コンテンツにスキップする
Subscriber Only

着ぐるみ着ててもOK、アマゾンのレジ無し店舗は開店準備ほぼ万端

  • アマゾン・ゴーのシステム、従業員はピカチュウに変装して実験済み
  • 技術的な問題から正式なオープンが遅れていた

米アマゾン・ドット・コムの従業員はこの1年間、新たなシステムを採用した食料品店「アマゾン・ゴー」の試験をシアトルで続けてきた。アマゾン・ゴーでは買い物客が商品を選んで、レジを経由せずに支払いを済ませ、店外に出ることができる。アマゾンは仕組みについて詳しくは明らかにしていないが、携帯電話にダウンロードしたアプリが使われ、誰が何を買っているのかの判別には自動運転車に利用されるセンサー技術も活用されている。

  アマゾンの従業員3人はこの技術に盲点があるのではないかと疑い、ある日、黄色い「ピカチュウ」の着ぐるみを着て買い物をしてみた。だがこの試みに詳しい関係者によれば、システムのアルゴリズムはこの変装を見事に見破った。従業員を正確に特定し、それぞれが持つアマゾンの口座に代金を請求したという。

Inside Amazon’s Battle to Break Into the $800 Billion Grocery Market

シアトルにある「アマゾン・ゴー」の店舗

Photographer: David Ryder/Bloomberg

  アマゾンは昨年12月にアマゾン・ゴーを披露。今年の早い時期に一般向けにオープンする予定だとしていた。だが米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が3月に報じたところによれば、技術的な問題が生じたことから開店を延期した。

  それから7カ月が経過し課題はまだ残っているものの、レジを通さずに「そのまま店を出る」ための技術は大幅に改善したと関係者は語った。関係者はこのプロジェクトについて自由に話すため、匿名を条件とした。アマゾン・ゴーのチームではシステムを完璧にするのに必要なエンジニアや調査員から、店舗の建設や消費者へのプロモーションに必要な人材へと採用が変化している。正式なオープンの準備がほぼ整っている可能性が示唆されている。

  アマゾンはコメントを控えた。

原題:Amazon’s Cashierless Store Is Almost Ready for Prime Time(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE