大相撲,稀勢の里,株式番付
(写真=J. Henning Buchholz/Shutterstock.com ※画像はイメージです)

大相撲春場所(3月12日初日)の番付が2月27日に発表され、稀勢の里が西の2番目の横綱となった。3代目若乃花以来、日本人出身の新横綱が19年ぶりに誕生したこともあり、大相撲はかつてないくらい人気を博している。

そんな大相撲人気に負けないくらい、3月の株式市場ではIPO(新規公開株)が個人投資家の注目を集めている。2017年は1月27日に新規上場したシャノン <3976> を皮切りに、ほぼ日手帳を手掛ける「ほぼ日 <3560> 」や、ラーメン専門店「一風堂」を手掛ける「力の源ホールディングス <3561> 」等、3月は馴染みのあるIPO株をはじめ多くの企業が新規上場を控えている。

そこで、2017年の有望な新規上場案件を見つける上での参考として、2016年に新規上場したIPO株83銘柄を対象に、初値以降の上昇率で「2016年版IPO株上昇番付」を作成してみた。

大相撲に似た「株式番付」が存在した

ところで、かつて株式市場にも番付なるものが存在したことをご存知だろうか。昭和23年11月25日、当時兜町にあった經濟(けいざい)日報社が「株式大相撲番附」を発行している。番付順位は、昭和23年1月6日発会から11月10日までの間の最高株価を基準に編成されていて、東の横綱は「日清紡績」で820円、西の横綱は 「帝國人絹(現在の帝人)」で865円だった。当時は国民的スポーツとして人気があった大相撲を参考に、多くの人に株式投資に興味を持ってもらおうと番付を作ってみたと推察される。

IPO案件の中には、初値をつけて以降、業績の下方修正等によって株価が値下がりする、いわゆる「上場ゴール」も散見される。しかし、その一方で、株価の上昇率が300%を超える銘柄もある。新規上場時からの時間経過には差があるが、一般的に、初値以降も株価が上昇する銘柄は企業業績が好調な場合が多い。では、「2016年版IPO株上昇番付」をみていこう。

株式大相撲番附 (東証Arrows)

2016年版IPO株上昇番付

番付を見てみると、個人投資家に人気のあるゲーム関連株の一つであるアカツキ <3932> から、薬品関連の昭栄薬品 <3537> 、食品関連のヨシムラ・フード・ホールディングス <2884> まで、幅広い銘柄が並ぶ。単に人気のある銘柄が値上がりしているわけではなく、業績等の裏付けがあるからこそランクインしていることがわかる。

【東】
横綱:マーキュリアインベストメント <7190> 388%
大関:アカツキ <3932> 319%
関脇:リファインバース <6531> 230%
小結:ヒロセ通商 <7185> 204
前頭:ストライク <6196> 177%
十両:キャリア <6198> 160%
幕下:ヨシムラ・フード・ホールディングス <2884> 148%
三段目:インソース <6200> 146%
序二段:中本パックス <7811> 134%
序ノ口:昭栄薬品 <3537> 119%

【西】
横綱:エボラブルアジア <6191> 340%
大関:農業総合研究所 <3541> 309%
関脇:グローバルグループ <6189> 214%
小結:WASHハウス <6537> 178%
前頭:チエル <3933> 172%
十両:シンシア <7782> 152%
幕下:ウイルプラスホールディングス <3538> 146%
三段目:チェンジ <3962> 140%
序二段:グレイステクノロジー <6541> 131%
序ノ口:リネットジャパングループ <3556> 108%

スポンサー企業からみた大相撲

最後に、大相撲では懸賞金という形でスポンサー企業がつく。白鵬や稀勢の里、御嶽海、鶴竜等といった人気力士に多くの懸賞金が集まるわけだが、取り組み前に懸賞が紹介される。

大相撲の番組で、「永谷園(永谷園ホールディングス <2899> )」等の懸賞金を見たことがある人も多いだろう。タマホーム <1419> やマクドナルドホールディングス <2702> 等馴染みのある企業の他、場所に合わせてその土地ならではの企業がスポンサーになる場合もある。

懸賞金という形で大相撲を応援することは、スポーツが企業の広告宣伝として有効だととらえている証でもある。2020年には東京オリンピックを控えている今、スポンサーという側面から、大相撲の懸賞金を眺めてみても面白いのではないだろうか。

横山利香(よこやまりか)
国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe)。ファイナンシャル・プランナー。相続士。「会社四季報オンライン」や「All About株式戦略マル秘レポート」での連載や、ヤフーファイナンスの「株価予想」でもマーケットコメントを執筆する等、株式投資や不動産投資といった投資や資産運用をテーマに執筆、 メルマガ発行 、講演活動、株塾を行う。

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