「キャリアのお試し、適性があれば続け、なければ他を試して自身の適性を把握していく」
という、欧米型のキャリア形成の叙述が印象的でした。
一度選んだら、最後までやる、という従来の日本社会の価値観がそれを難しくしていると感じました。
しかし、欧米型のキャリア形成もいいところだけではありません。
それは同時に、功利主義的思想を助長するので、お試しを繰り返して自身の適性を把握し研ぎ澄ましていくことは、同時に人の分化(個人主義)を助長します。
人との強固な繋がりが薄くなり孤独を感じやすい、結果主義になりやすい、キャリアや収入の格差を生むという危険性もはらんでいます。
このことが、頭ではわかっているけれどなかなか実行に移せないという現場側の理解にも繋がります。
・日本が経済・文化的に衰退していかないためには、欧米型のキャリア形成を
・江戸時代から続く従来の”日本”というアイデンティティを失わないためには、従来型の思想を
これは、根深い問題です。
ところで、本書には「今が江戸時代だったらいいのに」という実際の若者の会話談も載っています。
これは、職業が世襲制だった江戸時代、職業選択の自由がなければ、余計な事考えずに仕事ができたし、暮らせたという現代への皮肉と、若者の切実な気持ちが表れていると思います。僕も、「そうそう!」と納得してしまいました。
昔は、1か2か3かで考えればよかった物事も、今は1~15くらいに細分化され、単純ではなくなってきています。
今の若者が指示待ちなのは、直面することすべてが難解で、単純に考えられる思想を持った(馬鹿にしているわけではありません)上司にいっそのこと決めてほしいという思いが強いのかもしれません。なぜなら僕がそうなので。

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なぜ若手社員は「指示待ち」を選ぶのか? 職場での成長を放棄する若者たち (PHPビジネス新書) 新書 – 2017/4/19
豊田 義博
(著)
こんな若手、あなたの周りにいませんか br><; br> ・意識は高いが、目標は無難。
・まじめだけど、気が利かない。
・優秀なのに、リスク回避志向。
・仕事はセーブ、休日は社会貢献。
・平成よりも、江戸時代に生まれたかった!?
一見矛盾する若手の深層心理を知って
自分から動く部下を育てる
まじめで優秀、自己実現志向で、意識と意欲も高い一方、
報告・相談ができず、指示待ちでリスク回避志向な現代の若手社員たち。
そんな彼らは、実は最初から職場での成長を〝放棄〟している!?――
本書では、一見矛盾した若者の実態と彼らが生まれた背景を、
30年以上にわたって日本の若者を見つめ続けてきた著者が丁寧に解説。
「最近の若手社員が何を考えているのかわからない……」
と若手育成に悩む管理職・マネジャーたちに向けて、
職場で「生き生きと働けていない」新人・若手を、
「自分から動ける人材」にするための処方箋を提示する。
【本書の内容】
第1章 前向き、なのに頑張らない――若手社員の矛盾に満ちた実態
第2章 「新能力」「新学力」がもたらした大転換
第3章 「えもいわれぬ違和感」の正体
第4章 マネジャーへの処方箋――環境適応性を引き出す「問いかけ」の力
第5章 若手社員への処方箋――「天職探し」を捨てよ、外に出よう
・まじめだけど、気が利かない。
・優秀なのに、リスク回避志向。
・仕事はセーブ、休日は社会貢献。
・平成よりも、江戸時代に生まれたかった!?
