羽生善治三冠、中学生棋士・藤井聡太四段の新記録に「すごいことをやってのけた」

羽生善治三冠、中学生棋士・藤井聡太四段の新記録に「すごいことをやってのけた」

ライター: AbemaTV将棋チャンネル編集局  更新: 2017年04月22日

将棋界の天才が、新たな天才の力を認めた。羽生善治三冠(46)が、昨年10月の史上最年少14歳2カ月でプロ入り、さらにはデビュー以来12連勝(インタビュー当時)という新記録を打ち立てた藤井聡太四段(14)について「すごいことをやってのけた」と、高く評価した。

東京都渋谷区の将棋会館でインタビューに応じると、自身と同じく中学生でプロ入りした藤井四段について、落ち着いた戦いぶりなどにも注目。AbemaTV将棋チャンネルの対局企画「藤井聡太四段 炎の七番勝負~New Generation Story~」では4月23日に、直接対決の様子が放送されるが、夢の対決解禁を前に期待の新星への思いを聞いた。

 ――藤井聡太四段が将棋史上5人目の中学生棋士になりました

その時代、時代によって棋士になる難易度には差があり、藤井さんが14歳2カ月で中学生棋士になったことは、私自身は、ものすごく価値のあることだと思っています。現在は三段リーグがあり、その三段リーグに在籍している人数も多くハイレベルになっていますからね。ここを抜けて四段になることはものすごく大変です。この状況で将棋史の最年少プロデビュー記録を塗り替えたのですから、藤井さんは本当にすごいことをやってのけたと思っています

 ――藤井四段の将棋の特徴はなんですか

終盤の勝ち方に切れ味の鋭さを感じます。やはり読みの速さと精度がすごいのでしょうね。詰将棋解答選手権で、あるプロ棋士がまだ1問目を考えているときに、当時小学生だった藤井さんが全問解き終えて退出してしまって驚いたという話も聞きました。「すごい小学生がいる」といううわさは当時、私の耳にも入ってきました。解答選手権3連覇という実績はただものではないです。瞬間的にいい手がひらめく能力も優れているでしょうね。

 ――序盤、中盤の実力についてどう見ていますか

藤井さんの指し手には現代的なスピード感がありますね。チャンスと見れば躊躇せず踏み込んできます。また序盤が体系化されてきていている現代将棋において、重要なポイントをしっかりと押さえているという印象です。

 ――プロデビューから公式戦12連勝の新記録を達成しました

すごい記録ですよね。私も藤井さんの将棋を見ていますが、危なっかしい局面がほとんどないんですよ。私が見た中では11戦目の小林裕士さんとの将棋で一瞬だけ危ないと感じるところがあったくらいで...。それも本当に一瞬だけなんです。いつもほとんど完ぺきと言える内容の将棋を指しているように思います。

 ――羽生三冠も中学生でプロデビューでした。同じく中学生棋士の藤井四段にアドバイスはありますか

アドバイスですか...。藤井さんは落ち着いていて、中学生とは思えないくらいしっかりしていますよね。アドバイスしてあげたい点が見当たらなくて困ります(笑)。おそらく師匠の杉本昌隆さんが、プロ棋士としての振る舞いといった部分の指導もケアしながら育ててこられたのじゃないかと思いますね。これからは取材を受ける機会も多くなるでしょうから、そういった将棋以外のことに上手に対処していくことも大切になっていくでしょう。

?藤井四段が羽生三冠と対決する「炎の七番勝負」はこちらから

AbemaTV将棋チャンネル編集局

ライターAbemaTV将棋チャンネル編集局

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