日立製作所は26日、半導体製造装置子会社の日立国際電気を米投資ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)に売却すると発表した。非中核事業を切り離して得た資金を、社会インフラやあらゆる機器をインターネットにつなぐIoT(モノのインターネット)事業に振り向ける。事業構造の見直しを加速し、成長投資で先行する欧米大手を追撃する。
日立は日立国際電気の自社株買いに応じ、保有する株式(議決権ベースで51.67%)全てを907億円で売却。一方、KKRは株式公開買い付け(TOB)で日立以外が保有する株式を取得することで、日立国際電気を完全子会社化する。
日立国際電気は東証1部上場で、2017年3月期の売上高は1718億円、最終利益は74億円。上場廃止となるが、KKRの国際的なネットワークを活用しながら、成長を狙う。
日立が黒字子会社でも売却に踏み切るのは、インフラやIoTという中核事業に経営資源を集中する一方、非中核事業は売却して収益率を高める「選択と集中」に邁進(まいしん)しているからだ。