一見矛盾する若手の深層心理を知って
自分から動く部下を育てる
まじめで優秀、自己実現志向で、意識と意欲も高い一方、
報告・相談ができず、指示待ちでリスク回避志向な現代の若手社員たち。
そんな彼らは、実は最初から職場での成長を〝放棄〟している!?――
本書では、一見矛盾した若者の実態と彼らが生まれた背景を、
30年以上にわたって日本の若者を見つめ続けてきた著者が丁寧に解説。
「最近の若手社員が何を考えているのかわからない……」
と若手育成に悩む管理職・マネジャーたちに向けて、
職場で「生き生きと働けていない」新人・若手を、
「自分から動ける人材」にするための処方箋を提示する。
【本書の内容】
第1章 前向き、なのに頑張らない――若手社員の矛盾に満ちた実態
第2章 「新能力」「新学力」がもたらした大転換
第3章 「えもいわれぬ違和感」の正体
第4章 マネジャーへの処方箋――環境適応性を引き出す「問いかけ」の力
第5章 若手社員への処方箋――「天職探し」を捨てよ、外に出よう
- 本の長さ256ページ
- 言語日本語
- 出版社PHP研究所
- 発売日2017/4/19
- ISBN-104569832024
- ISBN-13978-4569832029
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商品の説明
著者について
豊田 義博(とよだ・よしひろ)
1983年東京大学理学部卒業後、リクルートに入社。就職ジャーナル、リクルートブック、「Works」の編集長を経て、現在はリクルートワークス研究所主幹研究員。20代の就業実態・キャリア観・仕事観、新卒採用・就活、大学時代の経験・学習などの調査研究に携わる。
著書に、『若手社員が育たない。』『就活エリートの迷走』(ともにちくま新書)、『「上司」不要論。』(東洋経済新報社)などがある。
1983年東京大学理学部卒業後、リクルートに入社。就職ジャーナル、リクルートブック、「Works」の編集長を経て、現在はリクルートワークス研究所主幹研究員。20代の就業実態・キャリア観・仕事観、新卒採用・就活、大学時代の経験・学習などの調査研究に携わる。
著書に、『若手社員が育たない。』『就活エリートの迷走』(ともにちくま新書)、『「上司」不要論。』(東洋経済新報社)などがある。
登録情報
- 出版社 : PHP研究所 (2017/4/19)
- 発売日 : 2017/4/19
- 言語 : 日本語
- 新書 : 256ページ
- ISBN-10 : 4569832024
- ISBN-13 : 978-4569832029
- Amazon 売れ筋ランキング: - 521,572位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 441位PHPビジネス新書
- - 47,567位ビジネス・経済 (本)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2018年1月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
このレビューは、レビュワーである私が大卒3年目の若手社員であることを前提にしてください。
○よかったと思う点
・レビュータイトルの通り、若手社員と置かれているであろう職場への分析が分かりやすかったこと
・具体的な対処法ではマネージャー向けに書かれることが主になるが、若手社員むけの対処法もフォローできていること
●悪かったと思う点
・マネージャー向けの対処法で‘顧客’を軸に置いており、営業や経営企画の職にある人には当てはまりやすいかもしれないが、直接顧客と関係を持たない管理部門には通用しにくそうであること
・若手社員はなんらかの熱意ややりたいことを持って今の会社に入っている、という前提に立っており、止むを得ず入った人や本文中にあるような芝居をうって入った人を想定しきれていないこと
伸び悩んでいる、くすぶっている若手社員を抱えたマネージャー向けの一冊ではないでしょうか。
○よかったと思う点
・レビュータイトルの通り、若手社員と置かれているであろう職場への分析が分かりやすかったこと
・具体的な対処法ではマネージャー向けに書かれることが主になるが、若手社員むけの対処法もフォローできていること
●悪かったと思う点
