CELEBRITY / Scoop

「ゲイ」じゃなくて「クィア」。ジェンダーから解放された美少年エズラ・ミラー。

自身のセクシュアリティについて自らカミングアウトすることでプラダ(PRADA)のキャンペーンモデルに抜擢されたエズラ・ミラー。絶賛公開中の『ファンタビ』や、『スーサイド・スクワッド』といった話題作にもれなくキャスティングされるカメレオン俳優にご注目!

『ファンタビ』のシャイな魔法使い役で注目。

映画『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』(16)より。Photo: Everett Collection/AFLO

『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』で、シャイで繊細な魔法使いのクリーデンス・べアボーンを演じているエズラ・ミラーはニュージャージー州出身の24歳。アジア系のようにも見えるエキゾティックな風貌と演技力で、ティーンの頃から映画通には注目されていた彼は、『ハリー・ポッター』新シリーズ出演で一気に脚光を浴びた。

今年は『スーサイド・スクワッド』にもスーパーヒーロー、フラッシュ役でカメオ出演。来年は同じ役で出演する『ジャスティス・リーグ』でさらなるブレイク確実! 再来年にはフラッシュを主役に据えた映画への主演が決定。その前には『ファンタビ』続編の撮影も予定されている。

エマ・ワトソンをはじめ、スター女優たちと共演する若きカメレオン俳優。

映画『ウォールフラワー』でエマ・ワトソンと共演するエズラ・ミラー。Photo: Target Press/AFLO

2008年、『Afterschool(原題)』で映画デビューにして主演を飾ったエズラは「カリフォルニケーション」などTVシリーズに出演しつつ、インディペンデント系の映画で活躍してきた。2011年、カンヌ国際映画祭で大反響を呼んだ『少年は残酷な弓を射る』では、ティルダ・スウィントンと母と息子役で共演。わが子に愛情を抱けない母親の胸中を見透かす少年を演じ、大絶賛された。

心が凍りつくような邪悪な美少年役の次には、『ウォールフラワー』(12)でエマ・ワトソンと義理の兄妹役で共演。トラウマを抱えた孤独な主人公の少年を義妹と2人で温かく受け入れるゲイの青年を演じた。エマとは撮影が始まってすぐに意気投合、「最も大切な友人の1人になった」と話している。ほかにミア・ワシコウスカ演じるヒロインの愛人を演じた『ボヴァリー夫人』(14)など、出演作のたびにガラリと表情を変えている。

ジェンダーから解放された新世代。

Photos by Instagram/@sonsofanillustriousfather/Sons of an Illustrious Father

2012年に雑誌のインタビューで、自分のセクシャリティについて「クィア」と表現、「自分を言い表すとしたら、ゲイではない。“彼女たち”に魅かれることが多かったけど、いろいろな人たちと付き合ったし、愛に関してはオープンなんだ」、「素晴らしい友だちがいて、彼らのジェンダーも様々。誰か特定の人に恋しているわけじゃない」と語った。

この発言は大反響を呼んだが、彼を同性愛者と決めつけるような報道が多かったことは不本意だった様子。2015年には「自分が誰を、どう愛するかという話になった時、ジェンダーが男性か女性かの二択というシステムに従いたくないという意味なんだ」と真意を説明している。

プラダのキャンペーンモデルに抜擢!

Photo by Instagram/@prada/Prada

184センチで均整のとれた体型と個性的な顔立ちでフォトジェニックな彼にはファッション界からもラブコールが。プラダ(PRADA)の2013年秋冬メンズのキャンペーンモデルに、タランティーノ作品でおなじみのオスカー俳優、クリストフ・ヴァルツや『007』シリーズでQを演じるベン・ウィショーとともに起用された。

大の音楽が好き。俳優業とバンド活動の二足の草鞋を履く。

Photos by Instagram/@sonsofanillustriousfather/Sons of an Illustrious Father

出版社役員の父親とモダンダンサーの母親というクリエイティブな家庭に生まれたエズラは6歳から声楽を学び、子役としてニューヨークのメトロポリタン・オペラの舞台に立ったことも。声変わりをきっかけにオペラは辞めることになり、演劇を学び始めた。当時は髪をピンクに染めていて、女の子に間違われることも多かったそう。

演技を始めてからもかわらず音楽は好きで、バンド「Sons of an Illustrious Father 」でボーカルとドラムス、パーカッション、キーボードを担当している。今も活動を続けていて、12月にもブルックリンでライブを開催する予定だ。

自腹で滞在延長するほど東京贔屓。

Photos by Instagram/@sonsofanillustriousfather/Sons of an Illustrious Father

2012年、『少年は残酷な弓を射る』のプロモーションで来日した際、「今までは世界一クールでクレイジーで活気のある街(ニューヨーク)に住んでると信じていたけど、東京に来たら、ニューヨークが退屈な場所になってしまった」と言うくらい東京が気に入ったエズラ。

仕事のスケジュールを消化した後はゲストハウスに移って、自腹で東京探訪の日々を過ごしたそう。好奇心旺盛で、目に映るもの全てが新鮮だったらしく、電車に乗って原宿や浅草など定番の観光スポットから、お花見シーズンの中目黒なども散策したようだ。

Text: Yuki Tominaga