中国Apple関連会社の従業員が盗み出したユーザー情報を売却し、5000万人民元(約8億1041万円)を荒稼ぎしていた容疑で逮捕された。流出した個人データが国内・国外のユーザのものなのかなど、詳細は明らかにされていない。

個人情報の売買が横行する中国では、政府がサイバー・セキュリティー対策を強化するなど対策に乗りだしているが、現時点ではいたちごっこという感が否めない。

顧客データ1件につき最高2920円で取引

事件を公表した浙江省南部の警察によると 、容疑者グループは社内のコンピューターを悪用して、ユーザのApple IDや携帯番号を含む個人情報を入手。闇のネットワークを通して巨額の利益を得ていた。

中国警察は数か月におよぶ捜査を経て、広州、江蘇、浙江、福建などの地域で、容疑者の逮捕や証拠品の押収に踏みきった。

逮捕された容疑者22人のうち20人は、Appleが中国でマーケティングなどを依頼している外注委託会社の従業員だ。顧客データ1件につき、10人民元から180人民元(約162円から2920円)で取引されていたという。

通常、内部のコンピューター・システムに顧客情報を保管することは珍しいため、実際はサポート・システムから流出したのではないかとの指摘もある。

2016年5月、中国政府からセキュリティー保護を要請 されていたAppleは、今回の事件について黙秘を続けている。

政府は厳格な新サイバー・セキュリティー法を導入