・マネージャー向けの対処法で‘顧客’を軸に置いており、営業や経営企画の職にある人には当てはまりやすいかもしれないが、直接顧客と関係を持たない管理部門には通用しにくそうであること
・若手社員はなんらかの熱意ややりたいことを持って今の会社に入っている、という前提に立っており、止むを得ず入った人や本文中にあるような芝居をうって入った人を想定しきれていないこと
伸び悩んでいる、くすぶっている若手社員を抱えたマネージャー向けの一冊ではないでしょうか。
2018年4月23日に日本でレビュー済み
鈴木健司氏はまだ存命でした。1929年生まれで今年89歳でした。映画監督の鈴木清順が兄だったんですね
2017年7月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
私は入社3か月の新人社員です。
入社して自分が思っていたよりも仕事ができないなと感じたので読んでみました。
「指示待ち」、わたしも指示がないと何をしていいのかわからず悶々とした日々を過ごしています。
先輩上司は忙しく、声をかけていいタイミングもわからない状態です。
この本を読み、自分だけが陥っている悩みではないということがわかり、少し気持ちが楽になりました。
そして、上司の人は報告連絡相談をして欲しいということがわかりました。
これからは、どんどん報告連絡相談して、今以上に楽しく仕事をしたいと思います。
入社して、想像していた自分とは違うなと悩んでいる新入社員の方にも読んで欲しい本です。
入社して自分が思っていたよりも仕事ができないなと感じたので読んでみました。
「指示待ち」、わたしも指示がないと何をしていいのかわからず悶々とした日々を過ごしています。
先輩上司は忙しく、声をかけていいタイミングもわからない状態です。
この本を読み、自分だけが陥っている悩みではないということがわかり、少し気持ちが楽になりました。
そして、上司の人は報告連絡相談をして欲しいということがわかりました。
これからは、どんどん報告連絡相談して、今以上に楽しく仕事をしたいと思います。
入社して、想像していた自分とは違うなと悩んでいる新入社員の方にも読んで欲しい本です。
2021年7月3日に日本でレビュー済み
本書は冒頭で「若手社員が生き生きと働けるように、、、」と記述されている事から若手社員へのアドバイスを中心とした内容だと思い読み進めたが、大半が「上司目線」の内容で、いわゆる「最近の若者は、、、」を述べた物であった。
(個人的な解釈だが)端的に言えば、扱い難い若手社員に対する上司世代の愚痴を並べたような内容だ。
この内容がダメとは言わないが、それであれば最初から上司世代をターゲットにしていただきたい。
ターゲットと内容のギャップがあり過ぎる為、常に混乱した状態で読み進める形となってしまい、何を伝えたいのか最後まで掴めなかった事が残念であった。
(個人的な解釈だが)端的に言えば、扱い難い若手社員に対する上司世代の愚痴を並べたような内容だ。
この内容がダメとは言わないが、それであれば最初から上司世代をターゲットにしていただきたい。
ターゲットと内容のギャップがあり過ぎる為、常に混乱した状態で読み進める形となってしまい、何を伝えたいのか最後まで掴めなかった事が残念であった。
2017年5月8日に日本でレビュー済み
今どきの若者は、
「大企業は安泰というリスク回避志向」と、「オンリーワンの道を目ざすリスク回避志向」
の狭間で葛藤するという指摘には、膝を打ちました。
今の30代が若手時代には、長く続いた就職氷河期に
リーマン・ショックがとどめを刺し、会社への疑心暗鬼、その反動での
スキルアップ信仰、功利的なキャリア観が拡がっていましたが、今の若手にはそういった価値観はありません。
功利的というより、むしろ 社会貢献欲求が高まってきています。
並行して、組織に順応し、 安心・安定した人生を送りたいという欲求が強い。
ただ、大企業で終身雇用を望むも、でも、連日報道される大企業の不祥事や
企業に勤める親世代の大変さを間近に見て、大企業での終身雇用が神話であることもわかっている。
とはいえ、大企業で働く以外に安心・安定をつかむ選択肢が見えない、わからない。
だから、大企業を目ざし働きながら、かつ一生ものの手に職も身につけておきたい。
そんな複雑な心境を抱えています。
決してお金や待遇で惹きつけるのではなく、さらには、働きやすさで甘やかすのでもない。
