カスタマイズ,パーソナライズ,オーダーメイド,最新情報,最新動向

2017年に入り、何かと暗いニュースの多いアパレル・ファッション業界、、、ですが、実は「オーダーメイド」「カスタマイズ」の市場が伸びていることをご存知でしょうか?

その背景の一つには、若者を中心に大量生産で作られた、いわゆる既成品から、自分仕様を求める「オリジナル志向」への強まりが関係しています。

そして、顧客の変化に合わせて、老舗から新興ブランドまで「オーダーメイド」「カスタマイズ」を当たり前のサービスとして取り入れ始めています。

しかし、企業の担当者が日々の仕事をしながら、その最新情報、動向をキャッチするのは非常に大変なんじゃないか・・・という仮説の元、そのような人の役になればと思い、この1ヶ月の中で話題のニュースをまとめてみました。

紹介する記事は「カスタマイズ」「パーソナライズ」「オーダーメイド」に関連するもので、選ぶ基準としては、完全に主観的なものですが(笑)、

・アパレル、ファッション、通販業界で注目の情報をチェックしたい

・今、注目を集める新サービスや商品の最新情報を知りたい

・他社や新興ブランドについてアンテナを張りたい

という方は、こちらを見れば、1ヶ月に押さえておくべき情報を効率的にインプットすることができると思います。興味のある方は、ぜひ最後までお付き合いください!

もくじ

1.  TIMBUK2(ティンバックツー)、12月7日(木)東京・渋谷区に旗艦店オープン!

2. フェンディがファーフェッチとタッグ!「キャナイ エフ」バッグと「ストラップ ユー」をオンラインでカスタマイズできる新サービス「カスタマイズ イット」をローンチ!

3. バーチャサイズがオンライン試着ソリューションを海外ファッション通販No1サイトBUYMA(バイマ)に提供開始

4. オンライン発のビジネスウェアオーダーブランドLaFabric、“Smart Order Store”をコンセプトに新宿マルイ店をリニューアル!直感的に好みの生地を探せる「Fabric Wall」が登場

5. カスタマイズはものづくりだ – 「スニーカーの外科医」が伝える新しいサステイナビリティ

6. カスタムカーのパーツカタログ「Garage」運営がフェムトから2.5億円調達、アフターパーツ市場のプラットフォーム目指す

7. ユニクロ、世界でセミオーダー事業。米国のほか欧中でも

8. ブラ選びや着用感で悩む全国の女性のためのオンラインチャットサロンを作ります

9. 伊藤忠がオーダースーツ、テーラー採寸、注文はネット

10. アシックス、スマホで足のサイズを計測できるアプリを開発

11.【世界最短】2日で理想のTシャツつくります!

12. Walmartがパーソナライズドショッピングサービスと、レジの無い店舗を開発中

13. Knotが日本の時計製造業の未来を支援する。若き技術者がデザインした特別モデル

まとめ


1. TIMBUK2(ティンバックツー)、12月7日(木)東京・渋谷区に旗艦店オープン!


ここがポイント!

・渋谷にOPENした旗艦店では、「自分だけのカスタムバッグ」をオーダーすることが可能

・約40種類の色・柄からカスタムオーダーを楽しむことができ、注文後、約2週間で商品を届けてくれる

こちら12月の最初に目に入ったニュースで、いきなりテンション上がりました。ティンバックツーの旗艦店を中心に渋谷のメッセンジャーシーンがより盛り上がるといいですね。

ほか、過去メッセンジャーバッグについての記事も書いていますので、ブランドが知りたい方は「機能性とデザイン性に優れたおすすめのメッセンジャーバッグブランド15選」を合わせてご覧ください。


2. フェンディがファーフェッチとタッグ!「キャナイ エフ」バッグと「ストラップ ユー」をオンラインでカスタマイズできる新サービス「カスタマイズ イット」をローンチ!


ここがポイント!

・フェンディ、ブランド史上初となるオンラインカスタマイズサービス”Customize it”をリリース

わざわざ、FARFETCH(オンラインショッピングモール)と組み、サービスをリリースするという点に興味が湧きました。

また記事中の”この時代において、カスタマイゼーションはラグジュアリーの究極の表現です”という文章には非常に共感しました。メゾンもオンラインカスタマイズサービスに取り組み始めている好例ですね。


3. バーチャサイズがオンライン試着ソリューションを海外ファッション通販No1サイトBUYMA(バイマ)に提供開始


ここがポイント!

・バーチャサイズの国内ECサイトへの導入が進んでいる!

・BUYMAも他社ECサイトと同じく、ユーザーが抱えていた「服のサイズへの不安」を解消し、安心して購入してもらうためにバーチャサイズを導入した

バーチャサイズのことは以前から知っていましたが、国内のマーケットシェア約20%を押さえ、ユナイテッドアローズ、マガシーク、ショップリストなどへ導入していると知り、驚きました。

アパレルECサイトが抱える「サイズへの不安」を解消するソリューションを提供する企業として、引き続き、動向から目が離せません。


4. オンライン発のビジネスウェアオーダーブランドLaFabric、“Smart Order Store”をコンセプトに新宿マルイ店をリニューアル!直感的に好みの生地を探せる「Fabric Wall」が登場


ここがポイント!

