東京地裁は27日、旅行会社の「てるみくらぶ」(東京)の破産手続きの開始を決定した。民間信用調査会社の帝国データバンクによると、一般旅行者約3万6千人に対し、約100億円の債務があり、旅行が中止に追い込まれる恐れがある。
人件費や広告費が増加する中、ハワイやグアムなどへの格安パッケージツアーを想定通りに販売できず、資金繰りが悪化した。円安で海外への外貨建て支払いが膨らみ、収支が悪化したことが追い打ちとなった。代理人弁護士の調査では、負債額は計150億円だという。
てるみくらぶを巡っては顧客から「航空券が発券できない」などとする苦情が相次ぎ、観光庁が旅行者への影響などについて調査を始めていた。
民間調査会社の東京商工リサーチによると、てるみくらぶは平成10年に設立。18年9月期の売上高は約195億円だった。