愛情をもって一人ひとりに向き合うこと。
社会貢献欲求が高まってもいるため求めるべきは働きがいを持たせることです。
若者を抱きしめ育て上げる包容力こそが、企業には求められています。
「大企業は安泰というリスク回避志向」と、「オンリーワンの道を目ざすリスク回避志向」
の狭間で葛藤するという指摘には、膝を打ちました。
今の30代が若手時代には、長く続いた就職氷河期に
リーマン・ショックがとどめを刺し、会社への疑心暗鬼、その反動での
スキルアップ信仰、功利的なキャリア観が拡がっていましたが、今の若手にはそういった価値観はありません。
功利的というより、むしろ 社会貢献欲求が高まってきています。
並行して、組織に順応し、 安心・安定した人生を送りたいという欲求が強い。
ただ、大企業で終身雇用を望むも、でも、連日報道される大企業の不祥事や
企業に勤める親世代の大変さを間近に見て、大企業での終身雇用が神話であることもわかっている。
とはいえ、大企業で働く以外に安心・安定をつかむ選択肢が見えない、わからない。
だから、大企業を目ざし働きながら、かつ一生ものの手に職も身につけておきたい。
そんな複雑な心境を抱えています。
決してお金や待遇で惹きつけるのではなく、さらには、働きやすさで甘やかすのでもない。
愛情をもって一人ひとりに向き合うこと。
社会貢献欲求が高まってもいるため求めるべきは働きがいを持たせることです。
若者を抱きしめ育て上げる包容力こそが、企業には求められています。
2017年6月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
入社四年目ぐらいまでの社員教育に携わる中、非常に参考になりました
2017年8月3日に日本でレビュー済み
著者は、リクルートに入社し、就職ジャーナル、リクルートブックの編集長を経て、現在はリクルートワークス研究所主幹研究員とのことです。
著者は、その経験・研究成果を活かして、優秀なのに覇気がなく、「指示待ち」に陥っている今の若手社員について、ていねいに分析しています。
上司からすれば物足りなく感じてしまう彼ら・彼女らについて、本書は、一概に批判することなく、ていねいにその立場や気持ちをすくいあげて記述しています。
そして、本書の後半では、「マネージャーへの処方箋」(第4章)、「若手社員への処方箋」(第5章)が記述されています。
著者の主張する「処方箋」は、相手のこれまでの経歴や気持ちをインタビューするというものであり、実際には、日本の組織風土では実行しにくいものかもしれませんが、このような考え方があることを知っただけでも有意義と思います。
本書は、ていねいに、きちんと、真摯に書かれた本であり、読む価値の高い本です。
特に、私は、「生まれたときからの個性は変わるものではない。自分の個性に合った仕事を探すべき」という考え方を否定し、「他者の森を駆け抜けて自己になる」というような記述には大いに賛同します。
若手社員の方にとっては有益で、マネージャーにとっては必読の本。そしてそれ以外の人にとっても、いくつものヒントが得られる良書であり、読む価値の高い本と思います。
著者は、その経験・研究成果を活かして、優秀なのに覇気がなく、「指示待ち」に陥っている今の若手社員について、ていねいに分析しています。
上司からすれば物足りなく感じてしまう彼ら・彼女らについて、本書は、一概に批判することなく、ていねいにその立場や気持ちをすくいあげて記述しています。
そして、本書の後半では、「マネージャーへの処方箋」(第4章)、「若手社員への処方箋」(第5章)が記述されています。
著者の主張する「処方箋」は、相手のこれまでの経歴や気持ちをインタビューするというものであり、実際には、日本の組織風土では実行しにくいものかもしれませんが、このような考え方があることを知っただけでも有意義と思います。
本書は、ていねいに、きちんと、真摯に書かれた本であり、読む価値の高い本です。
特に、私は、「生まれたときからの個性は変わるものではない。自分の個性に合った仕事を探すべき」という考え方を否定し、「他者の森を駆け抜けて自己になる」というような記述には大いに賛同します。
若手社員の方にとっては有益で、マネージャーにとっては必読の本。そしてそれ以外の人にとっても、いくつものヒントが得られる良書であり、読む価値の高い本と思います。