・12月6日より、LaFabric・新宿マルイ店がリニューアルOPEN!

・店舗では新しく壁一面に生地が取り付けられた「Fabric Wall」が設置され、好きな生地を直感的に探せる店舗となっている

こちら自社の紹介になりますが、新宿マルイ店がリニューアルOPENを迎えました!自分で言うのもなんですが、、、今までで一番良いお店です。

お店に寄っていただいた方は分かると思いますが、まず商品がほとんどありません(笑)というのも、「オーダースーツを作る体験を楽しんでいただいきたい」という気持ちで店舗設計がされているためです。

商品がないので、初めての方はびっくりされてしまうかもしれません。しかし、ネットショッピングの台頭で店舗の役割が再定義される中、「モノを売らない」という形は、これからの小売りの在り方の一つだと思います。

小売店が持つべきものは品揃えではなく、モノを売ることから脱却する勇気なのかもしれません。


5. カスタマイズはものづくりだ – 「スニーカーの外科医」が伝える新しいサステイナビリティ


ここがポイント!

・2017年11月、Farfertchは「改造スニーカー」のオーダーを手がけるユニット「THE SHOE SURGEON」と、スニーカーのカスタマイズワークショップを開催

・2014年以降、スニーカーブームが再来する中、「カスタマイゼーション」は根強いトレンドの一つになっている

・ファッション業界は持続可能性を意味する「サステイナビリティ」の概念が浸透してきており、THE SHOE SURGEONの活動もサスティナブルな活動として注目を集めている

「改造スニーカー」の話題は、HYPEBEASTなどで知っていましたが、「THE SHOE SURGEON」というユニットの活動を詳しく知らなかったので、興味が湧きました。

THE SHOE SURGEON主宰のドミニクは、高校生の時からスニーカーをカスタマイズしていたようで、筋金入りのカスタマイズマニアですね(笑)


6. カスタムカーのパーツカタログ「Garage」運営がフェムトから2.5億円調達、アフターパーツ市場のプラットフォーム目指す


ここがポイント!

・車のカスタマイズパーツの情報収集手段が「雑誌からスマホで検索」の流れへ変化してきている

・情報収集経路が雑誌からスマホで変わる中、カスタムパーツを取り扱うお店のWEBへの対応が不十分という課題があり、Garageはその課題解決を目指している

アパレル・ファッション業界ではないですが、業界がスマホ化の波に遅れる中、いち早くユーザーニーズに気づき、サービスを形にしている方々だ、、、と勉強になりました。

この記事を読んで、何かの本で読んだ「商品・製品で最もユーザーニーズを把握しているのは、販売店のスタッフではなく、実はアフターケアをするスタッフである」という一文を思い出しました。

公式サイトを見る限り、現段階では「カスタム・チューニングカーに特化したカタログメディア」という位置づけのようで、パーツを買うページも淡白な感じですが、ここにAmazonのようにユーザーの声などが見れるようになると、より便利になると思いました。


7. ユニクロ、世界でセミオーダー事業。米国のほか欧中でも


ここがポイント!

・従来、高品質な衣料品を大量生産で製造・販売してきたユニクロだが、消費者の趣味嗜好の多様化に伴い、「顧客一人一人に合う衣服の製造販売モデル」へ舵を取り始めている

日本で展開していたセミオーダーシャツ事業を米国でも始める、という内容でした。

販売チャネルは「ネット通販のみ、価格は$29.90、納期は3〜7日」とのことで、この価格帯、リードタイムはユニクロしかできないな、、という印象を受けました。国内で提供しているものと同じ水準という点も驚愕で、サプライチェーンを押さえているユニクロだからこそできる技ですね。。

米国もオーダー市場は盛り上がってきているので、国内以外だとユニクロのセミオーダー事業に注目です。


8. ブラ選びや着用感で悩む全国の女性のためのオンラインチャットサロンを作ります


ここがポイント!

・WEB上の診断から、一人一人のバストに合うブラを診断してくれるオンラインフィッティングサービス「Fittin(フィッティン)」がクラウドファンディングをスタート!

・「ブラ診断でどの項目を選んでいいかわからない」「WEBの情報だけではやっぱり不安」というユーザーの悩みを解決するため、ウェブ接客ツールの導入のためにパトロンを募集

過去にもクラウドファンディングを成功させたFittinの新しいチャレンジです!頑張って欲しいですね!(自分が男性なのが残念・・・)


9. 伊藤忠がオーダースーツ テーラー採寸、注文はネット 


ここがポイント!

