですよね。

    「まず外国人に金出すのやめよう」(コメント)

    小飼:え、なんで?

    山路:これって、根深い問題だと思っていて。ベーシックインカムでを世界同時、あらゆる人に対してやるのだったらいいんでしょうけど。

    小飼:うん、全世界でやるのが、一番効果あるね。

    山路:でも、どこかの国が充実した社会保障政策を実施すると、そこに必ず人が集まりますよね。

    小飼:タックスヘイブンに金持ちが集まるのと同じ問題を抱えてるわけですけれども。

    山路:社会保障の財源も限られているわけだから、そうなってくると必然的に「俺たち」と「お前たち」という壁が生まれてくる。新しくやってくる外国人にもベーシックインカムは渡せるのでしょうか?

    急務なのは、税の一本化だ!

    小飼:でも、「無限にあるわけではない」でみんな議論を止めちゃってるでしょ? 逆に、財源はいったいいくらあるのか、きちっと精査していないよね。
     例えば、財源の話になると、財務省がどう税金を集めるかという議論になる。でも、実際は厚労省が集めてるカネの方が額は大きいんですよ。
     
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