・伊藤忠商事の子会社で高級服地ブランド「スキャバル」の卸売りをするスキャバルジャパンを通じ、「スキャバル・メイド・トゥ・メジャー」をスタート

・国内の一流テーラーと提携し、採寸のボトルネックを解消〜2回目以降は、ネットでも注文できる

オーダースーツ市場が戦国時代へ突入してきていますね。

ずばり、オーダースーツ業界では、「初回は実店舗で採寸、2回目以降はネットでオーダー」がこれからの当たり前になるでしょう。この流れは間違いないです。


10. アシックス、スマホで足のサイズを計測できるアプリを開発


ここがポイント!

・アシックスが開発したスマホアプリ「MOBILE FOOT ID」を利用し、性別やランニングモデルなどの質問に回答していけば、そのデータがアシックスのオンラインストアへ連携され、おすすめのシューズを提案してくれる

ぱっと見、素人向けというよりは、ランニングをする人、トレーニングをする人向けという印象で、何を解決するサービスなのかな?がまだイマイチよくわかりませんでした。(おすすめの靴を知るだけなら、店舗で聞けばいいと思うので)

妄想ですが、ランニングをする人向けに足のサイズデータや靴のデータ、走り方の情報収集をすることで、一人一人のライフスタイルの質を高めるサービスを目指しているんじゃないかな?と思いました。今後のビジョンが気になります。


11.【世界最短】2日で理想のTシャツつくります!


ここがポイント!

・無地Tシャツブランド「9 o’clock(ナインオクロック)」が新しいチャレンジとして、セミオーダーのTシャツ事業を発表

代表の香取さんとは一度、お話ししたことがあり、「セミオーダーTシャツ事業」について詳細をお聞きしていたので、いよいよスタート!という感じです。

Tシャツって、とてもベーシックなアイテムなので、一見すると「カスタマイズする必要性ってあるの?」とも思いがちですが、ベーシックなアイテムだからこそ抱えている潜在的なニーズを掘り起こすことができれば、、、と考えるとワクワクしてきます。


12. Walmartがパーソナライズドショッピングサービスと、レジの無い店舗を開発中


ここがポイント!

・「信頼できるパーソナルショッピング体験」を提供するために、Walmartでは「忙しい人たち」を対象に、パーソナライズされたおすすめ商品の提案とテキストメッセージ(SMS)で注文できるサービスのテストが実施されている

米国の記事を読む度に、小売は「パーソナライズ」が鍵だと心底思います。

ほか、記事を読んでただおすすめの商品を提案するだけではなく、「なぜ、それがおすすめなのか?」も提案しようとしている点に驚きました。

“お客様の信頼を勝ち取るために、どの商品がベストであるかを決めるだけでなく、何故それがベストであるかも決めることです。私たちはスタイル、価格帯、有機・天然の嗜好、その他のパーソナルなデータに基づいて提案を行います”


13. Knotが日本の時計製造業の未来を支援する。若き技術者がデザインした特別モデル


ここがポイント!

・カスタムオーダーのリストウェアブランド「Knot」の新しいクラウドファンディングがスタート!

・Knot初となる産学連携のプロジェクトで、日本の時計製造業の未来を担う若い世代のためのチャレンジ

2014年、Makuakeから怒涛の快進撃が始まったKnotの新しい挑戦。腕時計業界に旋風を起こすだけでなく、これからを担う人材育成のことも考え、行動に移しているKnotを見て、心が温かくなりました。

陰ながら、プロジェクトの成功を応援しています。


まとめ

2017年最後の振り返りとなりましたが、今月も話題の多い1ヶ月でした。

先月の「ZOZOSUIT」並のインパクトのあるニュースはありませんでしたが、伊藤忠のオーダースーツ事業への参入を見る限り、いよいよ国内のオーダースーツ・シャツ業界は戦国時代へ突入し始めている、と感じました。

そして、オーダースーツ・シャツ業界は「初回は実店舗で採寸、2回目以降はネットでオーダー」が今後の当たり前になっていくだろうと肌で感じました。

ほか、ユニクロも米国でのセミオーダーシャツ事業の開始を発表しましたので、大手は日本だけでなく、海外でもしっかりオーダー市場へ舵を取っているのが伺えます。

そういう観点から、今月は、

4. オンライン発のビジネスウェアオーダーブランドLaFabric、“Smart Order Store”をコンセプトに新宿マルイ店をリニューアル!直感的に好みの生地を探せる「Fabric Wall」が登場

7. ユニクロ、世界でセミオーダー事業。米国のほか欧中でも

9. 伊藤忠がオーダースーツ、テーラー採寸、注文はネット

の3つを気になったニュースとしてピックアップしたいと思います。

「情報製造小売」を目指すユニクロ、ZOZOSUITを発表し「体型データ」を真正面から取りにきたZOZOTOWN、さまざまなアプローチでネット注文のサイズへの不安を解消しようと挑戦するスタートアップの数々、、、2018年は、いよいよ”服の買い方”が大きく変わる「パーソナルデータ元年」になるのではないでしょうか。

そんなことを思いながら、年内最後はこの言葉で締めくくります。

“Data is clearly the new oil”(by Jonathan Taplin/”Move Fast and Break Things”著者)

おわり。


この記事で紹介した内容は、2017年12月末時点での情報を元にお届けしています。

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